Vol.1 ― ホン・ジニョン「新曲は『愛のバッテリー』を超える曲…共感できるはずです」

TVREPORT |

写真=TVレポート DB
「生きるというのはみんなそんなものなんです/辛くて苦しい日も多いけれど/生きるというのはすごくいいことなんです」

見ているだけで元気が出るビタミンのような女性。“癒し系女神”歌手ホン・ジニョンに会った。「テレビを破って出てきたような女性」と言うべきだろうか。実際、ホン・ジニョンはテレビに映る姿と一つも変わっていない。ハイトーンの愛嬌溢れる声に、目で笑う笑顔は人を惹きつける妙な魅力があった。同じ女性でも、ホン・ジニョンに「なんだろう」と思うほどハマってしまった。その魅力を盗みたいホン・ジニョンの“Life Note(人生のノート)”をめくってみた。

写真=TVレポート DB

ホン・ジニョンが癒し系女神として戻ってきた

ホン・ジニョンが切ない癒し系の楽曲を歌うとは。それでもそれに違和感があったり、変に思われたりはしない。本当に歌の歌詞のように力になってくれる。1年8ヶ月で新曲「生きるというのは(Cheer Up)」をリリースしたホン・ジニョンは依然とはとても変わっていた。歌い方も、歌のスタイルも更に成熟した。

ホン・ジニョンのニューアルバム「Life Note」のタイトル曲「生きるというのは」は優しいギターの旋律と中国の伝統弦楽器である二胡の切ない響きで始まり、悲しく哀切なメロディーの上に誰でも経験する人生のストーリーを叙情的な感じで表現したオリエンタル・トロット(韓国の演歌)だ。

ホン・ジニョンは「思ったより反響が良いみたいだ」とし、幸せそうな笑顔を見せた。「生きるというのは」は、新曲として思っていた楽曲10曲のうち、ホン・ジニョンの心に一番響いた曲だ。ホン・ジニョンの選択は正しかった。当初、時々「愛のバッテリー」を超える曲があるだろうかと心配していたホン・ジニョンは「『生きるというのは』は超えられると思います」と伝え、快く自信を覗かせた。

「私はオンライン上のコメントをほとんど見ているのですが、『自分の話みたいだ』『この歌、ぜひ聞いてください。共感できるはずです』などのコメントが多かったです。普通は恋の歌が多いですよね。なのに、『生きるというのは』は恋の歌ではなく、人生や暮らしに関する内容なので、すごく共感しやすいみたいです。水が流れるように自然に耳に入ってくるんですね。『生きるというのは』を聞きながら、心の慰めになれたらと思います」

ホン・ジニョンは6日の新曲発売1週間前から音楽番組に出演した。ホン・ジニョンは「あまりにも久しぶりに音楽番組に出演したので、最初の週は緊張しました。とてもたくさん準備したし、心血を注いだためだったと思います」と振り返った。

写真=ミュージックKエンターテインメント
ホン・ジニョンのカムバックステージへの反響は熱かった。以前より一層成熟したセクシーさが感じられるパフォーマンスと衣装は話題となった。ホン・ジニョンは「愛のバッテリー」や「ブーギーマン」を歌う際にはキラキラのミニワンピースを着用し、爽やかで溌剌とした魅力を誇っていたが、今回のステージでは片方の足のラインが見えるセクシーな衣装で幻想的な雰囲気を強調した。

特に2日にSBS「人気歌謡」で着用したヌードトーンの衣装は話題の中心となった。ホン・ジニョンのボディラインのシルエットがそのまま露わになったためだ。錯視を招く衣装だという反応もあった。「それがそこまで話題になるとは思っていませんでした。デザインは全て一緒でも、カラーは多彩に用意されているんです。ヌードトーンもありますし、次回はインディピンクの衣装も着ます。けれど、わざと狙って着たと言われるのではないか少し心配ですね」

これとともにホン・ジニョンは「振付けと衣装が歌と合わない」という指摘も受けたと打ち明けた。ホン・ジニョンは「私はフィードバックの早い人なんです。ネットユーザーが指摘するとすぐ変えるほうですが、衣装や振付けはすでに決まっているものなので変えることができませんでした。みなさんの意見をすべて満たすことはできなかったこと、申し訳ありませんでした」と伝え、愛嬌を込めてファンに謝った。

ホン・ジニョンに「ステージで歌を歌う時に、悲しい瞳が見えた」と伝えると、「静かな歌をウィンクをしながら歌うことはできないでしょう?歌詞を思いながら雰囲気を作りました」と答えてくれた。「『辛くて苦しい日も多いけれど』という歌詞がありますよね。本当に、大きさや程度が違うだけでみんな大変なことはあるじゃないですか。『隣人が羨ましいですか/友達が最近イケていますか/人はみんな上手く行っているみたいで辛くても/悲しまないでください』という歌詞も歌いながらとても共感できました」

