WINNER「Bチームは僕らにとって宿命のライバルであり一生の親友」

10asia |

写真提供=YG ENTERTAINMENT

虚をつかれた。ボーイグループが華やかなパフォーマンスに力を注いでいる今、WINNERはメロディと歌詞で自分たちを大衆に認識させた。タイトル曲「empty」とダブルタイトル曲「Color Ring」はダンスで目を驚かせるよりも、音楽で感性を刺激する。結果的にWINNERはこの2曲を通じて韓国の主要音楽配信チャート席巻から、音楽番組の1位獲得に至るまで、最近のどのアイドル歌手よりも速いスピードで成果を収めた。もちろん、このような結果にはWINNERがサバイバル番組を通じて事前に認知度を高めてきた影響もあるだろうが、歌が大衆にアピールできていなければ不可能なことである。

WINNERはBIGBANGや2NE1などYG ENTERTAINMENT(以下YG)に所属する先輩アーティストよりも早いスピードでチャート1位を獲得した。しかし、1位を獲得するまでのスピードだけが速いわけではない。デビューアルバムから自作曲を中心に構成したこと、他のアイドルグループとは差別化されるカラーを構築したこと、そして日本進出に至るまで。WINNERは快速で突き進んでいる。少し急ぎすぎているのではないのか?と言われているWINNERに直接その答えを聞いてみた。

―音楽配信チャート1位に続いて音楽番組でも1位を獲得した。おめでとう。感想を聞きたい。

ソン・ミノ:「WIN:WHO IS NEXT」(以下「WIN」)で勝った時とはまた違う感じがした。あの時は一方のチームが勝者、もう一方のチームが敗者になる仕組みだったから、勝った時に喜びとともに申し訳なさもあった。でも、音楽番組で1位を獲得した時はただ嬉しくて幸せだった。

―早すぎる成果だという視線もある。

カン・スンユン:正直、そんな気もする。でも、だからこそ僕たちが緊張の紐を緩めてはならないと心に誓うようになった。1位の経験を持って、今後もより良い姿をお見せしなければならない。次回は1位になれなかったらどうしようという不安もあるが、それだけ良い曲で活動できるよう、さらに努力するつもりだ。僕たちに対する期待が大きくなって負担もあるが、最終的に答えは一つだ。安住しないこと。それが何より重要だと思う。

イ・スンフン:表面だけを見ると、新人なのに急に浮上してきたと思う方もいらっしゃるかもしれないが、そんな風にしか見られないのは少し寂しい。ここに来るまでの準備期間は本当に長かったし、多事多難だった。1位の姿よりも努力して苦労してきた部分を見ていただきたい。

―WINNERがここに来るまでは“サバイバル”という装置が重要に作用した。

カン・スンユン:僕たちは少しドラマチックな状況でサバイバルを行った。でも、どんな職業や状況でも、サバイバルは存在すると思う。実際どんな分野でも競争は避けられないことだ。人は皆、自分の能力を人生の中で常に証明し続けなければならない。残酷かもしれないが、競争ほどお互いを成長させる触媒はないと思う。僕たちの場合、サバイバルを行っていた瞬間は本当に辛かったが、それだけ成長することができた。

ソン・ミノ:だから1位になった時、Bチームの話もしたかった。

イ・スンフン:もしBチームの皆がいなかったら、今の僕たちもいない。いつか再び一緒にステージに立つ日が来たらいいなと思う。

―最近、Bチームのメンバーたちが「SHOW ME THE MONEY」を通じて再び注目されている。WINNERは他のグループと違って最初からBチームというライバルが存在した。お互いに歩む道は違っても、今後比較を避けるのは難しいと思う。

カン・スンユン:その通りだ。Bチームは僕たちにとって宿命的なライバルといえる。でも、言い換えれば、一生一緒に音楽をやっていく親友ができたのだ。僕たちが緊張を緩めれば、Bチームのメンバーたちがすぐに上がってくるかもしれない。そのように切磋琢磨して一緒に成長していけるから、むしろありがたい存在だ。僕たちは音楽的なカラーが違うから進む方向は少し違うだろうが、良い競争を繰り広げたいと思う。そして、いつかAチームとBチームで一緒に合同コンサートを開催したいという夢を持っている。

ソン・ミノ:この間、YGファミリーコンサートで短かったけれどBチームと一緒にステージに上がった。でもいつかもっと長く一緒にステージに立って存分に遊びたい。ライバルだということを忘れて気楽に一緒にステージを楽しみたい。

―ソン・ミノはBlock Bと一緒に1位候補に挙がった。その時、どんな気持ちだったのか?

