「火の女神ジョンイ」ムン・グニョン“この世で最も勝つのが難しい相手は自分自身…自らに勝てる人になりたい”

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16世紀後半に実在した陶工“有田焼の母”とも称される百婆仙(ひゃくばせん/ペク・パソン:1560年~1656年) をモデルとして描いたドラマ「火の女神ジョンイ」のDVD-BOXが、2月18日に発売を迎える。本作で、天才子役から演技派女優へと成長を遂げたムン・グニョンが、女性として初めて沙器匠の座に上りつめた朝鮮一の陶工、ユ・ジョンの波瀾万丈な半生を演じた。
ムン・グニョンは、天才絵師を演じた「風の絵師」から約5年ぶりに時代劇に出演、男装にも再挑戦。撮影3ヶ月前から特訓したという、陶芸の腕前にも注目が集まった。今回、撮影中苦労した点、また、本作を通じて感じたことを語ったインタビューをお届けする。

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―「火の女神ジョンイ」ユ・ジョンの役のオファーを受けた時の最初の印象をお聞かせください。

ムン・グニョン:まずは陶磁器をテーマとしたドラマが制作されるのは初めてのことだったので、それがとても新鮮で、すごく面白そうだなと思いました。また、このドラマを通して、多くの方々が陶磁器に興味を持ち、面白さを感じていただけるようになるのではないかと思って、この作品を選びました。

―「風の絵師」以来5年ぶりの時代劇でしたが、いかがでしたか?

ムン・グニョン:私はもともと時代劇が大好きなんですね。とても久しぶりに韓服(韓国の民族衣装) を着て演技をしたので楽しかったですし、落ち着いた気持ちになれて、面白かったです。

―「風の絵師」と同じく、前半はテピョンという役で男装をしての登場でしたね。

ムン・グニョン:最初に準備をしていた段階では予定されていませんでしたが、撮影が進むうちにその部分ができました。以前にも男装をしたので、その作品とかなりかぶってしまうのではないかと思って慎重にはなりましたが、ユ・ジョンが男装をするようになったきっかけや理由が「風の絵師」のシン・ユンボクとは大きく違っていたので、ユ・ジョンとして男装をした演技をいくらでもお見せできそうだ、そう思ってがんばりました。

―テピョンとして男装した姿をご自身でご覧になった時の感想は?

ムン・グニョン:「男に生まれるべきだったのに……!」と思いました(笑)

―ご自身から見た、ユ・ジョンはどんな人ですか?

ムン・グニョン:まずはとても強靭な意志を持っていて、さらにポジティブで明るいエネルギーを持った人だと思います。それで、どんなに大変でつらい困難がやってきても、それを根気強く底力を発揮して乗り越えて、ポジティブで明るいエネルギーでうまく解決していく、そんな子だと思います。

―そんなユ・ジョンを演じる上で、特に気をつけたことなどありますか?

ムン・グニョン:陶磁器づくりに関する才能を持って生まれた人なので、そうした部分が不自然に見えないように、陶芸の練習を頑張りました。ご覧になる皆さんに明るくて温かいエネルギーを受け取っていただけるように、ただ単に明るいふりをする演技でなく、私自身も本当に明るくて温かい心を持とうと心がけていました。

―パク・コニョンさんと一緒に陶芸の練習をしたとお聞きしました。劇中の陶磁器作り対決では、ムン・グニョンさんが演じたジョンがいつもパク・コニョンさん扮するユクトに勝っていましたが、実際の腕前はどちらが上手でしたか?

ムン・グニョン:私は習った期間がパク・コニョンさんより長かったので、私の方が……(笑) 上手だったような気がするのですが、ろくろを回すためには力もとても重要だったんです。ですから、パク・コニョンさんがもし私とまったく同じ時期に、まったく同じ練習量をこなしていたら、パク・コニョンさんの方がもっと上手になっていたと思います。

―その時作った作品は今も持っていますか?

ムン・グニョン:はい、家にあります。最初に小鉢を作ったのですが、私が習っていた先生が、最初の作品は大事に持っておくことに意味があるだろうとおっしゃって焼いてくださいました。家で大切にしています。


「この世で最も勝つのが難しい相手は自分自身…自らに勝てる人になりたい」

―共演者の皆さんもそうそうたる演技派の俳優の方々でしたが、撮影時のエピソードをお聞かせください。

ムン・グニョン:どの俳優の方々もとてもいい方々でした。お人柄もとてもよくて、私をものすごくかわいがってくださって、信じてくださって……。私は撮影の分量がとても多くてスケジュールが慌ただしかったので、くたくたになったり、夏には暑くて夏バテしたりもしましたが、そのたびに先輩方も一緒に演技をする俳優の方々も私に気を配ってくださって、私が休めるようにしてくださいました。そういうことがとても記憶に残っています。

―師匠役のピョン・ヒボンさんと共演するシーンが多かったと思いますが、演技についても相談しながら進めていましたか?

ムン・グニョン:ピョン・ヒボンさんが最初に「こんなふうにしよう!」とおっしゃって、私も「はい、わかりました」と一緒に呼吸を合わせながらたくさん練習もして。いつも先生がいらっしゃって、たくさん台詞合わせをなさるんです。いつも一緒に台詞合わせをしながら、いろいろなお話をしました。それ以外にも休み時間の時も本当のおじいちゃんみたいで、先生も私のことを孫娘みたいにかわいがってくださったので、一緒に撮影をするシーンはとても幸せでした。

―陶磁器以外に三角関係、四角関係のラブストーリーも描かれましたが、演じる際に気をつけた部分は?

