“ユン・ウネの存在意義”視聴者の心をどんどん動かす演技力 ― 「未来の選択」鑑賞コラム

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「宮~Love in Palace」「私に嘘をついてみて」など様々なラブコメディでヒロインを演じ、新世代コメディエンヌの異名をとるユン・ウネ。そんな彼女が2年ぶりに出演したラブコメドラマが「未来の選択」だ。

前作「会いたい」では、コメディエンヌの顔から一転、いつも何かに怯えているような陰湿さと凍った心を持った役に挑戦。苦しみや憎しみといった“負の感情”演技を身につけた。
「未来の選択」は、そんな「会いたい」のユン・ウネがあってこその作品だと思う。もし、ユン・ウネが「会いたい」の経験なしに「未来の選択」に出ていたら、たぶんここまでミレというキャラクターをうまく演じきれなかったのではないか。なぜなら、ミレは、負け犬的劣等感の塊という“負の感情”からスタートするキャラクターだからだ。

「華やかな放送作家」という夢と「クレーマー対応に追われるコールセンターのOL」という現実のギャップや、優秀な兄や友達たちに抱いている劣等感を“見て見ぬふり”して生きているミレ。そんな彼女に、2038年の未来から、『私』がやってきて、運命を変えるべく、あれこれ指示を出していく。『未来の私』の目的は未来の夫をチェンジすることだが、ミレにとっては、自分の人生と真剣に向き合い、“なりたい自分”に向かって歩き出すきっかけとなる。

平凡なOL時代のミレは、いつもぐじぐじしっぱなしで、仕事にも人生にもやる気なし。はっきりいって好感度ゼロの女の子。そんなミレが、自分の手で人生を切りひらくきっかけを得て、どんどん輝いていく。ドラマ中盤からのミレは、頼もしくて、眩しくて、好感度100%。とにかく、OL時代との振り幅がすさまじく大きいのだ。
超マイナスの印象からプラスの印象へ。16話という短い時間で、ここまではっきりと印象を変えることができたのは、マイナスの印象をしっかりと見せることができたからだと思う。

ユン・ウネは、OL時代のミレを演じる時には、猫背気味でだらだらと歩き、陰気な顔で、喋り方も舌っ足らず。フツーよりもおブス(残念ながら美人顔は隠せないが) な女子になりきった。一方、放送作家となって周りから認められるようになってからは、生気がほとばしり、動きもキビキビ。強い目力で相手を真正面からみつめ、はっきりとした口調で自分の意見を言うように。まるで、1つのドラマの中に2つのキャラクターが存在するようだ。そのおかげで、同世代の女子視聴者(特に同じような経験を持つ女子) は、キラキラ女子に変身したミレに共感し、夢を追う姿に自分を重ねるようになり、最終的には「人生は自分の心の持ちようで、何度でもやり直せる」というメッセージを、素直に受け入れたのだ。

ユン・ウネがすごいのは、まさしくそこ。“非”好感のキャラクターを好感に変え、視聴者の心をどんどん動かし、最後には味方につけてしまう。そして、ドラマの持つメッセージを伝えるのだ。今作のように、メッセージ性の強い作品は、彼女のような演技ができる女優の存在が不可欠だ。
「未来の選択」を見て、ユン・ウネが韓流ドラマ界にいなくてはいけない理由(=存在意義) がわかった気がした。

ライター:酒井美絵子

「未来の選択」DVD&Blu-ray情報
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DVD&Blu-ray SET2 2014年10月2日(木) 発売
DVD 各¥18000+税 / Blu-ray 各¥20000+税
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発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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記者 : Kstyle編集部