「サメ ~愛の黙示録~」ヨン・ジュンソク“キム・ナムギルさんの演技があまりに素晴らしくて、没頭して見ました”

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「赤と黒」のキム・ナムギルと『私の頭の中の消しゴム』のソン・イェジンが主演し、話題を集めた「サメ~愛の黙示録~」。韓国ドラマ史上最も心に刺さる、愛と復讐のサスペンス・ラブストーリーで、「善徳女王」「赤と黒」でブレイクしたキム・ナムギルが除隊後初、3年ぶりにドラマ主演。クールな仮面の下に図り知れない心の闇を抱えた主人公を熱演した。本作でキム・ナムギル演じるハン・イスの少年時代を好演したヨン・ジュンソクに、撮影エピソードやストーリーについて聞いた。

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―今回「サメ」には、オーディションを受けてキャスティングされましたが、この役柄にひかれた理由を教えてください。

ヨン・ジュンソク:役柄にも魅了されましたが、この作品自体が吸引力の強い作品だと、脚本を読みながら感じました。これまで出演した別の作品では、まず脚本を把握し、それができてから役に入っていくという感じでした。しかしこの作品は、脚本を読んでいくうちに、どんどんイメージが膨らんで、そのシーンがどう描かれるのか浮かんできたんです。それで、出演したいと思いました。

―様々な感情を表現しなければならない難しいキャラクターだったと思います。役作りはどのようにされましたか?

ヨン・ジュンソク:脚本を何度も読み、少なくとも脚本に忠実に演じようとしました。複雑な感情は一度に表現しようとはぜず、まず一つの感情を土台にして、その上に残りの感情を微妙に重ねていきました。条件反射的に演技せず、よく考えた演技を心がけました。

―演技は学校で学ばず、ドキュメンタリーを見てキャラクターを研究したという記事を見たことがあります。「サメ」でもドキュメンタリーを見ながら研究をされましたか?

ヨン・ジュンソク:以前の作品では、キャラクター自体、その背景がちょっと変わっていて、それでドキュメンタリーを見て研究したりしました。でも、今回の作品では、別のビデオを見るのではなく、主に脚本の研究に時間をかけました。

―ジュンソクさんが納得のいく演技をできた、ベストシーンを教えてください。

ヨン・ジュンソク:ヘウが夜に足をけがして、僕がその傷をハンカチで包むシーンが一番良かった気がします。なぜなら、映像がソフトで叙情的、セリフも良かったし、二人の呼吸もよく合いました。うまく流れに乗れた気がします。

―視聴者の立場になって、このドラマで一番好きなシーンは?

ヨン・ジュンソク:どのシーンも、ベストを尽くして作ったことを知っているせいか、気に入ったシーンは、たくさんありますね。その中であえて選ぶとすると、沖縄で森にいるヘウを、イスが眺めているシーンがとても感動的でした。ソン・イェジンさんが涙を流していた、あのシーンです。

―苦労したシーンも教えてください。

ヨン・ジュンソク:肉体的に一番大変だったのは、僕が出演する最後のシーン、車に轢かれて血を流して倒れているシーンの撮影ですかね。とても寒い日で、苦労して撮った記憶があります。しかし、大変な撮影だっただけに、周りスタッフの皆さんも気を遣ってくれて。毛布も持って来ていただいたり……。


「キム・ナムギルさんの演技があまりに素晴らしくて…」

―キョン・スジンさんとは、演技の呼吸がよく合ったという評価があります。撮影現場では、色々な話をしましたか?

ヨン・ジュンソク:スジンさんは、僕の性格をよく分かっていて。スジンさん自体、とても気さくな性格の方なんです。それで、僕が楽に仕事ができるように、とても気を遣ってくれました。

―実際はスジンさんが8歳年上なんですよね。一緒に演技をして印象はどうでしたか?

