故シン・ヘチョルさんの妻ユン・ウォニさんが11日午後、ソウル松坡(ソンパ)警察署で4時間あまりの調査を終え、「今回の件をきっかけに、患者にとってあまりにも不利な医療訴訟制度や韓国の医療体系の間違った制度、慣行が改善されることを切に願う」と話した。

ユン・ウォニさんは同日午後7時頃、警察署を出てくる際に取材陣の前で「夫の死が、ただ一人の死にとどまらないことを願う」と述べた。彼女は用意してきた原稿を小さく震えた声で、慎重に読み上げた。

彼女は専門家の意見を尊重すると伝えた。「私たち家族は、専門家の見識と良識を尊重し、信頼している。私たちは突然愛する家族を失った遺族として、一般人の常識レベルで考えられる疑問を投げかけただけだ。手術と穿孔の因果関係や術後の患者の状態に対する処置が適切だったかどうかなど、専門的な部分は、国立科学捜査研究院や医師協会、捜査機関が客観的かつ適切に判断してくれると思う」と述べた。

また「真実は院長が一番よく知っていると思う。もしも偽りがあるなら、それは個人を改めて殺す行為であり、遺族を大きく傷つけることになる」と強調した。

ユン・ウォニさんは同日午後3時頃、弁護人と共に警察署を訪ねた。彼女は涙を流しながら「私の立場をきちんと説明したい」と話した。警察はシン・ヘチョルさんが先月17日ソウルのS病院で小腸閉鎖症の手術を受けた当時の状況及び今回の告訴と関連したユン・ウォニさんの立場を集中的に調査したものと見られる。弁護人は「奥さんがこの治療の過程で直接経験したこと、電話で話した内容、知っていることを順次質問されて答えた。予想以上に詳しく知っていたため、時間がかかっただけだ」と話した。

ユン・ウォニさんは、先月17～18日の手術当時、シン・ヘチョルさんを看護していた。その後、海外出張のため、担当マネージャーがシン・ヘチョルさんの世話をした。このマネージャーも先日警察の調査を受けている。今週あるいは来週に国立科学捜査研究院の検査結果が正式に発表されれば、今後本格的な法的攻防が始まる見込みだ。

ユン・ウォニさんは先月31日にS病院を提訴した。病院長のAさんは9日、松坡警察署で「心から個人のご冥福をお祈りする」と話した。彼はこの日、胃腸縮小手術を行っていないと供述した。