「エンジェルアイズ」ナム・ジヒョンの女優第2幕“スリラーとアクションに挑戦したいです”

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明るい笑顔を見ていると自然に微笑ましい気持ちになる。1時間を越えるインタビュー時間の間、終始微笑んで、笑っている姿からは瑞々しさが感じられた。人から漂う香りというべきだろうか。ナム・ジヒョンからは20歳の初々しさが感じられる。

いよいよ成人。9歳の時からやってきた演技生活がターニングポイントを迎える時期だった。20歳のスタートダッシュを大学ではなく、撮影現場で真っ先に始めることになったナム・ジヒョンはしっかりとした性格と同じく、格別な自己管理で撮影現場と講義室を行き来しながら撮影に取り組んだという。さらに顔から消えない微笑みは“憎めない”というよりは、“可愛がるしかない”という言葉の方が似合っていた。

20歳、初恋、初めての演技…ナム・ジヒョンの「エンジェルアイズ」

二十歳になった後、初めてのドラマだった。これまで大学入試のためにしばらく演技活動を休んでいたナム・ジヒョンは本格的な成人演技の始まりとして「エンジェルアイズ」が持つ意味が大きかったと話す。成人としての演技が初めてなのに、視覚障がい者の役割だなんて。若くして重過ぎる荷を背負わせたのではないかと心配になったところ、ナム・ジヒョンは明快な答えを出した。

「目が見えない役ですが、私は目が見えるじゃないですか。その点で視線処理からして難しいところが多かったです。それで目に集中せず、他の感覚に集中しようと努力しました。目を隠して歩いてみたり、生活もしてみたり、手を洗ってみたり、ご飯を盛り付けてみたり。目を一ヶ所に集中すると横が見えないので、演技しやすくなりました」

二十歳になってから初めてのラブストーリーだった。十代の初恋と二十歳の初恋は感覚そのものが妙に変わるといっただろうか。ナム・ジヒョンは本格的な初恋の演技だったため、かなり緊張したそうだ。さらにドラマでのカン・ハヌルとのキスシーンは、実際でも初キスだったため、心配が大きかったそうだ。初々しい恋人だったため、口付け程度で終わったキスシーンだったが、ナム・ジヒョンはそれさえも初めてのこと。最近の10代たちがいくら早いといっても、ナム・ジヒョンは恋愛どころか、彼氏の手を握ったこともないという純度100%の純粋な女の子だ。

しかし、すでにカップル演技は何回か経験した。最近「星から来たあなた」でそれこそ、宇宙人クラスに人気が高くなってしまったキム・スヒョンとは以前「クリスマスに雪は降るの?」で共演したことがある。カン・ハヌルとキム・スヒョンのうち、誰が好きなのかと聞くと答えは半々。二人のスタイルがまったく異なるそうだ。

「(キム)スヒョンさんは少しチャドナムタイプです。冷たい都会の男タイプだとしたら、(カン)ハヌルさんは優しいタイプです。しかし、二人とも明るくて、がんばり屋で、性格が本当にいいです。ハヌルさんは優しくて、スヒョンさんは母性をくすぐるような?二人とも成人演技者としてもう一度共演してみたいです」

二十歳、女優ではない女子大生のナム・ジヒョン

子どものころから目指していた心理学科に堂々と合格した。今年、西江(ソガン)大学社会科学部に入学したナム・ジヒョンは学業と演技、どれも逃がさないしっかりとした姿で先輩から愛されているという。2月は撮影現場で、3月にはバスに乗って学校に向かうナム・ジヒョンの姿を想像するとなぜ、違和感が感じられないのだろうか。

「来週からテスト期間なので、授業が終わると勉強して家に帰ります。大学に入学しても授業を抜けたことは一度もありません。あ!花があまりにもたくさん咲いていてたので、友達と一緒に花見しようと1科目の授業をサボったことはあります。エイプリルフールには制服を着て、友達と一緒に漢江(ハンガン)で遊びました」

女子大生の憧れといえば、シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ノンストップ」のような大学生活やイケメン先輩だろうか。当然のように感じられる希望についてナム・ジヒョンは「憧れはあまりなかった」そうだ。一度も経験したことのない大学生活であるため、さらに期待するところだが、むしろ“先輩ができるんだ”という考えが大きかったそうだ。

しかも望んでいた心理学科に進学したのは俳優としては変わった履歴。子役俳優として育った人々は演技関連学科に進学するのが一般的だが、ナム・ジヒョンはまったく異なる心理学専攻に道を決めた。これについてナム・ジヒョンは「心理学は学問として学んでみたかった」と答えた。

「正直、心理学を選択した理由が、演技をしていると始める前にいつもキャラクターを分析するじゃないですか。そのため、“この人はなぜこうなんだろう、なぜ、こんな行動をするんだろう”と思うようになりました。それで学問的にも知りたくなりました。演技は一生続く私の職業としたら、心理学は学問として勉強してみたい対象です」