ソン・ミノ:ジフン(Block BのP.O)と僕の話は、まるでドラマのようだ。僕たちは高校の時から一番仲の良い親友で、ヒップホップが大好きだった。僕とジフンは一緒に色んなオーディションを受けて、一人が受かってもう一人が落ちたりすることもあった。そんな時はジフンと「いつか同じステージに立とう」という話をたくさんしていた。そして、もうその夢を叶えられたようですごく嬉しい。あの時、ジフンと一緒に手を握り合って1位の発表を待ちながら、目で話した。「本当に僕たち、やり遂げたんだ」と。

カン・スンユン:僕はその瞬間をすぐ隣で目撃した。男2人が手をぎゅっと握り合っている姿が本当に感動的だった。

―アルバム「2014 S/S」の話をしてみよう。意外な構成だ。自作曲を中心にしている。また、タイトル曲は「WIN」のBチームのB.IとBOBBYが一緒に作った。

カン・スンユン:「empty」は僕たちのカラーとぴったりだったのでタイトル曲になった。もしその曲がBチームに合っていたら、Bチームが歌うのが正しいだろう。でも、ヤン・ヒョンソク社長も「empty」はWINNERのカラーととてもよく合うと考えたようだ。また、僕たちのアルバムの場合、企画段階から無条件に自作曲をたくさん収録すると意図していたわけではない。アルバムを準備しながら色んな作曲家やYGのプロデューサーの兄さんたちから曲をたくさん提供していただいた。それなのに、アルバムに収録されたのが主に僕たちの自作曲だった理由は、僕たちが作った曲がWINNERのカラーとよく似合っていたからだ。

―WINNERの音楽的カラーとは何だろうか?

カン・スンユン:僕たちはジャンル的な区分を全く設けていない。確かに僕たちの音楽は最近の音楽業界のトレンドとは少し違う。パフォーマンスを強調したわけでもない。もちろん、最近流行するスタイルの音楽を作ろうと思えば、そんな風に作ることもできただろうが、僕たちはそのようなトレンドを気にしない方だ。最近音楽チャートの上位にランクインしている音楽のトレンドに合わせて作ってみようとは全く考えたことがない。ただ僕たちがやりたい、聞かせたい音楽をやるだけだ。

―全体的に感性を刺激する曲が多いが、その中でも「I'M HIM」は強烈な方だ。

ソン・ミノ:元々は僕がヤン・ヒョンソク社長からソロ曲を作ってみてと言われていた。だから、本当に強い意欲を持って曲をいくつか書いて社長に聞かせたが、全部通らなかった。そのためスランプに陥ったが、もう一度勇気を出して事務所のプロデューサーであるTEDDY兄さんとChoice兄さんに頼んだ。僕は本当にヒップホップ曲がやりたかった。Choice兄さんが良いトラックをくれて、それに歌詞を書いた。「あの人は強い」という意味の曲で、タイトル自体が強烈だ。この曲を通じて強いふりをするというよりも、新人として覇気を見せたいと思った。僕たちのアルバムは感受性豊かなストーリーや恋愛、別れ話を主に話しているから、「I'M HIM」のような曲を収録したらより多様なものを見せられると思った。歌詞にメタファーが多くて面白い曲だ。

―今回のアルバムでTEDDYが参加した曲は「I'M HIM」だけだ。YGのアルバムにはほとんどTEDDYがメインプロデューサーとして参加してきたのに、今回は彼の参加度が低い。特別な理由はあるのか?

イ・スンフン:TEDDY兄さんとも何曲か一緒に作業した。だが、社長が今回のアルバムとは似合わないと思ったようだ。

ソン・ミノ:TEDDY兄さんはヒップホップをベースに作業するプロデューサーだ。だから、僕はTEDDY兄さんの音楽が大好きだ。でも、今回社長は「ヒップホップではなく、君たちだけの何かを探してみなさい」とおっしゃった。だから今回のアルバムはヒップホップに限らず僕たちが好きな感じを追っていくことができたんだと思う。

―実際にWINNERはJinusean、1TYM、BIGBANG、2NE1などYGの先輩に比べて、ヒップホップのカラーが薄い。WINNERのメンバーの中で一番ヒップホップが好きな人はそれが残念ではないのか?

ソン・ミノ:今はそうじゃないが、作業の序盤は少し残念だった。B.I、BOBBYがいるBチームはヒップホップのカラーが強いけど、WINNERのメンバーは好きな音楽がそれぞれ違う。だから、僕が好きなヒップホップのカラーを入れるよりも、僕がメンバーたちに合わせながらどうやって共通のカラーを探し出すかについて悩んだ。僕は強烈なビートに合わせて強烈なラップを歌うことが好きだ。でも、今回は僕の好きな音楽にこだわらず、むしろヒップホップの雰囲気を消そうと努力した。「Color Ring」のような穏やかなビートに合わせてラップを歌うことは簡単ではなかった。でも、結果的に素晴らしい音楽になってすごく満足している。

―ナム・テヒョンとソン・ミノだけ、アルバムにソロ曲を収録した。他のメンバーはソロ曲を入れたいと思わなかったのか?

