Vol.1 ― パク・シネ「イ・ジョンソクとのキス、魂のないキスで怒られました」

OSEN |

写真=S.A.L.Tエンターテインメント
女優パク・シネ(25)は、大衆的人気と演技力を備えた、数少ない20代の女優だ。美貌まで優れているため、お茶の間の恋愛ドラマの常連出演者でもある。それだけ、出演するドラマがいずれも人気を集め、制作スタッフには一緒に働きたい、視聴者にはいつも見たい俳優として知られる。最近放送終了したSBS水木ドラマ「ピノキオ」でもまた、パク・シネという女優が持つ力が発揮された。

これは、タダで得られた魔法のような蜃気楼ではなかった。子役の頃から地道に積み上げてきた演技力、大きな不祥事を起こさずに絶えず演技をしながら積み上げた好感度があるからこそ可能なことだった。パク・シネはマスコミのインタビューで男女を問わず記者に好感を持たれる俳優でもある。積極的で率直なトークの技術まで備えている。「ピノキオ」で嘘をつくとしゃっくりをするチェ・イナ記者を演じてから再び20代のパク・シネに戻ってきた彼女は、インタビューで終始、和気藹々とした雰囲気をリードした。

「今回、記者の演技をしながら間接的に記者を経験しました。ニュースがどのように作られるのか、ニュースの報道がどれほど重要なのか、記者の役割が何なのかについて、少しながら知ることが出来ました。演技をしながらもとても不思議でした」

「ピノキオ」は社会部の記者たちのストーリーを描いたが、パク・ヘリョン脚本家が選択したニュースの素材が実際にも起こり、それだけ現実に近いことをアピールした。

「静電気防止アイテムをネタにしたエピソードがありましたが、実際私たちのドラマが放送される前に、ニュースのアイテムで報じられたそうです。本当に不思議でした。ネガティブなニュースのアイテムは、実際の話を聞いているとショックでもありました。実際には、ニュースよりも酷いかもしれないと思いました。記者の演技をしながら報道の倫理と公益性に対する台詞がもっとも記憶に残りました。記者はニュースを全世界の人々が見るようにし、ネガティブなことを知らせ、防止する必要性があるとの言葉を思い出します」

彼女が演じたイナは、嘘をつくとしゃっくりをする、仮想の症候群をわずらう人物だ。公正な報道をすることをPRするために放送局に採用されたとの設定。パク・シネはドラマで終始しゃっくりせざるを得なかった。

「私が実際にするしゃっくりともっとも似ている音を出そうとしました。脚本家の先生が、しゃっくりをする時点を全部表記してくださいます。台本が本当に繊細です。台本に脚注がついています。私の知り合いに2日間しゃっくりをした人がいました。止まらず、大変でした。その時に間接的に経験しました。実は、しゃっくりの演技ではありますが、長くするとのどが痛みます。後半では喉が痛かったです」

同ドラマはチョ・スウォン監督とパク・ヘリョン作家、イ・ジョンソクまで「君の声が聞こえる」の主役たちが集まることだけで注目を浴びた。スタッフと俳優がかなり親密な中、パク・シネにはこのような、既に知り合いの人たちと一緒に作品をすることがかなりの負担だった。

「私がこのチームとうまく調和できるのか、心配しました。久しぶりに会ったとは言え、実際に一緒に仕事をした人なので、お互いにどのように演じ、仕事をするか知っているでしょう?心配しましたが、初の撮影の後、懸念が全部消えました。監督の演出が本当に素晴らしく、脚本家の先生の台本が非常に面白かったです。撮影スタッフの方々にも、親指を立てたいです。いくら疲れていても、誰一人文句を言いません。冗談を交わしながら、辛くてもお互いに配慮します」

パク・シネとイ・ジョンソクは同じ年だ。ドラマが放送終了した後のインタビューでお互いの仲の良さを存分にアピールした。もちろん、あまりにも仲良く、お互いに対する非常に面白い表現を使った。

「イ・ジョンソクのSNSは徹底して放送のためのものです(笑) ネタの妖精と言われました。実際は、それは制作スタッフに許諾を受けて掲載した写真です。ジョンソクは非常に率直な性格です。綺麗だと思ったら綺麗だと言い、可笑しかったら可笑しいと言います。ブサイクだったらブサイクだと言います。(イ)ユビにもブサイクだと言ったり、ある日は綺麗だと言ったりします。本当にやんちゃな性格です。あ、もちろん、ユビも悪戯好きです(笑)」

イ・ジョンソクの表現を借りると、パク・シネは“ちゃっかりした”性格だ。正直な性格のイ・ジョンソクが公の場で些細な失言をすると、隣で訂正し、いわゆる収拾する役割をする。

