チェ・ジニョク「まだ少し“浅漬けキムチ”のようですが…軍隊で“古漬け”になって帰ってきます」

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「参加賞」俳優チェ・ジニョクがドラマ「エマージェンシー・カップル」を終えてから話した感想だ。自身の初の主演作で成績も好調だっただけに、もう少し良い点数をあげても良さそうなものだが、チェ・ジニョクは謙虚だった。何よりも「3ヶ月の撮影を耐えてきたということがすごい」と言う。

「初めてこのように過酷なスケジュールを消化した。今まで大きく体調を崩したことはほとんどなかったが、今回そのうちの1回を経験した」と言う彼は「そんな中でも何の事故もなく持ちこたえたという意味で、参加賞でも非常に意味のある参加賞」と振り返った。

「前作の『相続者たち』が終わる前、(イ)ミンホがとても苦しんでいました。その時、ミンホが『きつい』と言った時はよく分かりませんでした。しかし、今回は放送開始と共に徹夜を始め、その状態で3ヶ月耐えて、今やある程度慣れた感じです。『エマージェンシー・カップル』の撮影が終わってからミンホに電話で『死にかけた』と言ったら『ざまあみろ』と言われました(笑) 初めて(の主演)で、不安もたくさんありましたが、幸いなことによく耐えられたということが、僕にとっては大きな意味があります」

「初主演の負担、試されている気分だった」

単純に“初主演”だったため、それほど負担を感じたわけではなかった。離婚した元妻に対する憎しみから、再び感じるときめきまで、幅広い感情を行き来しながら演じることも、彼にとっては大きな課題だった。さらに前作の彼の姿がほぼ“慎重で重い”キャラクターだったことも悩みの原因だった。

そのため制作発表会でチェ・ジニョクは「初めて制作スタッフと会った席で『このようなシノプシス(ドラマや舞台など作品のあらすじ)を僕に送ったこと自体が疑問だ』と申し上げたほど」とし、「僕が演技を間違えるとドラマが面白くなくなるかもしれない、分不相応な役にとても悩んだ」と気持ちを打ち明けたりもした。「『九家の書』から始まり『相続者たち』で(演技の)勉強をしたとすれば、今回は試される気分だった」と話したチェ・ジニョクは「僕という人間がどれだけ演じられるかを最終検討するステップとして受け止めることにした」と語った。

そのようにして、徹底した“計算”が始まった。世間知らずの男が愛を通じて成長して行く時にさらに格好良く見えると思い、ロマンスよりも成長を強調する計画だった。「自分が少しでも退屈に見えたら、すぐチャンネルを変えられてしまうはず」という覚悟で「もう少し」を叫びながら“みっともない”男になった。ドラマの序盤、製薬会社の営業社員として院長と接待をするシーンのために、明け方にわずか5分で焼酎1本を“一気”飲みしたこともある。オ・チャンミンが死の峠を迎えた患者に「生きていないと奥さんに会えないぞ!」と叫ぶ時、チェ・ジニョクは「ついに出た」と快哉を叫んだ。

「笑うとき、顔をしかめるとき、無表情に見えるときの差が大きいほうです。それが僕の長所だと思いました。見せられるものがたくさんあると思いました。だから選択したわけで、そうでなかったら本当に怖かったと思います。演じてみると今までの役の中で一番明るくて、白い感じで良かったです。重すぎず、キャラクターの真面目さは父が亡くなった時に出たりもしました。若干の気恥ずかしさ……は多少難しかったですが(笑)

それは、本当に苦労して撮りました。実際は男女の関係ではなく、本当にただの仲の良い同僚ですから。仲ですか? 僕は年下なのでそうはできませんが、(ソン)ジヒョ姉さんは悪態をついたりしていました。十分説明になりましたよね?(笑)」

「軍隊に行って来たら忘れられるって? 行って来てから思い切りやる」

2011年、tvN「ロマンスが必要1」で女心を揺さぶるホテルの後継者として登場し、注目を浴び始めたチェ・ジニョクは、2013年「九家の書」と「相続者たち」で再び脚光を浴び、「エマージェンシー・カップル」で確固たる地位を築いた。「映画『神の一手』も2013年に撮影したので、2013年は僕にとっては本当に意味のある年」と言うチェ・ジニョクは「その後『エマージェンシー・カップル』を撮ってから責任感が強くなった」と自らを評価した。それはドラマをリードする“主演”としての責任感であり、一方では自身の使命としている職業である“俳優”としての責任感でもあった。

「みんな苦労するんですよ。立ったまま居眠りをしていてパッと起きることも多くて『シュート入ります』と言われたら行って撮ります。そのため、現場で腹を立てたり、疲れた様子を見せたくありませんでした。そう思ったこと自体が嬉しかったです。

また、俳優として本当に胸がいっぱいになったのは、一度撮影の途中に忘れるかも知れないと思って、自身の感情のトーンを台本に書いておいたことがあります。そのようにして演じながらも、気をしっかり持って、一度も感情のトーンが揺れなかったことに点数をあげたいです。肉体的にきつくなると、見逃す部分もありそうじゃないですか。でも『今は疲れているから、そう思って(演技を)すると、一生続く』と思いました」

チェ・ジニョクに、主演として、またもう一人の俳優として責任感を抱かせてくれた「エマージェンシー・カップル」は、同時に彼に“俳優の道”に対する確信をくれた。彼は「『駄目だ。この仕事を続けよう』と思わせた作品が『エマージェンシー・カップル』」と話し、「撮影をしながらたくさん学んだので、終わってからもさらに思い出すと思う」と愛情を示した。長いトンネルから抜け出し、スポットライトの下に堂々と立ったチェ・ジニョク。前作「相続者たち」での表現を借りれば、今や本当に“王冠の重さ”に耐える準備ができた。

「『軍隊に行くと、その間人々に忘れられるのではないか』と聞く方々もいます。しかし、そういったことは考えないように努力しているんだと思います。ただ、何かすごいことが起こりそうな感じはあります。軍隊に行って来てから思い切りやってみたいです。行って来たら、何か更に積まれていそうです。“古漬け”になって帰ってきますね。まだ少し“浅漬けキムチ”のような感じがしますよね?(笑)」

記者 : イ・ミナ