ヨン・ジュンソク:まず、とてもリラックスして演技できました。元来は男の方がリードするのが当然なのでしょうが、スジンさんは年上なだけあってうまくリードしてくれて。同年代の女性より、スジンさんと演技する方が楽でした。

―ヨン・ジュンソクさんと、ハン・イスとの共通点・相違点を教えてください。

ヨン・ジュンソク:イスは、普段から物事をよく考えている人物です。周りの人間についてもよく観察し、よく考えて物事を決めるところが、僕と似ているかなと思います。一方、イスはそのような考えや観察を表に出すのに対し、僕は自分一人で考えるだけに終わってしまう点が違うようです。自分の考えを表現するのは本当に親しい友人にだけ、わざわざ明らかにして反感を買いたくはないですからね(笑) 元々、人間関係が上手い方ではないですから(笑) 親しい友人にも深い所までは言わない方です。

―大人になったイス役のキム・ナムギルさん、ヘウ役のソン・イェジンさんとは、事前に話をする機会はありましたか?

ヨン・ジュンソク:いいえ。現場では一緒に撮影するシーンがないので、会う機会がなかったんです。たまたまお会いしたら、キム・ナムギルさんはとても愉快な方なので、冗談を言い合う程度でした。

―では、何かアドバイスを受けたことは?

ヨン・ジュンソク:全体のシナリオ会議が終わった後の飲み会の席でした。キョン・スジンさんと一緒に座っている僕のところにいらっしゃって、重く真摯な気持ちを込めて演じて欲しいが、その年頃だけにしかない純粋さ、いきいきとしたところも表現して欲しいとおっしゃいました。

―大人になったイスをキム・ナムギルさんが引き継いで演じますが、そのことを意識したことは?

ヨン・ジュンソク:僕もそう思いましたし、多くの人が話していることすが、この作品では特に、目で感情を表現しようと努力をしました。

―パク・チャンホン監督や、脚本家のキム・ジウさんからも、アドバイスを受けたり、演技について話をしたことはありますか?

ヨン・ジュンソク:キム・ジウさんとは、たった一度しかお会いしたことがありません。監督も、イスというキャラクターについて、何かおっしゃったということは、ありませんでした。その時その時に必要な指示をなさって、あとは僕に任せてくださったのだと思います。

―アドリブはしましたか?

ヨン・ジュンソク:いいえアドリブはありませんでした(笑)

―ヘウとのロマンチックなシーンが多かったと思いますが、撮影現場の雰囲気はどうでしたか?

ヨン・ジュンソク:実際の撮影場所が、ロマンチックな感情にぴったりの場所でした。叙情的で物静かで、湖もあって。

―NGはどうでしたか? たくさん出しましたか?

ヨン・ジュンソク:幸い、あまりNGは出しませんでした。

―大人になった時の二人の物語を見て、どんな気持ちになりましたか?

ヨン・ジュンソク:イスが復讐に乗り出す姿を見て、痛ましく心が痛みました。ナムギルさんの演技があまりに素晴らしくて、没頭して見ました。

―その姿を見て、子供時代をもっとこう演じればよかったと思った部分はありましたか?

ヨン・ジュンソク:特にありませんでしたね。子供の頃とは全く違った姿を見せる必要があるでしょうから。特に繋がりに違和感は感じませんでした。


「華麗なる遺産」の現場は明るくて楽しくて今でもよく覚えてる

―今後演じてみたいキャラクターやジャンルはありますか?

ヨン・ジュンソク:キャラクターもジャンルも、まだ演じていないものが多いので、とにかくたくさんの経験をしてみたいですね。もっと言えば、作品自体を引っ張っていくような立場で演技をしてみたいと思います。「サメ」は、そのきっかけになってくれたドラマですが、今後は、もう少し長く演技をしてみたいです。

―今まで出演した作品の中で、撮影現場の雰囲気が印象深かったものはありますか?

