ROYAL PIRATES、音楽もバラエティセンスも異なる魅力的な3人組バンド

OSEN |

3人の個性が際立つ魅力的なバンドがやってきた。昨年デビューしたROYAL PIRATES(ロイヤルパイレーツ)は、ボーカルとギターを担当するMOON、ドラムのSOOYOON、ベースのJAMESで構成された新人グループだ。しかし、実は2008年からアメリカで着実に音楽活動を続けてきた実力派バンドでもある。

先日OSENとインタビューを行ったROYAL PIRATESのメンバーたちは、愉快なエネルギーを持った若者たちだった。長い間友情を培いながら一緒にしてきたメンバー間の余裕はもちろん、新人らしい純粋で堂々とした覇気もあった。8月27日にニューアルバム「LOVE TOXIC」のタイトル曲「LOVE TOXIC(恋に落ちて)」をリリースしたROYAL PIRATESは、ラブソングで復帰しただけに以前より“ラブリー”な雰囲気も漂わせた。

「『LOVE TOXIC』は軽快で明るい曲です。バンドサウンドやエレクトロニックサウンドを組み合わせましたが、セクシーな雰囲気を演出しようとしました(笑) 不健全なセクシーさではなく、ビジュアル的にウィットに富んだセクシーさをコンセプトにしました。歌詞も僕が書きましたが、20代前半の情熱的で向こう見ずな愛をイメージしながら書きました」(SOOYOON)

自作曲を披露したSOOYOONは、歌詞のように今でもそんな恋をしているかという質問に対し、「以前は深く考えず、すぐに告白をしたりもしましたが、今は忙しくて……」と言葉を濁した。明るい表情で率直に語る彼の魅力が際立った。

MOONとSOOYOONは、幼少時代にアメリカの教会で初めて会った。中学は異なる学校に通ったが、急速に親しくなってわざわざ高校は同じところにしたという。

「学校が終わればいつも作曲をしました。曲を書くのが好きでした。JAMESとは大学の時に友だちの紹介で会いました。ちょうどベーシストが必要なときに紹介してもらったのです。ベーシストは人気がなくて人手不足でした(笑) イケメンのベーシストがいると聞いてすぐに一緒にやることにしました。会う前に電話で話だけして、加わることになりました。それが2009年のことです」(SOOYOON)

2008年に“Fading From Dawn”という名前で活動していたMOONとSOOYOONは、それぞれ好きな単語を選び“ROYAL PIRATES”という名前に決めた。二人が元々使っていた名前が難しくて変えたのだが、ROYAL PIRATESも難しいと言いながら笑った。ROYAL PIRATESは、当時YouTubeに有名曲のカバー映像を投稿して人気を集め始め、すぐにイベントやクラブを訪れて公演もすることになった。

「実は、アメリカでは活発に活動ができませんでした。アジア人で人脈がなかったため、ステージに立つチャンスがあまりありませんでした。最初はベーシストもいなくて豊かなサウンドを作ることができなかったのですが、韓国人のイベントや学校に行ってたくさん公演をして、JAMESが加わった後はMI(Musicians Institute)音楽大学で3ヶ月間研修も受けてハリウッドの有名なクラブで公演をしました」(SOOYOON)

「幼い時は活動よりも音楽を作ることの方がもっと好きで、YouTubeをメインに活動していました」(MOON)

アメリカで出会って活動してきた3人が、韓国に来たきっかけが気になった。子供の時にアメリカに移り、10年ほど海外生活を送ったMOONとSOOYOONは、元々韓国への恋しさを持っていたという。しかし、アメリカで生まれ育ったJAMESにとって、韓国行きの決定は容易なことではなかった。

「僕たちの映像を見た会社から連絡が来ました。その時、韓国の音楽業界で活動してみようと思いました。韓国人ですから、ホームグラウンドでやってみたかったのです」(MOON)