ムン・グニョン:その部分は脚本家の方が書いてくださった内容にしたがって流れていく部分なので、最大限その流れに合うように、不自然にならないように演じました。自然に。

―撮影中、苦労した点はありますか?

ムン・グニョン:やはり陶磁器を作るシーンです。ろくろを回すシーンを撮る時にNGがたくさん出たりもしました。本来であれば、私が足踏みろくろを習わなければいけなかったのですが、電動ろくろだけで練習をして現場で撮影に入ったので、最初は足踏みろくろに慣れなくてNGがたくさん出ましたね。

―足踏みろくろは難しそうですよね。初挑戦でしたか?

ムン・グニョン:はい。足踏みろくろは撮影現場に行ってから、初めて習いました。

―劇中でテピョンが女性であることが発覚して、光海君がいろいろな韓服を着せるシーンがありましたが、あのシーンも撮影時間が長くかかったのではないでしょうか?

ムン・グニョン:メイクも変えて……。長い時間撮影をしましたが、面白かったです。テピョンはいつもくたびれた男性用の服ばかり着ていましたが、後からキレイな服を着たでしょう? それで、私もとても楽しく撮影した記憶があります。

―現代劇と時代劇では、演じる上でどちらが好きですか? その理由も教えてください。

ムン・グニョン:気持ちの楽さでは、やっぱり現代劇のほうがより気楽だと思います。まずは現在私たちが使っている言葉なので、アドリブを入れる時もより気楽ですし、台詞をちょっと間違えたとしても、語尾などであればよく使われる言い回しに変えればいいので……。そういう部分も含めて、現代は今の私が住んでいる時代ですから現代劇のほうが気が楽なのは確かですが、面白さで言うと、時代劇の方がより面白いと思います。

―どんな時に時代劇の面白さを感じますか?

ムン・グニョン:言葉遣いもとても面白くて、服もとても面白いです。私がふだんはあまり着ることができない服を着たり、めったにできないことなどを経験したりすることができますよね。そういったことが演じていて、とても楽しいです。新しいことを表現して演じるということが。

―「火の女神ジョンイ」の見どころをお願いします。

ムン・グニョン:陶磁器にまつわるエピソードがたくさん登場するので、陶磁器の魅力を感じていただけると思います。そして、ユ・ジョンの子ども時代から、男装して生きたしばしの時間、そして愛を知っていく女性としての時間、そうした時間の変化の中で成長する姿をご覧いただけると思います。そうした点もとても面白いですし、その中で起こる三角関係のロマンスも心が切なくなると思います。

―今後演じてみたい役柄、挑戦してみたいお仕事は?

ムン・グニョン:私は何でもやってみたいです、ハイ(笑) 何でもやってみたいし、何でも挑戦してみたいです。ですが、私の演技が記憶に残るというよりは、私が演じたその作品がいつまでも人々の記憶に残り続ける……作品の中のキャラクターとして長く長く記憶に残り続ける、そんな演技がしたくて、そのようなキャラクターに出会いたいです。

―日本の印象をお聞かせください。好きな場所や食べ物は?

ムン・グニョン:私は旅館が好きです! 温泉旅行。以前、祖母と一緒に旅行に行ったことがあるのですが、露天風呂で雪が降る中、あたたかい温泉に浸かっていたことがとても記憶に残っています。空の星を眺めながら温泉に入ったのがとても素敵でした。旅館で出してくれる懐石料理があるでしょう? それもすごくおいしくて(笑) 畳の部屋もとてもよかったです。日本といえば、私は雪とあたたかい温泉とその旅館を思い出します。ぜひまた行きたいです。

―「火の女神ジョンイ」はご自身にとってどのような作品になりましたか?

ムン・グニョン:「火の女神ジョンイ」の撮影中もそうでしたし、終わってからも私が感じるのは「あぁ、この世で最も勝つのが難しい相手は自分自身なんだな。自らに勝てる人になるべきだ」ということです。それを感じさせてくれた作品です。

―どういう部分でそう感じましたか?

ムン・グニョン:撮影をしながら大変なこともとても多くて、暑さと寒さの中で苦労をしたり、台本が出てくるのが遅くなったりすることもあって(笑) 何かと撮影で大変な点が多かったように思います。もちろん、これまでも苦労のなかった作品は一つもありませんが、ある意味、期待が大きかったからこそ一層大変さを感じたようです。そうした中で、私が最も多く戦った相手は私自身だったように思います。私が私に勝ち、コントロールするのは本当に難しいということを今回の作品を撮影しながら多く感じて、終わってからも自分で自分を治められる人にならなければいけないと感じました。

―ドラマをご覧になる日本のファンに一言お願いします。

ムン・グニョン:皆さんに「火の女神ジョンイ」というドラマでご挨拶をすることになりました。ユ・ジョンの陶磁器の物語、それから成長の物語を楽しくご覧ください。ユ・ジョンをたくさん応援してくださいね。みなさん、ありがとうございます

「火の女神ジョンイ<ノーカット完全版>」
DVD-BOX 全4BOX 各¥15,200 (本体)+税
第1章:2015年2月18日発売予定
第2章・第3章:3月18日発売予定
第4章:4月15日発売予定
※2月3日レンタルスタート
発売元:フジテレビジョン・ポニーキャニオン
販売元:ポニーキャニオン
(C)MBC 2013 All Rights Reserved.

【放送情報】
CSアジアドラマチックTVにて2015年1月14日(水)
日本初放送スタート
毎週月曜から金曜 あさ10時より(初回放送)

記者 : Kstyle編集部