「九家の書」イ・スンギ“好きな女性との愛を反対されたら…?20代後半になって調和が大事と感じた”

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“国民の弟”イ・スンギと、“国民の初恋”スジ(miss A) が豪華初共演を果たした「九家(クガ)の書 ~千年に一度の恋~」(以下「九家の書」) のBlu-ray&DVDが3月4日(火) リリースされた。
本作は、人間と神獣の間に生まれ、何も知らずに人として育った主人公ガンチ(イ・スンギ) が真実の愛に目覚め、“人”になるためにさまざまな苦難を乗り越え成長していく姿を描き、魅力的な登場人物と波乱に満ちたストーリー展開で、回を増すごとにファンが急増し、同時間帯視聴率No.1を独走した。今回、本作で主演を演じたイ・スンギと行ったインタビューをお届けする。

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―ドラマ「九家の書」の魅力を教えてください。

イ・スンギ:ドラマ「九家の書」は、神獣の血を引くチェ・ガンチを通じて“人間らしく生きるとはどういうことなのか”をテーマに物語が展開されます。全てのエピソードの中心にはガンチがいるのです。その中には友情や家族愛、恋愛やアクションもあり、様々なジャンルが組み込まれています。視聴者の皆様にもきっと楽しんでいただけると思います。

―出演したきっかけ、理由は?

イ・スンギ:珍しいケースなのですが、本作を執筆した脚本家カン・ウンギョン先生との縁がきっかけです。カン先生は韓国屈指の脚本家だと言えるでしょう。そんな方が僕に目をかけてくださり、僕も一緒に仕事したくて機会を待っていたんです。そうしたら今回……まだ「九家の書」という作品だとも決まってない状態でしたが、お声をかけていただき、出演を決めました。
ジャンルは時代劇で、神獣の血を引くガンチ役をもらったんです。そればかりか韓国最高のドラマ・ヒットメーカーであるシン・ウチョル監督が演出を手掛けることも出演の決め手になりました。シナリオを見て、というわけではなく……脚本家を信頼し、監督に期待し、出演することになりました。

―チェ・ガンチのキャラクターについての紹介と、魅力的な点を教えてください。

イ・スンギ:壮大ささえ感じるチェ・ガンチは、半分は人間であり、半分は神獣という設定です。人間と神獣の血が流れる特殊な存在なのに漫画にはよく登場していますが、今まで一度もドラマ化はされていないと聞いています。彼は、人間として生きていくか獣として生きていくのか、真の人間らしさとは何かを見つけ出すんです。そのようなテーマを通じて“成長していく過程”を描いています。

ガンチはとても男らしく、体から血を流したりするときは猛々しい獣のような野性的な面も備え持っている、その上バカ正直で義理堅い、だけど古くさくなく飽きの来ない存在です。ユーモアもあるし、パワフルで、生命力に溢れた、男性としてとても魅力的なキャラクターだと思います。加えて恋愛やアクション、家族愛など、いろいろな要素を持ち合わせた「総合ギフトセット」のようなキャラクターで、それが彼の魅力だと思います。

―初の時代劇への挑戦はいかがですか。

イ・スンギ:最初は、時代劇も現代劇も1人の人物を演じるという点ではそれほど違いはないと思っていました。しかし実際には、現代劇とは全く異なるものでした。時代劇のほうが感情表現がドラマチックなんです。たとえば、この時代には剣を持ち歩くのが当たり前でしたよね。日本や韓国、中国でも。武士は剣を身につけて人を斬るということは特別なことではなかったように思えます。しかし現在では、剣で人を斬るなんて考えられませんよね。だから、感情の幅が今よりも広かったのではないかと考えました。だから最初は現代劇と同じように自然体で演じていたのですが、そうすると時代劇らしく見えないんです。場面設定と脚本家の意図に沿うよう忠実に演じてみたところ、より深く感情移入することができました。そういう点が現代劇とは異なるのではないかと感じました。

―「僕の彼女は九尾狐<クミホ>」「キング~Two Hearts」や本作などで一風変わった、魅力的なキャラクターを演じてきました。チェ・ガンチを演じるにあたり、参考にしたドラマや映画はありますか。

イ・スンギ:ドラマを参考にしたかったのですが、(参考にできる作品が) ありませんでした。ただ、この作品は漫画的な設定が多く、僕も漫画が好きなので、コミック的なキャラクターを参考にしました。

―では、演じる際に気を付けた点はありますか?