「僕は実は決定するのが容易ではありませんでした。色々と悩みましたが、その時まで100%自分が誰だかわかりませんでした。韓国へ行けば、自分のアイデンティティを探すことができると思いました。両親がどのように生まれたかもわかりますし、MOONとSOOYOONと一緒に音楽ができることも良いチャンスだと思いました。音楽もそれまでは、ただの趣味でやっていました。長い間、バンドと共にツアーもして、公演もしましたが、大学に行ってからは勉強に専念するつもりでした。教授になりたかったです。しかし、MOONとSOOYOONと出会って面白そうだと思いました。良い音楽を作って、韓国で自分の道も探そうと思いました。今は人生ががらりと変わりました」(JAMES)

まだ韓国語が下手なJAMESは、それでもきちんと自身の考えを述べた。最近SBSのバラエティ番組「ジャングルの法則」に出演し、人々に印象を残した彼は、韓国で正式デビューする前にモデル活動をしたこともある。

「アメリカでモデルの仕事をしていました。バイトをしながらよくキャスティングのオファーを受けました。最初は非現実的だと思って断りました。アメリカでは、特にアジア系だとモデルは難しいと考えていたからです。そんなある日、バイトをしているレストランに有名なカメラマンがお客さんとして来ました。ぜひ一緒に写真の仕事をしようと誘われて1度撮ったのですが、そのカメラマンの方が知り合いに見せてすぐにキャスティングされました。ただし、大金を稼ぐことはできませんでした。韓国に来てからは、デビューする前にCMに出演するチャンスがありました。新韓カードとSONYの広告を撮りました。モデルの仕事も楽しくてずっと続けていきたいですが、音楽をしながらやりたいです」(JAMES)

ROYAL PIRATESの3人は、それぞれ魅力が異なっていた。長身で女性にも人気がありそうなJAMESは、「僕は子供の時ナード(nerd:あることに熱中しており、あまり社交的でない人)だった」と話して笑い、MOONとSOOYOONは活発なようでお互いに異なる個性を持っていた。3人がそれぞれ軸を持ってバランスを取っていくようだった。

「最初は性格的に少しトラブルがあったのですが、今はよく合います。お互いを知り尽くしているからです。お互いを理解して受け入れる時間が必要でした。お互いに異なっているから面白いと思います。音楽にも反映されますし。大きく見れば似ているのですが、細かく見れば異なる部分が多いです」(MOON)

「もちろん、異なる点はあります。でも今はお互いに違いを認めて尊重しているので、最近では喧嘩をしたことがありません。トラブルがあった段階を越えた感じです」(SOOYOON)

特に、MOONとJAMESはそれぞれSBS「都市の法則」と「ジャングルの法則」に出演してバラエティ活動を披露した。デビュー直後に行ったバラエティ出演は、二人とも不思議だという反応だ。

「デビューしてまだ間もないのに、これだけ早く地上波のバラエティに出演できるとは思っていませんでした。個人的にはニューヨークに行けたことが良い経験になりました。2年間の間、会社だけにいて、作業して練習して、この繰り返しに疲れて他のところに行きたいと思っていました。ちょうどその時チャンスがあって海外に行き、他の人々と3週間ほど暮らしてみたら、心の休息にもなりました。仕事的にも役に立ったと思います」(MOON)

「都市の法則」に出演したきっかけについてMOONは、実はJAMESが出演しようとした番組だったとし、ビハインドストーリーを打ち明けた。

「『都市の法則』の脚本家の1人がJAMESのファンでした。それでJAMESと一緒にやろうというオファーをもらいましたが、会社の方からは『みんな良い子たちなので全員に会ってみてください』と言ったそうです。インタビュー映像を撮影したのですが、僕が面白かったようです。JAMESはその代わり『ジャングルの法則』に行ったし、お互いに合うものを見つけたと思います」(MOON)

ROYAL PIRATESはデビューした後、次のアルバムを準備しながら全国各地を回り、ストリートライブをして認知度を上げた。計画された公演ではなく、ゲリラライブだけで7回。ソウルの弘大(ホンデ)、漢江(ハンガン)や地方各地でストリートライブをしたことから、彼らが心から音楽を楽しんでいることが分かった。

