「レッドカーペット」コ・ジュニ“俳優病?気の強い姉さんたちのおかげでかかっていません”

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SBSドラマ「野王」で正義感が強かった記者ソク・スジョンを演じて以来、コ・ジュニには明るい映画で観客の前に立ちたいとの願いがあった。幸い昨年「結婚前夜」と今年上映中の「レッドカーペット」を通じて相次いで明るいキャラクターを演じた。これこそ、ぴったりのタイミングだと言えるだろう。

「レッドカーペット」でコ・ジュニは、有名子役俳優出身だが人気が落ち大衆から忘れ去られたウンス役を演じた。誰も呼んでくれなかった時に偶然、商業映画へのデビューを夢見るアダルト映画監督のジョンウ(ユン・ゲサン)に出会い、跳躍のきっかけを迎える。この過程ですれ違うお互いに対する感情が、映画で時にはコミカルに、時には悲しく表現される。

「ありきたりなラブコメではありません。まともな映画を1本作るとしながら夢を追う人々が登場し、何よりもオ・ジョンセさん、チョ・ダルファンさんがキャスティングされたことから信頼感もありました。また、パク・ボムス監督が新人監督ではありますが、自身の話を率直に溶け込ませた部分も良かったです」


アダルト映画監督出身?「だからこそ、もっと純粋な愛を描くことができた」

全体的には明るいが「レッドカーペット」は夢を追おうとする人々が経験する挫折と困難を遠まわしに表現しなかった。コ・ジュニが演じたウンスもまた、序盤では厚かましくジョンウに頼ったり、他人に露骨に助けを求めるが、俳優になりながら本当の愛と友情について悩む姿を見せる。

「映画を通じて泣かせたり、感動させようとは思いませんでした。キャラクターが真面目に見えすぎてもなりませんでした。くどくなるじゃないですか。女優としての華やかさと日常でのもの悲しい姿を並行して表現しなければなりませんでした。監督がアダルト映画の演出者出身で、設定としてその部分が映画にも登場するため、むしろジョンスとウンスの愛はより純粋に描かれたと思います。図々しくてかつ感情に忠実なウンスになろうとしました」

ユン・ゲサンとは既にSBSドラマ「愛に狂う」で共演したことがあるため、コ・ジュニはよりスムーズに集中できたという。キャスティング順番では一番最後に合流したため、他の俳優と仲良くなる時間が比較的に少なかったものの、相手の主演俳優が顔見知りで、それだけ距離感がなかったと彼女は説明した。

「ユン・ゲサン兄さんも、今まで『プンサンゲ』などで重い姿を主に見せました。今回の作品でより明るくなったと思います。相性も良かったです。オ・ジョンセ、チョ・ダルファン兄さんもまた、現場で明るいオーラを伝えてくれましたが、それが本当に大きな力になったと思います。

私もまた、この作品を通じてたくさん勉強になりました。女優になりたいのか、女優として暮らしたいのか、自ら考える時間を設けました。女優として暮らしたくはありません。厳密にいうと、これもまた、他の人々が持っている職業と同じです。見た目だけ、もう少し華やかに見えるだけです。純粋さを失いやすく、惰性に流されやすいため、誰かにもてはやされようすると、非難されやすい職業です」


「悩むよりは、楽しみながら仕事をしたい」

「レッドカーペット」のウンスはジョンウとの誤解により、まるで俳優病にかかったスターのように振舞う。スターになると傍若無人になる、いわゆる“俳優病”についてコ・ジュニははっきりした意見を持っていた。「新人の頃から、コ・ヒョンジョン、イ・ミヨン、キム・ジョンウン姉さんなどと共演したため、自ら何も自慢できるものがない状況だった」とした彼女は「むしろ家で腹を立てることはあっても、肩に力を入れられる状況ではなかった」と説明した。

「人に恵まれているのか、良い先輩の方々と共演してきました。先輩だからといって私に怒鳴る方々もいませんでした。周りからは、気の強い役者と共演することが大変ではないかとも聞かれました。もし、私が姉さんたちに勝とうとしていれば大変だったと思いますが、私はただ、私に与えられた役に充実すれば良いと思いました。そのため、誰かにとっては私が周りを気にしない人になったりもしました」

30代になったばかりで悩みが多いかもしれなかった。コ・ジュニは「20代には映画のウンスのように、不安で寂しくても、よくそうでないふりもしました」とし「何も知らず欲張っていた頃」と思い返した。自らを振り返り、彼女は俳優生活におけるターニングポイントを通過しようとしていた。

「周りを気にせずに、ただ演技が上手ければ良いと思っていました。どこかで聞いたこともあって『作品で証明すれば良い』と思っていた頃でした。そこで、作品の選択にもっと悩みました。いつからかは、あまりにも悩んでしまう作品はしないことにしています。私の人生の最後の作品でもないのに、深刻に悩まずにしようと考え方が変わりました。

今や楽しみながらしようと思っています。観客の方々が何が好きなのかは誰にも分かりません。高い期待を下げるよりは、予想できなかった楽しさを与えたいです。そこで、与えられたことを楽しみながら、気楽に臨もうと思っています。一人で悩んでばかりいると、心を焦がしすぎて顔が黒くなるだけです(笑)」

だからといってコ・ジュニが何も考えずに楽しさだけを求めるわけではない。20本に近い作品を経験したが、彼女は「依然としてコ・ジュニといえば思い浮かぶ代表作はない」としながら「俳優として代表作にめぐり会いたいとの願いは常にある」と強調した。

記者 : イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン