チョ・ジヌン「『最後まで行く』ほど痛快な映画に出たことはなかった」

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映画「最後まで行く」(監督:キム・ソンフン)が韓国の劇場街を制覇した。公開前の試写会を通じて映画に先に楽しんだ観客たちが「封切りがマーケティングだ」と語るほどだったこの映画が、その真価を発揮したのだ。

チョ・ジヌンは「封切りがマーケティングという言葉はぴったりだと思う」と、あふれる好評の声に嬉しそうな表情を見せた。

実際に「最後まで行く」のヒットは予見されていたも同然だった。映画を観た後、面白くなければ返金するという“リファンド有料試写会”を開いたが、たったの一人も払い戻しを要求しなかったのだ。むしろ彼らが口コミの原動力となった。映画を先に観た観客たちがヒットの最も大きな牽引役を果たし、現在もその効果は続いている。特に映画上映後に行われる舞台挨拶の場合、爆発的な反応だという噂だ。

チョ・ジヌンは「このような感じは久しぶりだった。これほど痛快な映画に出たことはなかった。釜山(プサン)の芸術の殿堂で試写会をするとき、観客たちがまるでコンサートに来たように、ひたすら笑っていた」と喜んだ。

彼は今回の映画で、事件の唯一の目撃者であるパク・チャンミン役を演じた。初登場から強烈だ。“やはりチョ・ジヌン”という賛辞を引き出すような存在感だ。思ったよりも長くチョ・ジヌンの姿を見ることができないということが、最も残念なポイントに感じられるほどだ。

チョ・ジヌンは「最初から出番がそれほど多くはないということを知っていたので、残念ではなかった。出演量が問題になるのではないようだ。完成した映画を見ると、しっかり良く撮れていたようだった。編集に対して残念に思う部分は全くない。監督自身も残念に思っていないだろう」と話した。

また「映画に取り組みながら、キャラクターをどう作り上げようかとたくさん悩んだし、よく話し合った。悪役だったが、悪役を決定づけるのはコ・ゴンス(イ・ソンギュン)のリアクションではないかと思う。こう言うとどう思われるか分からないが、イ・ソンギュン兄さんの演技をたくさん見てきて、人々にとって良く見える姿も多かったけれど、今回の演技が個人的に一番いいと思う」と付け加えた。

「最後まで行く」は、第67回カンヌ国際映画祭にも招待された作品だ。しかし残念ながら、チョ・ジヌンとイ・ソンギュンは参加できなかった。キム・ソンフン監督が一人でカンヌを訪問し、賛辞を浴びて戻ってきた。

チョ・ジヌンは、「カンヌにポイントを合わせた映画ではないが、映画が上手くできたから一度送ってみようと考え、監督週間に招待された。誰でも一度はカンヌへ行きたいものだろう。カンヌに招かれたという話を聞いて、妻に自分でチケットを買って行こうと冗談を言ったりもした。しかし、旅客船セウォル号の沈没事故が起こって、いろんな撮影に参加していたら行けなかった。実際、事故が起こったとき、私は氷のように固まった状態だった。そんな感じだったため、監督に静かに『行ってきてください』と話した」と、少し遅れて残念がった。

チョ・ジヌンは今年で映画デビュー10年目を迎えた。大学時代に演劇を先に始めたため、来年には演技歴20年になるわけだ。チョ・ジヌンはこの長い歳月に素晴らしい人々と出会ったことが自身の大きな財産だと話した。

チョ・ジヌンは「演技を始めたのは大学1年生の時、映画に入門して10年になった。本当にいい人たちに出会えたし、作品運もいいと思う。デビューがユ・ハ監督の作品だった。その時、イ・ジョンヒョク兄さんに会った。その時から始まった人たちの縁を見ると、『二言目には小言』の人々との出会いだ。アン・ソンギさん、パク・チュンフンさん、ハン・ソッキュさん、チェ・ミンシクさんなどと出会った。出会う人の運がいいようだ。私が受けた分だけ後輩たちに返さなければといつも思う。『私もああなりたい』と思うようになる」と、人が好きなチョ・ジヌンらしい言葉を伝えた。

映画「最後まで行く」は、一瞬のミスで絶体絶命の危機に晒された刑事コ・ゴンスが、自身が犯した事件を隠蔽し始めたことから起こるストーリーを描いた作品。イ・ソンギュンがコ・ゴンス、チョ・ジヌンが正体不明の目撃者のパク・チャンミンの役を引き受けた。青少年観覧不可と誤解されることもあったが、15歳観覧可能だ。

記者 : キム・ミリ、写真:キム・ソンジン