「ジョンソクが『俺、可笑しくなかった?よくやったと思う?演技の相性、可笑しくなかった?』と質問します。そうすると、私は今した演技が良かったと答えます。実際は、新入り記者4人が集まると、本当に騒がしいです。笑ったりしゃべったりで騒々しいです。撮影が始まりそうになると私が『笑わないで、笑わないで』と言います。いずれもイ・ジョンソクのためのものです(笑)」

2人はこの作品に出演する前から知り合いだった。さらに、同じ年なので愛情演技がぎこちなかったかもしれない。大の仲良しなのに、恋愛演技をしようとすると簡単ではなかった。

「最初はお互いに気恥ずかしいと言いました。しかし、後からはどう演じるかを悩みました。どうすれば綺麗に映るか、角度を悩みました(笑) トーストキスシーンの時は、魂のない演技をして怒られました(笑) お互いにキスシーンが綺麗に映る方法についてしか話さなかったからです。監督に撮り直そうと言われました(笑) キスシーンの中には、朝撮影したものもあります。2人とも眠気が覚めない状態で、深い眼差しで見つめ合うのが、少し面白かったです。実は、気恥ずかしい恋愛のシーンがありましたが、後では慣れていってスムーズに出来ました(笑)」

パク・シネは涙の女王だ。あまりにも切ない涙の演技をすることもあり、顔面の筋肉を上手く活用し視聴者を引きつける。豊富な表情から出る彼女の涙は、お茶の間を数多く泣かせてきた。

「後半のところで本当にたくさん泣きました。後半では鼻水まで垂らしました(笑) 実は、泣くときに眉間に皺を寄せるのが好きな方も、嫌いな方もいらっしゃいます。眉間に皺を寄せるのが自然だという方もいれば、嫌いという方もいらっしゃいます」

パク・シネは名実共に良い成績を保証してくれる俳優だ。彼女が出演するドラマはいずれも良い成績を記録した。特に、最近の「相続者たち」と「ピノキオ」まで、恋愛ジャンルに強かった。

「相手役に恵まれました。制作スタッフも良かったです。記者の方に、私が男性俳優を上手く支えてくれると言われました。褒められたようで、嬉しかったです。実は、最初はジョンソクと似合わなさそうだという方々もいたからです。幸い、2人とも相性がよく、ドラマが良い成績を上げられたと思います。台本も素晴らしく、現場の雰囲気も良かったので、スムーズに仕事が出来ました」

パク・シネは自己管理に徹底している。大きな不祥事を起こすトラブルメーカーな性格でもないが、小さなミスもしないように努力する。そこで、デビュー以来大きなスキャンダルや問題に巻き込まれたことがない。

「スキャンダルは出さないべきだと思います。特に、恋愛においては、人の気持ちです。それだけ、本人にとって重要な部分だからです。私は、家族のストーリーや自身のストーリーが知られることについて慎重です。両親が営む店に多くの方々が訪れますが、万が一家族が傷つくことが起こるのではないか、心配です。訪れてくださることはもちろん感謝しますが、心配になるのも事実です。そこで、個人のストーリーや家族のストーリーを外部に公開することが悩ましいです」

子役から演技をした彼女に、大衆に露出されることは、自然なことではないだろうか。慣れているだろうとの予想とは違い、パク・シネはどんどん難しくなると述べた。

「子どもの頃から人々の前に立つので、常に優しく、まっすぐに生きなければならないと思っていたと思います。頭に来る事があっても、我慢すべきだと思いました。その部分が抑圧だったと思います。私は、人々が考えているほど親切だったり優しくありません(笑) しかし、多くの方々は私がまっすぐに成長したと思われるので、がっかりさせるのではないか心配で、より慎重になろうと努力します。そのような悩みをします」

パク・シネはとりわけ今回のドラマで美貌をアピールした。本来綺麗な顔でもあるが、絶頂に達した美貌は、多くに人々の視線を奪った。その秘訣を尋ねると、すぐダイエットの話をする率直な俳優だ。

「体重を落としました(笑) 健康のためにも管理が必要だと思います。今までのことを反省しました(笑) 正直に申し上げると、ドラマの中盤頃までは上手く維持しました。しかし、その後は増えました。食べたこともありますし、よく眠れませんでした。長く立っているとふくらはぎが痺れました。初めて経験しました。血液の循環が上手く行われず、そうなるそうです。腰が痛すぎて漢方の病院で注射を7本も打ちました。立つこともできませんでしたが、今は大分良くなりました」

パク・シネは今年大学の卒業を控えている。次期作は、とりあえず映画を念頭に置いている。卒業するためには、撮影スケジュールに余裕のないドラマよりは映画が良いと思った。彼女に演技における破格のイメージチェンジ、女優たちが果敢に臨む露出の演技に対する考えを聞いた。

「まだしたくはありません。まずは、私が今している演技のスタイルを守りたいです」

記者 : ピョ・ジェミン