【REPORT】B.A.Pワールド全開!6つの物語がひとつになった“B.A.P NEEDS YOU!”
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正義を求めるヒップホップ戦士
このツアーは、アジア、アメリカ、欧州、オーストラリアの4大陸を回るワールド・ツアーの一環。昨年はアジア、アメリカを巡るパシフィック・ツアーを敢行しており、B.A.Pは“太平洋から世界へ”と、この一年で飛躍的な成長を遂げた。重低音の攻撃性のあるヒップホップなサウンドが特徴の彼ら。開演前、ステージ中央の大型モニターには赤のツアータイトルが浮かび、フロアのファンは全員がマトキ(B.A.Pの兎型マスコット) をかたどった緑色のペンライトを手に。緑と赤のコントラストが美しい。
オープニングの「ONE SHOT(日本語バージョン)」は、黒人解放のために闘ったマーティン・ルーサー・キングを引き合いに出す戦いのメッセージソング! メンバーは未来を切り拓く一撃(ONE SHOT) を呼びかけ、サビではモニター画面にピースマークが踊る。そして彼らが「ONE SHOT」と歌えば、フロアはB.A.Pの応援には欠かせないホイッスルの高らかな音でレスポンス。ハードに主張する歌と鳴り響くホイッスル……幕開けからB.A.Pワールドが全開となり、彼らは「正義」をテーマに凛々しい姿を見せていく。
甘くセクシーなR&Bから感傷的な歌まで
「EARTH~」のメッセージの「JUSTICE」の文字が赤い「LOVE」の文字に変化すると、続くテーマは「愛」! モニターにはアナログ式のラジオが現れ、周波数を変える度に、「LOVE ME TENDER」を始めとしたエバー・グリーンなラブ・ソングが流れる。そしてヨンジェとZELOの代わりを担当する二匹のマトキが「愛とは何?」をテーマに話すのだが、彼らではなかなか結論が出ない様子。最後は長兄のバン・ヨングクがしみじみと「愛とは痛いもの」と語り、流れるように「LOVE SICK」へ。赤いバラをアクセントに歌うポップ・ソングに客席はホッコリ・ムードとなり、最後はLOVEのイニシャル、Lのフィンガーサインでキメた。甘いムードは止まらない。ステージはSTAR BABYS COFFEEというコーヒーショップのカウンターにチェンジし、メンバーはアイスコーヒーやオレンジジュースをオーダー。ジャズをBGMにひと時のブレイクを楽しんだ後は、ZELOとヒムチャンがサイン入りタンブラーを客席にプレゼント。運悪くそれをゲット出来なかったファンに向け、「COFFEE SHOP」を歌えば、ファンは一層ムーディーに。失恋ソングながらジャジーな作りでウットリとさせた後は、この日一番のセクシー・チューン「BODY & SOUL」! 6人中4人がジャケットを脱いでファンをその気にさせ、艶かしい腰つきで酔わせる。スロー・ジャムな曲調に合わせ、全員が後ろに両手をつき、開脚してセクシーに腰を振れば、会場の歓声は一際大きなものに。「エロい。こんなB.A.Pは見たことがない」と評判だが、バン・ヨングクの吐息交じりのラップやデヒョンの高音シャウトなど、歌唱でもしっかり魅せ、バランスをとっているのが素晴らしい。
館内の熱気を鎮めたのは過去の恋の記憶を思い起こさせる「エモーション」のコーナー。失恋の思い出を感傷的に歌う「RAIN SOUND」や「SAVE ME」にしっとりとなるが、ジョンアプのソロ・コーナーでは彼がブラックスーツを華麗に着こなして、優雅に、そしてアクロバティックに舞い、最後は胸板を露わにし、客席から黄色い歓声が沸き起こる一幕もあった。
日本盤4thシングルのアナウンスに歓喜
後半はMCを挟みながら、ハッピー・チューンを連発したB.A.P。ダンスレッスンの後に続いた「CHECK ON」ではファンもダンスを楽しみ、「EXCUSE ME」を歌う際、「9月3日、その日本語バージョンを4thシングルとしてリリース」という発表がサプライズでアナウンスされると、皆、歓喜した。終盤の「HURRICANE」「DANCING IN THE RAIN」「ハジマ-HAJIMA-」はすべて日本語のノンストップ・メドレーで歌い、幕張メッセは巨大なクラブへと大変身。そして本編最後の「CRASH」直前にはブロックごとにロープが張られ、会場の照明もアップ。メンバーが客席通路をハイタッチしながら歌うという“まさか”のパフォーマンスにファンの興奮は絶頂を迎えた。
ファンへのメッセージは「B.A.P NEEDS YOU」!
アンコールの掛け声もホイッスルというのがB.A.Pスタイル。モニターにはTwitterの画面風にそれぞれから感謝の言葉が表示され、「EARTH NEEDS YOU」「B.A.P NEEDS YOU」との文字も。そう、アンコールのテーマは「YOU」! 彼らはファンに2曲を捧げて名残を惜しむ。まずはジョンアプの舞から始まる「1004」。発音はチョンサで、チョンサを漢字で表記すると“天使”(1000は韓国語で“チョン”で、4は“サ”)。離れていく彼女を想う未練系の歌だが、上下白の衣装をまとった彼らは天使のよう。そして、ファンもまた彼らにとって天使ーそんな思いが伝わってくる。
そしてラストは記念すべき日本デビュー曲の「WARRIOR(日本語バージョン)」。タフなBeatにスペードのAというPrideで歌うこの曲で、彼らは再度、戦士の顔を見せ、ファンのハートを撃ち抜いた。
そして、ひとつの公演を「正義」「愛」「情熱」「エモーション」「ハッピー」「YOU」といったチャプターに分け、パフォーマンスと巨大LEDモニターに映し出される映像を連動させながら、チャプターごとの世界観を演出。構成には客席の興奮をコントロールするかのように緩急がつけられ、しかも、それぞれが途切れることはない。6つの物語がひとつになり、ライブ終了後に待っていたのは、まるでひとつの映画を見終えたかのような感動だ。今回、B.A.Pは新たにセクシーな表情を見せたことで、4大陸を制覇したものならではの貫禄を放っていた。
ライター:きむ・たく
【「B.A.P LIVE ON EARTH 2014 CONTINENT TOUR」 SET LIST】
01. ONE SHOT (Japanese)
02. BADMAN
03. POWER (Japanese)
04. LOVE SICK
05. COFFEE SHOP
06. BODY & SOUL
07. PUNCH (Japanese)
08. NO MERCY (Japanese)
09. BANG×2
10. RAIN SOUND (Japanese)
11. DANCE BREAK _ Jong Up
12. SAVE ME
13. CHECK ON
14. SPY
15. EXCUSE ME
16. HURRICANE (Japanese)
17. DANCING IN THE RAIN (Japanese)
18. ハジマ -HAJIMA- (Japanese)
19. CRASH
20. 1004
21. WARRIOR (Japanese)
■リリース情報
B.A.P JAPAN 4TH SINGLE 発売決定!
2014年9月3日(水) 発売「EXCUSE ME」
B.A.P OFFICIAL WEB SITE:http://bap-official.jp/
記者 : Kstyle編集部