「生きるというのは」は、ミュージックビデオも現代を生きる人々の苦悩を現実的に描き、共感に焦点を合わせた。俳優チェ・ジョンウがリストラされた父親役を演じ、ホン・ジニョンは就活中の娘に扮して庶民の人生を描いた。「私たち結婚しました」の仮想夫であるナムグン・ミンはホン・ジニョンの恋人として登場した。ホン・ジニョンとナムグン・ミンのバックハグなど、甘いカップル演技は視線を集めた。

「“お願い券”を使って、ナムグン・ミンさんに出演をお願いしました。ナムグン・ミンさんの意志が大事だったのですが、快く出演を決めてくれて本当にありがたかったです。ナムグン・ミンさん演技をしてみたら、本当に上手です。単にプロを名乗るわけではないんだと思いました。バックハグの時はときめきましたし、楽しく撮影することができました」

写真=ミュージックKエンターテインメント

ホン・ジニョンの“Life Note”

では、ホン・ジニョンの人生で最も大変だった時期はいつだろうか。ホン・ジニョンは20歳の頃であると伝え、「初めて社会生活というのを経験したのですが、人間関係とかそのようなものが大変でした」と打ち明けた。

苦労は全くしたことがないように見えるホン・ジニョンだが、トロット歌手として成功するまでは紆余曲折の時間を過ごした。ホン・ジニョンは20歳の頃、所属事務所の問題で劇団活動をしながらあらゆる苦労を経験した。その後、2007年にガールズグループSWANとしてデビューしたが、2ヶ月で解散となった。準備を積み重ね、2009年に「愛のバッテリー」で華やかにソロデビューを果たし、トロット歌手として花を咲かせた。

ホン・ジニョンは20歳頃から社会生活を始めるも、学業も怠らなかった。ホン・ジニョンは朝鮮大学で貿易学修士・博士学位を取得した。最近「私たち結婚しました」でホン・ジニョンはナムグン・ミンと母校を訪れたが、その際に公開されたホン・ジニョンの成績表はA+でぎっしり埋められていた。ナムグン・ミンが「どうすればここまで成績の管理が上手くできるのか」と驚くとホン・ジニョンは「私、すごく暇でしたので」と答え、笑顔を見せた。

「私はそこまで有名ではありませんでした。学生たちといると、『ホン・ジニョン?』と言いながら通りすがる方がいるくらいでした。そして学校をフリーに通っていたほうなんです。男子に人気ですか?そのようなものは、実は少しありました(笑) そこで、授業のない時間には父の研究室に行って勉強をしました。あの頃は本当に学校と家を行ったり来たりの繰り返しでした。キャンパスに対する思い出はあまりありません」

写真=ミュージックKエンターテインメント
いつの間にか芸能界にデビューして10年。ちょうど30歳となったホン・ジニョンは、最高の全盛期を過ごしている。今年、ホン・ジニョンはMBC「黄金漁場ーラジオスター」で“4次元(個性が強く、ユニークな考え方を持つ)の愛嬌女”としてバラエティ番組向きの才能を誇り、「私たち結婚しました」のレギュラーメンバーとなってバラエティのホットスターに浮上した。「無限に挑戦」「ニュー!日曜日は楽しい-ランニングマン」などの人気番組にもすべて出演したことがある。そして新曲「生きるというのは」を発売し、歌手ホン・ジニョンとしても新しい跳躍を果たした。

「意味のある30歳を生きていると思います。人生のスタートは30歳からのような気がします。今回のアルバムのタイトルが『Life Note』なんですが、私は成し遂げたいことも、やってみたいことも多いです。10年後にはですか?そうですね。自分が好きなことをやっていると思います。歌はずっと歌うと思いますし、結婚もして美しく幸せに生きているのではないでしょうか」

ホン・ジニョンに今後の目標を尋ねると「たくさん愛される歌手になりたい」という答えが返ってきた。また「人々に気楽に近づきたいです。本当の同じ村のお姉さんだったり、隣のお姉さんだったり、娘さんだったりする親しいイメージでです。ブログやSNSをやっているのも、親しく近づきたいからです。芸能人だから気を遣うとかは嫌なんです!」とホン・ジニョンらしく付け加えた。

「どの雲に雨が入っているかは誰も分からない/生きていると私にも良い日は来ますよ」という「生きるというのは」の歌詞がホン・ジニョンの人生を物語っているようだった。第2幕を開いた歌手、そして人としてのホン・ジニョンの人生ノートがもっと輝く準備をしていた。

記者 : ソン・ヒョジョン