大学生になると自然に飲み会もよくあるのが事実。純粋そのものと見られていたナム・ジヒョンも実は、焼酎1/2本は飲める平凡な女子大生だった。最近、大学のMT(メンバーシップトレーニング、親睦のための合宿)にも行ってきて、体育大会にも参加し、活発な大学生活を送っているという。お酒は大人になって両親から学んだのが初めて。理由は自分の行動に責任が取れる大人になるためだそうだ。

「二十歳になって変わったところは、私がやったことについて責任が取れるようにならなければならないというところです。そのため、少しずつ練習しています。いつも誰かが世話をしてくれていた立場だったので、これからは自分でやってみようと思います。二十歳になって運転免許も取りました。しかし、いつも公共の交通機関を利用しているので、免許は取ってもまだ運転は一度もしていません。このままではペーパードライバーになりそうです。ハハ」

女優第2幕、これからがさらに注目できる演技人生

20代に近づくほどナム・ジヒョンの演技は変化し続けてきた。たびたび指摘を受けたハイトーンの声も今は安定してきている。高い声がコンプレックスだったというナム・ジヒョンは「声を低くすると感情の伝達が難しく、高いと聞きとりにくいので妥協点を見つけるのが難しかったです。今も完全には見つけていないのですが、どうしたらある程度感情の伝達もしながら、安定した声を聞かせることができるか悩んでいます」と話す。

毎回変わる演技の秘密は「年齢帯に合う作品を選ぼう」というナム・ジヒョンと母の同じ考えのおかげだ。「この時期にこういった作品に出よう」という計画ではなく、自身の姿と年齢、成長期に適した作品を選んだのが、次第に変化した演技の秘訣になったそうだ。

「14歳の時は少女と変化がある時期なので、おてんばのような雰囲気がある作品に出ました。そして、『エンジェルアイズ』は二十歳なので、女性らしい姿をたくさん強調しました。ちゃんとしたラブシーンがあるドラマなので、さらにそう感じられたのかも知れません」

二十歳になって初めての作品。「エンジェルアイズ」を成功に導いたナム・ジヒョンには“子役を越えた”という絶賛が相次いだ。初回放送後、出てくる絶賛の記事にナム・ジヒョンは「とても感謝した」そうだ。しかし、演技をするたび“子役演技”、“成人演技”を分けて別物と考えなかったというのがナム・ジヒョンの演技方式だ。

「子どものころから子役と成人という概念は分けられていませんでした。年齢に合うものに出演していたため、当然子役をし、二十歳になって私の役割が少しずつ大きくなったのです。『エンジェルアイズ』では初々しい恋を撮影しながら、リラックスしてできたので、良く見ていただいて、褒めてくださるのだと思います」

9歳、何も知らずに演技を始めたころ、自分が演技を続けるかどうかも知らなかったというナム・ジヒョンは「偶然キッズ番組に出て、監督にキャスティングされた」と、演技を始めることになった簡単な裏話を聞かせてくれた。子どものころから演技をしてきたため、最近の子役たちを見ているとすごく共感できるそうだ。特に最近放送終了した「3度結婚する女」では子役スルギ(キム・ジヨン)が泣く姿を見て、真っ先に「すごく大変だろう」と思ったそうだ。

スターへの欲はない、スリラーとアクションが好き

まれに見る純粋さだった。「スターになりたい欲はない」なんて。すでに子役の間ではスターになっている彼女がこんな話を持ち出すと理解するのが難しくなり始めた。しかし、ナム・ジヒョンは「大きな期待はない。私の名前を誰かが聞いたとき、“あ、あの子?”という言葉と共に良いイメージが浮かべばいいぐらい?」と話す。

アクションが好きだというナム・ジヒョンはこれから捜査劇とアクションに挑戦してみたいそうだ。最近「神様がくれた14日間」を好んでみているというナム・ジヒョンは、女性のアクションが好きであるため、子どもを失った母、キム・スヒョン(イ・ボヨン)役をやってみたいという願いも表した。「スリーデイズ~愛と正義~」の大統領警護員のような役は基本で、サイコパス役はおまけという希望事項。相手役としてはイ・ビョンホン、キム・スヒョン、カン・ドンウォン、カン・ハヌル誰でも“OK”だ。しかもラブストーリーはすでに“初恋の経験をしてみた後”に先送りにした。

今年の目標はマインドを育てること。20代に差し掛かった初めての年なので、やるべきことが多いというナム・ジヒョンだ。「責任感のある姿を準備しており、作品活動にも熱を上げる」というナム・ジヒョンの覚悟が証明できるか、注目が集まる。

記者 : ムン・ジヨン、写真 : キム・ジェチャン