イ・スンギ:撮影前に役作りする部分もありますが、現場で感覚を掴むタイプなんですね。ガンチはきちんと教育を受けたわけでも、両班(ヤンバン:朝鮮時代の貴族)の家の育ちでもない、野生児みたいな人物なんです。それをどう表現するべきか、その役作りに一番気を遣いました。僕は一般的な教育をきちんと受け、社会的な常識がすでに身についています(笑) だからちょっと無知な感じとストレートな物言いを、神獣になったときには視聴者の共感を得られるような野性的な面を表現できるかを考え、苦労しました。

―撮影現場はとても忙しいですが、現場の雰囲気と、待ち時間に共演者とどんな話をしていたのか教えてください。

イ・スンギ:若い共演者が多いので、皆で集まるとふざけあいながら楽しく過ごしています。もっともっと親しくなれるのにと思うのですが、現場はとても忙しくて大変なので、今のところは個人的に連絡するような時間はありません。撮影期間中は、他のドラマとは違って、ヨウル(スジ) やコン(ソンジュン) が毎日ずっと一緒にくっついています。だから、まるで現場で演じながら遊んでいるような感じです。若手俳優が多いので、撮影現場は活気に満ち溢れ、新鮮な雰囲気がとてもよかったですね。僕が一番年上なので、兄貴としてどう振舞ったらいいのかな、と悩んだりもして(笑) 僕にとっては、自分が少し大人になったと思わせてくれる、そんな現場となりました。


「スジとの共演、気さくな仲なのでスキンシップも自然に…」

―これまでは役者の方との共演が多かったのですが、今回はスジさんと共演しています。ふたりとも歌手兼俳優なので、気が合った部分も多いと思います。スジさんとの共演はいかがですか?

イ・スンギ:スジさんとの共演は、とても気楽でリラックスできます。後輩でもあり、僕よりもずっと年下なので話しやすいんです。演技をしながら相手役との間にある壁が壊れていく中で生まれた、化学反応のようなものがあったのではないかと思っています。つまり、大変そうにしているから気遣うというのではなく、親しくて気さくな仲なので、スキンシップをしたり見つめあったりしても自然に振る舞うことができる。ガンチとヨウルの関係が恋愛へと発展していく理由もそんなところにあったのではないかと思います。

―コンとはヨウルを巡って対立関係となりますが、衝突する一方でコミカルなシーンもありますよね。3人での撮影シーンが多かったので、特に親しくなったのではないですか?

イ・スンギ:そうですね……コンのことは可愛がっているし、好きですよ。誤解を招く発言かな(笑) コンは顔から魅力を醸し出しているんです。それはシックな魅力とも言えますが、外見とは違い、ピュアで可愛いんですよ。3歳年下のコン、7歳年下のヨウルといると、一緒に冗談を言ったりして、僕も若返ったような気がします。3人での演技は飽きることもなく、楽しいですね。

―大変ではないですか?

イ・スンギ:まったく疲れません。同じ世代だからでしょうか。似たような悩みも抱えていました。モニターチェックで僕が「こうしたほうがいいと思うよ」とアドバイスしたらコンも耳を傾け、受け入れるべきことは素直に受け止めてくれます。お互いを刺激しながら演技していましたね。

―乗馬やアクションシーンなど、撮影で難しいと感じたことはありますか?

イ・スンギ:乗馬は練習したのですが、馬に乗っているシーンは一度も出てきません。馬に乗る人は誰もいなかったと思います。アクションはすごく多かったですね。でも、僕はアクションよりも実はひざまずく姿勢を取るのが大変でした。ガンチは身分が低いので、毎回ひざまずくシーンがあるんです。ドラマチックな設定のために、ガンチはいつも敵に誤解をされてしまうという役回りで、ひざまずくシーンがすごく多いんです。今振り返ってみると、個人的にはアクションよりもひざまずくシーンが大変でした。

―ガンチの初恋の人であるチョンジョ(イ・ユビ)、そしてヨウル。実際はどちらが好みのタイプですか。

イ・スンギ:個人的には、もちろんヨウルのような人は心が安定していて好きですね。僕のことだけを見つめ、頼ったり助けてもらったりできるから。理想のタイプです。

―劇中では、好きな女性との愛を反対する人たちが出てきます。イ・スンギさんも周囲の反対にあったらどうしますか?