ヨン・ジュンソク:「サメ」以外では、「華麗なる遺産」が良かったですね。特に撮影現場の雰囲気がとても和気あいあいとしていました。こんな雰囲気の現場は、それまでなかったですね。とても良かったです。その現場のことはよく覚えています。出演した俳優も、みんな仲良しで……。ドラマ自体が明るい雰囲気でした。同年代の俳優も多かったし、監督もとても明るい方でした。

―それ比べて「サメ」はどうでしたか?

ヨン・ジュンソク:現場の雰囲気よりも、パク監督自身がとても素晴らしいと感じました。いつもは、厳密に雰囲気を管理しておられますが、パク監督の現場にのみ存在するイベントもあるんです(笑)

―そのイベントとは?

ヨン・ジュンソク:初めて撮影に参加する俳優は、現場で歌とダンスを披露しなければならないんです(笑) そして、現場に誰かお客さんがやってくると、すぐに撮影はストップ。すべてのスタッフに、その方を紹介するんです。

―子役をされて、特に感じたことや学んだ点がありますか?

ヨン・ジュンソク:撮影現場に行けば、多くの人の注目を浴びる俳優の方々が何人かいますよね。その一方で、脇役や端役を演じる俳優は、注目を浴びることもなく疎外されています。僕もその立場にいたのでよく分かるのですが、そういう方でも、責任を持ち、これは自分の作品だという心を持つことが重要だと思いました。そうすれば、みんなが責任感を持ち、いっそう良い作品が作られるのではと感じました。だから、撮影現場だけでなく社会生活でも、比較的弱者に対する思いやりを学んだ気がします。

―演技をする時は、相手との呼吸が重要だと発言した記事を読みました。

ヨン・ジュンソク:単に相手に自分の感情を伝えるだけでなく、相手が僕にリアクションをできるよう、正確に相手に伝えることが大事だと思います。僕がそうなんです。テクニックだけ、自分の感情だけ表現しても演技はできません。何か相手から伝わるものがなければ表現できないんですね。だから、相手を大切にすることが、本当に重要だと思います。


「目標にする俳優はチョン・ウソンさん…オーラを感じます」

―それでは、目標にする俳優はいますか?

ヨン・ジュンソク:チョン・ウソンさん(笑)

―チョン・ウソンさんのどんな面を?

ヨン・ジュンソク:オーラですね。この世の中に、背が高くてハンサムな人はいくらでもいます。でも、その人がみんな、オーラを持っている訳ではありません。自分の内部に成熟した、素敵な面がなければ、それが表に現れることはないと思います。実際にはお会いしたことがありませんが……(笑)

―ヨン・ジュンソクさんにとって、「サメ」とはどんな作品ですか?

ヨン・ジュンソク:うーん……。自分の経歴の上で最大の転換点になったと思います。時期的にも、自分が大人になっていく時期だったし、自分の足場になったと作品だと思います。また、作品に接する姿勢という意味でも、とても発展をもたらした作品であったような気がします。

―大学生活で、やってみたいことはありますか? やってみたいクラブ活動などはありますか?

ヨン・ジュンソク:演劇映画学科という性質上、みんなで集まって一つになる、一体感を持つことが重要なのですが、僕はそういう点に不慣れて、下手なんですよ……。クラブ活動は、先輩たちから授業に集中するように言われていて。僕たちの学科ではクラブ活動はできないみたいです。

―休日には主に何をして過ごしていますか?

ヨン・ジュンソク:一人で旅行をしたり、映画を見たりしていますね。一人であちこち歩きながら、風景というよりも、人間を見物しています。一人で静かな場所を散歩するのが好きです。

―日本のファンに一言、簡単なメッセージをお願いします。

ヨン・ジュンソク:考えてもいませんでしたが、少しでも関心を持っていただいてとても感謝しています。僕も元々、日本という国に対して愛情を感じていましたし、日本の方の優しさを感じていました。今後も、より一層、一生懸命にやるつもりです。旅行で一度だけ、日本の福岡に遊びに行ったことがあります。日本の食べ物もとても好きですし、博多ラーメンも大好きです(笑)

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記者 : Kstyle編集部