「バンド全員が1年前からやりたかったことですが、準備することが多く、先延ばしにしてきました。けれど、今回チャンスを設けました。たくさん来てもらえるか心配も大きかったです。場所の確保から音響や天気も気になりましたし。実際に漢江でのライブの時は雨が降っていたのですが、僕らが公演を始めたら雨が止みました。おかげで虹ができて夕焼けが見え、本当に良い雰囲気の中で公演をしました」(SOOYOON)

「準備をし過ぎずに、自然に即興的にやろうと思いました。その日その日、弘大や漢江のような場所に行って回りながらここだと思うところに場所を決めて公演をしました。ストリートライブをしながら音楽的にも成長したように思います。ファンの方々と近くで共感し、以前は公演もあまりやるチャンスがなかったのですが、ステージマナーも学びました」(MOON)

このように着実に成長を続けているROYAL PIRATES。ロールモデルを聞くと、MOONはハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオという意外な回答をした。SOOYOONとJAMESはミュージシャンの名を並べて尊敬心を表した。

「ディカプリオです。最初はイケメンとしてスタートしましたが、彼自身の努力で演技派俳優になりました。音楽ではなく演技ですが、その人から出てくるオーラやカリスマ性に似たいと思います。もちろん他のアーティストも多いです。ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の音楽も好きですし」(MOON)

「僕はドラマーのトニー・ロイスター(Tony Royster Jr)、トラヴィス・ランドン・バーカー(Travis Landon Barker)のようなドラムというマイナーな楽器をメジャーに引き上げた人です。世界的にです。ドラムの実力よりも、自分だけのブランドを作り上げたと思います。韓国ではユン・ジョンシンさんが格好いいと思います。音楽性や才能が優れたアーティストですが、バラエティではユーモラスな部分も尊敬しています。バラエティでのイメージのために音楽性が埋もれてしまう可能性もありますが、『月刊ユン・ジョンシン(尹鍾信)』も毎月出していますし、昔の曲を聞いてみても本当に素晴らしいです。今聞いても全然古い感じがしません」(SOOYOON)

「僕はダフト・パンク(Daft Punk)やレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)が好きです。音楽的な性格が格好良いです。やりたいことをやりながら上手くやるし、韓国の芸能界でのロールモデルは歌手SEANさんです。社会的にたくさんの人を助けようと寄付する姿が本当に素晴らしいと思います。思いやりが深く、幸せそうで羨ましいです」(JAMES)

現在「LOVE TOXIC」で精力的に活動しているROYAL PIRATESは、これからも音楽活動に重きを置きながらもバラエティ番組など、他の領域でもファンと活発に交流したいという。メンバーたちは「ステージの上も良いけれど、それ以外でも人間的な姿を見せたい」と話す。

「これまでの活動はまだ磨かれていなかったし、右往左往していたと思います。今回の活動に期待をかけているのは、自信が持てるようになったし、ファンたちに会って愛されているので、これから出会うファンにも期待しています。楽しそうです。これからも人々に広く知られてほしいです」(SOOYOON)

「活動を始めた当初は混乱する時期がありました。どんな時に一番輝いたかと思うと、何をしても楽しんでいる時が一番幸せでした。一番輝いているようにも思いますし。今回の活動もこれから楽しみたいと思います。見ている人にも楽しくなってほしいです」(MOON)

「何事も情熱的にやることを忘れないよう心がけています。また、いつも前向きに考えたいです」(JAMES)

ROYAL PIRATESはインタビューを終え、今回のアルバムに盛り込んだ彼らの気持ちと特別なイベントを少しだけ公開した。アルバムに一緒に入っている葉書を捨てずに保管しておいて、10年後に持ってくればプレゼントをあげるということだ。本気かどうかは未知数だが、所蔵する価値のある葉書なので、ファンたちは10年後を待つべきだろう。

「今回のミニアルバムのタイトル曲も好きですが、全曲がそれぞれカラーが異なって気に入っています。他の収録曲も楽しんで聞いていただければ嬉しいです」(ROYAL PIRATES)

記者 : キム・サラ