BoA、芸暦15年の芸能人、そして29歳の女性

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「起伏が激しい芸能界…傷つかない秘訣ですか?」

映画「Make Your Move」(監督:Duan Edler)でハリウットデビューを果たしたBoAが、今まさに一歩踏み出した女優、芸暦15年の芸能人、今年最後の20代を過ごしている一人の人間BoAとして、率直な悩みを打ち明けた。

「Make Your Move」はダンス一つで人々をとりこにするタップダンサーのドニー(デレク・ハフ)が、兄が運営するクラブで、自身の兄とライバル関係にあるクラブを運営するカズ(ウィル・ユン・リー)の妹アヤ(BoA)に出会い、一目惚れすることで繰り広げられる物語を描く。「Make Your Move」は「ステップ・アップ」の脚本家、Duan Edlerがメガホンを取った。

この映画を通じて本格的なハリウッドデビューを果たしたBoAは、演技とダンスの両方をきっちりとこなし、自身の役割を果たした。太鼓の演奏から、タップダンス、英語の演技まで、完璧にこなしたBoAは、叶えられない恋の前に揺れるアヤになりきり、110分を引っ張っていく。

14日午後、ソウル鍾路(チョンノ)区八判洞(パルパンドン)のカフェで取材陣に会ったBoAは、「純制作費120億ウォン(約11億7700万円)の大作だ。プレッシャーは感じなかったのか?」という質問に「ハリウッドではこれぐらいなら独立映画クラスだと言われた。おかげでプレッシャーは少なかった」と特有の豪快な笑いを放った。

「初めての演技の上に、しかも英語じゃないですか。外国の俳優たちの間で気後れしないように本当にたくさん練習しました。英語はネイティブではないので、発音が一番心配でした。太鼓、タップダンス、デレク・ハフとのダンスの練習を終えると、発音の矯正を受けるというスケジュールを何ヶ月も続けました。ハードでしたが、面白かったです。またいつこんな風に体系的に学べるだろうかと思いました(笑)」

今年でデビュー15年目。自分の道をしっかり歩いてきた彼女は、デビュー後、忘れずに守ってきたこだわりについて「芸能人は私の“職業”だということ」と話した。

「芸能人だからと言って、良い待遇を受けたいとは思いません。ただ、一日頑張って働いて帰ってきて、家族と一緒にご飯を食べて、休んで、ドラマを見て、兄たちと時々チキンやビールを楽しんだりして(笑) そんな人生を生きています。芸能界は起伏がとても激しい世界なんです。職場も同じじゃないですか? 仕事が上手く行くときもあれば、上手く行かないときもあるし、お金が入ってくるときもあれば、出て行くときもある。そのように小さなことにとらわれていると傷ついてしまうということに、若くして気付きました。しっかり耐えていないと危ないと思いました」

映画「Make Your Move」は、BoA初のハリウッド作品であり、公開前から期待を集めている。「ジュマンジ」「プリティ・ブライド」などを制作してきたロバート・コート・プロダクションがCJエンターテインメント、SMエンターテインメントとタッグを組んで制作したグローバルプロジェクトだ。アメリカのサバイバル番組「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」出身のデレク・ハフがBoAと熱演を繰り広げた。4月17日に韓国で公開される。

以下はBoAの一問一答である。

―撮影は2011年7月に終わった。3年経ってようやく公開されることになったが。

BoA:デレク・ハフは「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」を1シーズン終えて公開、私はSBS「K-POPスター」の2シーズン終えて公開されることになった(笑)

―劇中、アヤは在日韓国人の役だ。韓国のファンは少しさびしく思うだろう。

BoA:だから、監督に「日本人の設定には難しいと思う。設定を変えられないか」と話した。シナリオ自体が日本のパフォーマンスグループCOBUをモチーフにしたものだった。だから、日本の太鼓を演奏するという設定を変更してしまうと、映画全体のストーリーが変わってしまうため、最終的に在日韓国人という設定になった。

―デレク・ハフとのカップルダンスが本当に妖艶だった。

BoA:私もそこまで妖艶に仕上がるとは思わなかった(笑) 実際、ベッドシーンではないじゃないか? ベッドに行くための過程を描いたシーンだ! ハハ。デレク・ハフが思ったより靴を早く脱がせてきたのでびっくりした。妖艶な完成シーンとは異なり、現場の雰囲気はあまり良くなかった。振り付けが高難度で、一人でもミスすると事故につながりかねなかった。実際、デレクは私を一度落とした。その後、お互い敏感になり、ピリピリせざるを得なかった。

―一つの分野で頂点を極めたアーティストが、新たな分野に挑戦するのはなかなか難しいことだが。

BoA:まったく違う分野だと思わなかったのだけど、もし「Make Your Move」が正劇(シリアスで深みのある内容を扱った作品)だったら、挑戦できなかったかも知れない。事務所で映画の話をされたので、“なんだろう”と思ったけど、ダンス映画だというので、できると思った。演技をしてみたら、違う人生を生きてみることが出来るという点が魅力的だった。

―“女優BoA”と言われることに違和感はないか?

BoA:違和感がある。考えてみれば、自分のことを紹介する時に“歌手BoA”と言ったこともない。自分の職業を名前の前に付けるのがどうしても慣れない。普通、歌手が俳優として活動するときは本名を使ったりもするけれど、私はあえて境界線を引きたいとは思わない。

―ウィル・ユン・リーの韓国語に笑う観客もいる。

BoA:ウィル・ユン・リーさんは韓国語がまったく出来ない方だ。私にここでフランス語の演技をさせるのと同じだ。現場では本当に頑張っていらっしゃった。実は“頭のおかしいヤツ”という韓国語の悪口の演技は、私が教えてあげた(笑)

―東方神起 ユンホも特別出演も印象的だった。

BoA:恐らく、ユンホさんの立場としては短期出張だったと思う(笑) 短い間、本当に頑張ってくれた。外国で会うとすごく嬉しかった。

―芸能人としての人生の第2幕が始まったと見てもいいだろうか。

BoA:よく分からない。来年は30歳(数え年)じゃないか。今年が20代最後の年だから、良く過ごしたいと思う。80年代生まれ、がんばらなくちゃと思う(笑) これから20~30年はもっと“芸能人BoA”として生きたい。

―では、10年後の計画は?

BoA:結婚していると思う。ハハ。今の状態から見ると10年後の結婚も難しそうに見えるけど。

―歌手としての計画はどうか?

BoA:今年は日本で3年ぶりにアルバムを発売する。日本での活動と映画「ビックマッチ」(監督:チェ・ホ)の活動まで終えたら、今年が終わっているのでは? 歌手としての韓国での活動は来年ごろと考えている。

記者 : キム・スジョン、写真 : キム・ジェチャン、CJエンターテインメント