パク・シファン「『SUPER STAR K』は良い肩書き…酷評にも感謝しています」

OSEN |

ボルト青年、“四転び五起きの整備士”パク・シファンがついに歌手になる夢を叶えた。昨年11月に行われたケーブルチャンネルMnetのオーディション番組「SUPER STAR K5」の決勝ステージから約5ヶ月ぶりの14日、ついに彼の名前が刻まれた1stアルバム「Spring Awakening」が発売された。長い間夢見てきただけに、アルバムには彼の情熱と切実な気持ちがぎゅっと詰まっている。

最近OSENとインタビューを行なったパク・シファンは、さらにシャープになっていた。彼特有のか弱いイメージはそのままだったが、表情は一段と明るくなっていた。ダイエットでイメージチェンジにも成功した。5ヶ月前「SUPER STAR K5」の決勝戦のステージで見た彼であることは確かだったが、あの時とはまた違う雰囲気を漂わせていた。しかし、静かに一つ一つ自分の考えを話す真面目な姿は以前のままであった。

決勝戦から約5ヶ月間。パク・シファンはドラマのOST(劇中歌)を歌い、コンサートにも参加したが、ほとんどの時間を練習に費やした。自ら「修行中の僧侶のように真面目に生活した」と言うほど、歌の練習とトレーニングに没頭し、アルバム制作に全てをかけた。また、この時期に作曲家のパク・グンテと出会い“パク・シファン独自の色”探しにも乗り出した。

「パク・グンテ先生はメンター(良き指導者)のような方です。今回、一緒に作業をしながらたくさんのことを教えてくださり、本当に素敵な曲を作ってくださいました。ボーカルや歌い方の面でも僕を成長させてくださった恩人のような方です」

パク・シファンのデビューアルバム「Spring Awakening」は、春を切望してきた歌手としての人生を目前に控え、新たに目覚める瞬間のときめきと生まれ変わりを意味している。パク・グンテをはじめ作詞家のキム・イナ、作曲家のシム・ヒョンボなどが参加した。“春の日の別れの感性”を表現した新曲3曲と「SUPER STAR K5」の決勝戦で披露した「私の人」、ケーブルチャンネルtvNのドラマ「エマージェンシー・カップル」のOST「あの時私たちの愛は」などが収録された。

「別れの歌が3曲ありますが、片思いをしていた経験を思い出しながら歌いました。告白してふられたこともあります。どうやら僕には別れの歌の憂鬱さがよく合うようです。このような感情を引き出すためにパク・グンテ先生とたくさん会話を交わしました」

タイトル曲「ただ君を」は、ブリットポップをベースにしたミディアムテンポのポップロックで、別れた女性を懐かしむ男性の気持ちがパク・シファンの繊細な音色と感情で表現されている。パク・シファンが得意とする迫力のある高音と、アナログの感性が感じられるナレーションも入っている。

特に、この曲は故キム・グァンソクさんの「愛していたけど」のサビを初めてサンプリングした曲だ。「愛していたけど」の原作者であるハン・ドンジュンがパク・シファンに直接会い、初めてサンプリングを承諾したという。「本当に光栄です。まず、ハン・ドンジュン先生が僕を信じてくださったことに感謝します。可能性を信じてくださったようです」

今回のアルバムに一生懸命取り組んできただけあって、期待と自信も大きい。彼には実力のある先輩歌手たちとの競争にもひるまない覚悟があった。「良い成績を収めることができると思います。ある程度自信があります(笑) 皆さん手強いですが、その方々とは違う感情の歌です。また、僕が『SUPER STAR K5』を通して夢を見つけて叶えたように、そのような姿に共感してくださる人たちに気に入ってもらえると思います」

音楽と共にパク・シファンを語る時、切っても切れない関係にあるのが「SUPER STAR K」だ。パク・シファンは「SUPER STAR K」シーズン1から5まで全て挑戦し、5度目の挑戦で準優勝を果たした。放送当時、人々はそんなパク・シファンのことを“四転び五起きの整備士”と表現し、シーズン5の第3次予選を審査したチョン・ジェヒョンは「パク・シファンさんの音楽に対する情熱に、反省させられた」という言葉を残した。

「友人と一緒に歌っているうちに音楽がどんどん好きになりました。僕は元々、今よりももっと内気で気が小さかったのですが、歌で感情が表出されているようでした。ずっと歌を歌って生きて行きたいと思いましたが、経済的な問題に直面し、夢を諦めて生計を立てるしかありませんでした」

「『SUPER STAR K』は最初は知人の紹介で出演しました。シーズン4まで連続で落ち、シーズン5で準優勝できましたが、恐らくその時が一番切実な気持ちだったからではないでしょうか」

結局、パク・シファンは休まず挑戦し続けたため、夢を叶えることが出来た。そんなパク・シファンを見てたくさんの人がファンになった。今のパク・シファンを形成してくれた存在だ。「『SUPER STAR K5』は僕にとって良い肩書きになると思います。放送当時も良い評価だけを受けたわけではありません。酷評もミスもたくさんありました。それらをきっかけにさらに成長した姿をお見せしたいです。過去の僕と今の僕を比べながら“歌が上手くなったな。大きく成長したな”と思われたいです」

パク・シファンの言葉通り、彼は「SUPER STAR K5」のステージでとりわけ頻繁にミスをしていた。迫力のある高音で審査委員たちを驚かせながらも、ミスでステージを台無しにしてしまうケースもあった。しかし、その時も今も、パク・シファンはそれを淡々と、むしろさらに成長するための原動力として受け入れた。

「実は酷評にも感謝していました。何が良くて何が悪いのかを評価して頂けるだけでも僕は嬉しかったのです。シーズン5に来るまでは何の評価もありませんでした。何が足りずに脱落し、どこが良かったのか、全く分からず漠然とした状態でした。好評であれ酷評であれ、フィードバックを頂けるだけで有り難かったです」

しかし、決勝戦まで上がり惜しくも脱落したステージ。悔いはなかったのだろうか。パク・シファンはきっぱりと首を横に振った。「悔いはありませんでした。むしろ気が楽になりました。決勝のステージで僕が上手く歌えたとは思わなかったので、もし僕が優勝していたらかなりプレッシャーになっただろうと思います。その後、決勝のステージの放送を見ながら気持ちを切り替えることが出来ました」

長い間待った末、ついに“歌いながら幸せになれる”夢を叶えることになったパク・シファン。彼が諦めず5回にわたる挑戦の末切望していた夢を叶えたように、そして夢に全ての情熱を注ぎ込んだように、今後彼が心を動かすことができる歌を歌う素晴らしい歌手に成長する姿もまた楽しみだ。

「新人歌手としてデビューしたので是非新人賞を取ってみたいと思います。それが今年の目標です。歌手としての夢は、感性的に共感できる音楽をすることです。歌い続け、歌手パク・シファンを知っている人が増えれば幸いです(笑) 個人的な願いは、僕は高卒なのでまた勉強に挑戦したいと思っています。代償行動で大学の学園祭のステージにも立ってみたいです。ハハハ」

記者 : ソン・ミギョン、写真 : ミン・ギョンフン