Vol.1 ― 放送終了「運命のように君を愛してる」チャン・ヒョク&チャン・ナラ、ラブコメの歴史を塗り替えた“魔性のカップル”

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=MBC「運命のように君を愛してる」 スクリーンショット
「カタツムリは甘い、カタツムリはセクシー」

カタツムリカップルは最後まで特別だった。チャン・ヒョクとチャン・ナラが永遠の愛を誓い、一つになった。懸念していたどんでん返しは見られなかった。終始愉快で明るい雰囲気が続いた。見つめ合うだけで通じる二人の息ぴったりな姿は見る者を楽しませ、微笑ませた。真の魔性のカップルといえるだろう。

韓国で4日に放送されたMBC水木ドラマ「運命のように君を愛してる」(脚本:チュ・チャノク、演出:イ・ドンユン)最終話では、2度目の結婚式を終えたイ・ゴン(チャン・ヒョク)、キム・ミヨン(チャン・ナラ)が改めて薬に酔い、夜を過ごす場面が描かれた。ミヨンは姑のワン会長(パク・ウォンスク)の罠に引っかかり、双子を妊娠することになった。

「運命のように君を愛してる」でベッドシーンは同ドラマが引き続き求めてきたスラップスティックコメディの結晶であると言っても過言ではない。ゴンとミヨンの初夜を臼をひくシーンとして表現し、話題を集めた同作品は最後までセンス溢れる演出で視線を独占した。2度目の夜は「米麦ゲーム」で表現された。19禁のレベルに達するか達しないかの絶妙で大胆な演出だったが、決して安っぽいものとは感じられなかった。最後まで若手のイ・ドンユンプロデューサーの感覚的な演出が印象的だった。

ドラマで緊張の軸を担当していたカン・セラ(ワン・ジウォン)の出生の秘密も明かされた。ダニエルは幼い頃に失くした妹がセラであるという事実に気付き、セラは自身が養子縁組された子供であったという事実を淡々と受け止めた。しかし、これらを通じて初めて母親と真剣に会話をすることができ、心の重荷を半減させることができた。

助演たちのラブストーリーもまとめられた。ゴンの異母兄弟であるイ・ヨン(チェ・ウシク)はミヨンの友人であるチョン・ジヨン(パク・ヒボン)との結婚に成功した。興味深いことに、どんでん返しは二人にあった。貧乏だと思われていたジヨンが実は富豪の娘であることが知られ、知人たちの祝福と羨望の中で結婚を約束した。新しいカップルも誕生した。ゴンの主治医であるタコ博士(チャン・グァン)はミヨンの実母(ソン・オクスク)とデートをはじめ、タク室長(チェ・デチョル)はミヨンの2番目の姉ミスク(ハン・ギュ)と恋人になった。恋で始まり、恋で終わるみんなが幸せになる結末であった。

写真=MBC「運命のように君を愛してる」 スクリーンショット
これまで「運命のように君を愛してる」を率いてきた力は、このような明るさにあった。ここにイプロデューサーの感覚的な演出が加わり、相乗効果が爆発した。これは水木ドラマの流れを変えるほど人々を引き寄せる力があった。MBCは「運命のように君を愛してる」を通じて数ヶ月ぶりに同時間帯の視聴率1位を奪還し、崩れたプライドを回復することに成功した。

実際のところ、このドラマのストーリーはありきたりなものだ。貧しいが優しい女性が、財閥の御曹司の男性と恋に落ちるという内容がすべてだ。陳腐な内容を克服することができたのは、チャン・ヒョクとチャン・ナラのケミストリー(共演俳優同士の相性)のおかげだった。二人のケミストリーは怖いほどであった。他のラブコメディドラマのカップルたちが右に出ることができない程抜群の呼吸を誇った。断言するに、ラブコメディの演技に教科書があるならこの二人を見本にしても良いといえるほどだった。12年前にもカップルを演じた二人が再会した瞬間、ケミストリーは爆発した。

ケミストリーを超え、二人の俳優それぞれの演技力もデビュー以来最高と言えるほど抜群であった。チャン・ヒョクは第1話からキャラクター特有の個性で登場した。「うははは」という笑い方はトレードマークとなり、悩みがあると告解の秘跡をするみたいに一人でつぶやく口調もチャン・ヒョクの演技を引き立たせた。自身にできるすべてのエネルギーをキャラクターに注いだようだった。

チャン・ナラの底力も負けなかった。チャン・ヒョクは計算済みの意図的で大げさな演技を見せることが多かった。注目を浴びて当然だった。チャン・ヒョクが注目を浴びたのは、相手のエネルギーに飲み込まれずに最後まで静かな姿勢を維持したチャン・ナラの底力のおかげだ。聞こえるようで聞こえないような静かな声や、どこか落ち込んでいるような目つきはチャン・ナラのキャラクターに対する理解度がいかに高かったかを見せてくれる。

このように「運命のように君を愛してる」は久しぶりに俳優の力が感じられる素敵な作品であった。二人がもう一度共演することを願うのは、度が過ぎたわがままなのだろうか。

記者 : キム・ジヒョン