カン・スンユン:社長は全員にチャンスを与えてくれたが、僕はあえてソロ曲を作って収録したいと思わなかった。今はWINNERとしての姿を見せることがより重要だと思ったからだ。この1年間曲を作ってきたが、ソロ曲は一曲も書いてこなかった。僕はすでにソロ活動をしたことがあるから、今回は手を引いてもいいと思った。今の僕にはWINNERが音楽的に位置づけられることが最も重要だ。一方でテヒョンとミンホはニューフェイスだから、彼らの音楽的カラーを知らせることはWINNERにとっても良いことだと思った。

―ボーイズグループのデビューアルバムとしては珍しく、バラードや遅いテンポの曲が多い。EXOの場合、非常に華やかなパフォーマンスを披露して自分たちを認識させたが、WINNERは逆にパフォーマンスではなく、歌で勝負した。

イ・スンフン:メンバーのうち、唯一僕だけがダンスで事務所に入った。だから社長がWINNERにはダンスの才能がないとすでに決め付けているんだと思う(笑) Bチームと比べられた時もダンスに対する指摘を受けたことがある。でも僕たちは練習生の時から音楽で勝負しようと考えていたと思う。聞かせる音楽はBチームよりもっと上手くできると思ったし、そのようなアイデンティティが今回のデビューアルバムにつながったと思う。

カン・スンユン:ボーイズグループにとってパフォーマンスは絶対に無視できない部分だ。でも、今回僕たちは聞かせたい音楽、よく聞くようになる音楽に集中したかった。僕たちが感じてきた感情を大衆と分け合うためには、パフォーマンスに集中するよりも、もっと穏やかな音楽をやった方がいいと思った。でも、次のアルバムは強烈なパフォーマンスで出てくることも可能だ。次にどんなものを見せるかは誰にも分からない。今作っている曲の中に早いテンポのダンス曲もある。

―イ・スンフンがパフォーマンスを考えていると聞いた。

イ・スンフン:社長に「『empty』『Color Ring』の振り付けはスンフンが作ってみて」と言われた。実はこの2曲は踊るのが難しい曲だ。バラードにダンスを入れるのは決して簡単なことではない。逆にビート感がある曲なら楽しく振り付けを作れるが、今回はとても大変だった。

ソン・ミノ:今後も振り付けはスンフン兄さんが担当する予定だ。スンフン兄さんは感じることを上手く表現する。だから、本当にカッコイイ振り付けを考える。

―音楽以外の活動もやりたいと思っているか?

カン・スンユン:メンバー全員が色んな分野に関心がある。でも音楽以外の姿は、WINNERが音楽的に腰を据えてからお見せしたいと考えている。

―別のインタビューで、アイドルグループとの競争は番外試合として見てほしいと言っていた。WINNERは他のアイドルグループと何が違うのか?

イ・スンフン:僕たちの歌を聞いた時、共感して癒される感じを受けてもらえたら嬉しい。ライバルは誰なのかという質問を受けることがあるが、そのような対決構図はファンを傷つけるかもしれない。僕たちはただ平和に音楽をやっていきたい。僕たちの音楽の本質は誰かに勝つことではなく、治癒することだ。

―YG ENTERTAINMENTの強みは何だろうか?

イ・スンフン:YGは何かを直接教えてくれるというよりも、学べる機会をたくさん与えてくれる。自分たち自身で成長できるようだ。BIGBANGの日本ドームツアー、2NE1のワールドツアーを一緒に回りながら、より広い世界を見ることができた。それと共に本当にたくさんのことを感じた。ツアーを回りながら、「WIN」のAチームから一段階成長することができた。ステージで緊張しなくなったのもあるが、その他にも色んな場所を回りながら、その場所だけが与えてくれる独特な感じを受けた。そして、それが僕たちにインスピレーションを与えて、音楽を作る動力になってくれる。だから、今回のアルバムを作る時も僕たちが以前は考えてもいなかったものがたくさん出てきた。

―今後、日本活動も並行することになるが、体力的に大丈夫なのか?

カン・スンユン:9月10日に日本アルバムのプロモーションが決まっている。ずっと待ち望んできたことなので、とても期待している。今はデビューしたばかりなので何をやっても楽しい。日本活動をスタートするが、韓国のファンにも僕たちの姿を見せ続けるために両国を行き来する予定だ。

イ・スンフン:以前に比べて日本語が10倍以上上手くなった。最初は幼稚園児のようだったけれど、今は留学生レベル?(笑)

―ヤン・ヒョンソク代表がWINNERに期待するものがとても大きいようだ。他のグループとの接し方に違いはあるのか?

カン・スンユン:他の先輩との違いといえば、社長が結婚してお子さんもいる状況でWINNERがデビューしたことだと思う。先輩たちの話によれば、社長は以前より遥かに優しくなったそうなので、僕たちは幸せな方らしい。

記者 : クォン・ソクジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン