MASTA WUの1%可能性とYG ENTERTAINMENTの15年間の信頼

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写真=YG ENTERTAINMENT
韓国に来て15年、音楽を本格的にはじめてから15年、YGファミリーとして1人前にしてきてから15年…タフなラップを披露するけれど、繊細な感性で人と触れ合い、心から音楽に接するヒップホップ歌手MASTA WUはそうやってここ15年を守ってきた。

「こっち来い」がチャートのトップに…タイミングよりは完成度

今回発表した「こっち来い(COME HERE)」が大衆的だという評価を得たら、それ自体で成功だと思う。僕が思いっきり大衆的なジャンルをしないかぎり、容易ではない記録だ。音源チャートのトップは僕の音楽人生で一番熱い成績だ(笑) いつも大ヒットを夢見るが、今回が初めてだ。だからと言って大衆的な要素をわざと念頭においた作業ではなかった。ただ誰もが気軽に聴き、好きになってくれてほしかった。

DOK2とBOBBYふたりとも今年“ホット”だった。でも二人を利用したいと思ったわけではない。ただ「こっち来い」を通じてコラボレーションするのが良い絵に仕上がると思った。個人的に親交があって快くレコーディングを行い、ミュージックビデオにも出演してくれた。今まで10年以上音楽をしながら「これはできる、できない」を計算したことはない。そしたらたぶんもっと簡単にアルバムを発売することができたと思う。

新しいアルバムはいつも準備中だ。でも音楽は本当に計画通りにはいかないものだ。アルバムの発売はタイミングよりは完成度だと思う。有名になることを望むなら「SHOW ME THE MONEY3」の終了直後にアルバムを出すべきだった。しかし僕は番組に参加した審査委員のうち、一番遅れて新曲を出した。僕は芸能人のセンスを持って生まれた人ではない。ただヒップホップ的に表現できるポジションはよく知っている。

「SHOW ME THE MONEY3」に出られたのは自分の役割を知っていたからだ。特に親友であるTEDDYが積極的に勧めてくれた。僕のことを一番よく知っている友人なので、僕の姿を放送を通じて見せてほしいと言われた。特にEPIK HIGHのTABLOが一緒にやってくれてもっと頼もしかった。今回の出演で知り合った制作陣にとてもありがたいと思った。良い縁になった。機会があればまた一緒にやってみたい。おかげさまで「MAMA」にも出演した。


拡大されたヒップホップ市場…結局答えは歌

韓国のヒップホップ市場がますます大きくなっている。特に今年は「SHOW ME THE MONEY」を通じてヒップホップが大衆的な人気をたくさん博した。高級品ブランドにもヒップホップスタイルが影響を及ぼした。ヒップホップはもうこれ以上静かさの中の叫びではない。2014年のヒップホップにはSwingsの影響が大きかったと思う。僕は2015年にはDOK2の影響も大きいだろうと思う。個人的には僕の影響も大きくなってほしい(笑) ヒップホップ市場がもっと拡大されるためにはスポットライトを浴びている歌手たちがもっとよくしなければならない。流行だからといってそればかり追うのはよくない。

来年デビューするiKONは自身の役割を熱心にすると思う。特にBOBBYとB.Iが良い音楽を作ると思う。どんな形でも構わないと思う。歌をよく作るし、うまいし、ラップも楽しみにしている。これからは環境がよくなったので誰でも熱心にすればいい。

正直、他の歌手みたいに1位をとったことがなくて、イ・ハイを通じて胸がいっぱいになる気持ちを初めて感じた。イ・ハイの成功が誰よりも嬉しかった。自分が1位をとったみたいに嬉しかった。そして「こっち来い」を通じて僕が初めてチャートのトップを記録した。短い時間であったけど、本当に嬉しかった。その時に知った。自分が参加した曲が1位になる時と自分の曲が1位になる時の気持ちが違うということ。いや、比べられない。ハハハ

結局僕は曲を作るより、直接ステージに立つのがいい。もちろんうちの会社には歌手が多いけど、アルバムの完成次第で出すことができる。歌手にとって正解は結局歌だ。ヤン・ヒョンソク代表も制作者の立場で準備ができたアルバムから順番に出してくれる。


可能性を信じてくれたYG…唯一の怖い存在

2000年、練習生としてYG ENTERTAINMENT(以下YG)に入った。その時から今までラップをしている。僕は引退したことがない。アルバムを出す周期が長いだけで、作業は続けてきた(笑) 他の歌手たちのアルバムにもずっと参加してきた。会社に感謝する。僕を現役歌手として残してくれた(笑)

僕は練習生からデビュー、そして今までYGで一緒にやっている。うちの会社には大衆的なスターが多い。彼らの影響を受ける部分もある。でも自分に合っていることと合わないことを区分する能力は持っていなければならない。何もかもがプラスになるわけにはいかない。流れを追うばかりだとマイナスになるかもしれない。

音楽をするために初めて韓国に来た時は知らないことがものすごく多かった。それで会社でヤン・ヒョンソク社長に習ったことが本当に多い。YGファミリーはみんなヤン・ヒョンソク社長と直接関係を結んでいる。僕はもともと人を怖がらない。でもたった一人、ヤン社長だけは怖い(笑) 幼い頃からそばにいたからだと思う。

ヤン社長は制作者であり、事業家だ。そばで見ていると勉強になる。僕の1%の可能性を見て今まで信じてくれたことに感謝する。「こっち来い」を準備しながらヒットしたいという気持ちもあった。初めて僕によって周りの人々が喜ぶ姿を見たかった。もちろんそれは僕の欲であり、プライドだったかもしれない。僕は欲を捨てたつもりだけど、まだプライドは捨てることができなかったみたい。


愛と音楽はマラソン…トップに向けて

僕は率直に感情を表現する。隠すことができない。荒くて強い面もあるが、よく照れるし感性的な部分もある。だから実際に僕に会う人はもっと好いてくれる。ギャップのある魅力というか(笑) 外見だけ見ればよくない目で見る人がいるかもしれないが、実際に会うと僕の人生の得になってくれる。音楽を10年以上やって気付いたことが多い。愛と音楽はマラソンだと思って臨む。着実にすべきものだ。一瞬ではゴールインできないものである。

僕も富、名誉、女が好きだ。でも他の人たちが持っているものは羨ましがらない。ただ自分を振り返ってみた。僕が本当に幸せを感じるものは何か。そんな過程の中で宗教に対する信頼も生じた。人生を生きていると混沌し、大変な時もある。でも今僕の年齢でまだヒップホップ音楽をすること、ステージにも立てることに感謝する。

以前はステージの上の僕と君、世の中と僕を分けていた。それで攻撃的なラップもたくさんやってきた。でも今は違う。かなり変わった。行動も考えも正しくしようとする。僕が憎みを抱くと結局僕に悪い影響しか残らない。生きていれば生きるほど見つけなければならない答えが多い。ラッパーとしてはプライドがあるけど、僕個人としてはない。

僕はまだ高いところに上がることができなかった。だから上り続けると信じている。僕よりイケてる人が今は音楽をしていないなら、結局僕の勝ちだ。まだトップに行けなかったからいつかは行けるという前向きな気持ちに変わった。暗闇にいた瞬間もあったけど、その分得たものも多い。現実を見る目もできた。僕がいる位置はまだ前途有望で、道のりが長いのでいい。皆主人公になれる。僕の人生の主人公は僕だ。

記者 : キム・イェナ