イ・スンギ:実際に、ですか?リアルライフで?……うーん、昔は反対を押し切るべきだと思っていました。反対する人たちを理解して歩み寄ったら、僕の負けだと思っていたんです。男らしくない、と。でも、20代後半になってみたら、調和が大切だと感じるようになりました。今まで僕と時を共にしてきた人たちのコミュニティが存在しますよね。家族もいますし。そういった人たちと調和できる女性が理想だと思います。以前は反対する人がいても、僕が愛していればいいじゃないかと思っていたのですが、今は……少し、一緒にやっていきたい仲間が増えたんです。ガンチのように一緒にやっていきたい仲間、守っていきたい人たちがだんだん増えてきたので、その人たちの恩義に背くのは僕自身が嫌なんです。

―今このドラマが大人気になっていますが……。

イ・スンギ:わからないんですよ。田舎……田舎というわけではありませんが、山の中にいるので、時々ソウルの食べものが懐かしくなったり、食べるものもないような状態なので(笑) 「九家の書」が大人気だとは聞いていますが、ソウルにいたらもっと実感すると思います。10話を撮り終えたころからは、家に帰るのは1週間に1~2回だけなんです。

―意外に、ここにいると人気が実感できないんですね。

イ・スンギ:ここでは、誰も実感できないと思います。記事を読んだり、視聴率のデータを見たりするぐらいです。みんなで一所懸命撮影しています。

―特に気に入っているシーンやセリフはありますか。

イ・スンギ:セリフは、脚本家が書いた「お前」を使った言葉が好きです。「お前、知っているか?」とか。最初に見たときは、「キザだけど上手くできたら面白いだろう」と思いました。初めて僕がヨウルに「お前」と言ったとき、すごくいいなと思ったんです。多くの方々もその言葉の響きに胸をときめかせ、気に入ってくださったようなのでとてもうれしいですね。ドラマの中には良いシーンがたくさんあります。「九家の書」には、特に激しい感情シーンがたくさんありました。ひとつひとつの場面に真心を込めて演じたので、すべてのシーンが良かったのですが、個人的にはイ・スンシンと一対一で対峙したシーンで、僕の中にあった心の壁が崩れていくのを感じました。本当に、心の底に貯めていた感情が沸きあがって出るシーンがいくつかあったんです。それは演技しているとき、1度だけ起こることなんです。それを引き出してくれたイ・スンシン役であるユ・ドングンさんとの対峙シーンは、僕の俳優人生において「やって良かった、演じることはすごく楽しいな」と思えた瞬間でした。だから次は大先輩がたくさん出演する作品に出てみたいと強く感じました。

―イ・スンギさんにとって「九家の書」はどんな作品になりましたか。

イ・スンギ:とても感謝しています。僕は2004年に若くしてデビューし、最初から大した苦労をすることもなく注目を浴びてきたほうだと思います。熾烈な競争を経ずに、いつもスポットライトを浴びていたんです。当時はそれがいかに貴重なことか気づかず、感謝の気持ちもあまりありませんでした。「九家の書」はすべてがチェ・ガンチを中心に進む物語です。このように多くのスタッフと良い役者に囲まれて仕事ができる機会に、今改めてありがたいと思うようになりました。だから、もっと責任感を持つようになり、後輩がたくさんいる中で恥ずかしい演技をしてはいけないという思いが強くなりました。「九家の書」は僕にとってすごく有難い作品です。

―日本で「九家の書」を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

イ・スンギ:このドラマは韓国の歴史をベースにしたドラマですが、ファンタジー仕立てなので、日本の視聴者の皆さんも韓国の歴史をご存知なくても十分楽しめる作品だと思います。歴史中心ではなく、人物関係やファンタジー、ラブストーリーが中心のため、みなさんにとって、あたたかく意義深いドラマになればいいなと願っています。ぜひ皆さん、ご覧になってくださいね。

「九家(クガ)の書 ~千年に一度の恋~」
Blu-ray SET1 / DVDSET1 好評発売中 ※Vol.1~5 好評レンタル中
Blu-ray SET2 / DVDSET2 好評発売中 ※Vol.6~10 好評レンタル中
Blu-ray SET3 / DVDSET3 2014年5月2日発売 ※Vol.11~16 同時レンタル開始
Blu-ray SET 各¥16,000+税 / DVD SET 各¥14,000+税
発売元・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(C)MBC 2013
公式サイト:http://kandera.jp/sp/kuga/
「九家の書」LINE@にて情報配信中 ID:@kuganosho

記者 : Kstyle編集部