Vol.2 ― 放送終了「王家の家族たち」チェ・デチョル&ハン・ジュワン&カン・イェビン、新人俳優たちの成長期

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=TVレポート DB、KBS
KBS 2TV週末ドラマ「王(ワン)家の家族たち」(脚本:ムン・ヨンナム、演出:チン・ヒョンウク)が韓国で16日、幸せな結末で幕を下ろした。荒波に揉まれながら30年という長い歳月を過ごした王(ワン)家の家族たちは黒かった髪が白くなり、顔には歳月の痕跡がはっきりと表れていたが、幸せな温かさが感じられた。

「王(ワン)家の家族たち」は家族愛を強調したドラマだが、ドラマが展開されるにつれて不倫、詐欺、拉致、出生の秘密など、議論となる素材が次々登場して、マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマのこと)ドラマという汚名を着せられた。しかし、48.3%(全国基準、ニールセン・コリア提供)という自己最高視聴率を記録して、国民的ドラマへと生まれ変わった。ドラマを執筆したムン・ヨンナム脚本家は昨年の「2013 KBS演技大賞」で作家賞を受賞し、再び地位を固めた。

彼女の大ヒットドラマに出演した新人俳優たちは、俳優としての2幕が開かれたと言えるだろう。これまで人々に知られていなかったが、放送を通じて認知度を徐々に高め、新しい作品に出演できるチャンスが開かれたためだ。特に目を引いたのは俳優チェ・デチョル、ハン・ジュワン、カン・イェビンだ。彼ら新人を信頼して任せた脚本家とプロデューサーの眼力が通じたわけだ。3人の成長記をまとめてみた。


一筋の希望を見出したチェ・デチョル

チョ・デチョルはドラマでワン・ボン(チャン・ヨン)の弟で、高い年齢にも関わらずこれと言った職業に就かず、母親と兄に頼って暮らす引きこもりのキャラクターワン・ドンを演じた。典型的な“カンガルー族”(いい年になっても仕事をせずに親に面倒をみてもらっている人、カンガルーが子どもを運んでいることに由来した新造語)である。就職するつもりはおろか、結婚する能力さえも持っておらず、いつもゲームだけに情熱を捧げている。そんな中、友達のホ・セダル(オ・マンソク)の妹で、姻戚のホ・ヨンダル(カン・イェビン)のことを愛するようになったことで変わり、ホ・ヨンダルの妊娠をきっかけに二人はゴールインした。その後、二人はどこか足りなくも甘い新婚夫婦の姿を見せ、ドラマの面白さを倍増させた。

元々舞踊家を夢見ていたチェ・デチョルはガラスの破片で腕のじん帯を切るという事故に遭い、俳優の道を歩むようになるも、当然平坦な道のりではなかった。結婚後は生活苦に苦しめられ、妻の実家からは演技を止めることを求められた。最後だと思って出演した「王(ワン)家の家族たち」がヒットし、光が差すようになった。ハンサムではないが、どこか親しみが感じられる俳優チェ・デチョル。彼が見せてくれる人間味が感じられる演技に期待が集まる。


セクシーアイコンから女優のタイトルを得たカン・イェビン

ポータルサイトでカン・イェビンという名前を検索すると、グラビア、オクタゴンガール(ラウンドガール)、ビキニなど、外見に関する検索ワードが真っ先に現れる。実際、昨年まではカン・イェビンが女優なのか、タレントなのか正体不明だった。しかし、「王(ワン)家の家族たち」に出演し、女優という修飾語に違和感はなくなった。彼女はブランド店で働きながら、給料をすべて外見を飾ることに使ってしまったホ・ヨンダルを演じた。前半は自身のキャラクターを生かし、綺麗でセクシーな面を強調したが、ワン・ドンと結ばれるようになってからは大人になり、娘として、嫁として成長する姿を見せた。

回を重ねるごとに演技に磨きがかかり、世間知らずのキャラクターをキュートに上手くこなしたと評価された。「王(ワン)家の家族たち」が地上波ドラマ初出演ではあるが、ケーブルドラマ「ブッとび!ヨンエさん」「イーグルイーグル」などに出演したりもした。しかし、「完売企画」「カン・イェビンのヒトリガ」など多数のバラエティ番組に出演して、タレントのイメージが強かった。カン・イェビンは「ムン・ヨンナム脚本家の週末ドラマに出演することになり、眠れないくらいドキドキした毎日を過ごしている」と感想を伝えた。希望通り、セクシーアイコンから女優としての可能性を知らせたカン・イェビン。これからの動きに関心が集まる。


唐突かつ情熱的なハン・ジュワン

「王(ワン)家の家族たち」といえば欠かせない俳優がいる。このドラマで「2013 KBS演技大賞」の新人演技賞を受賞したハン・ジュワンである。昨年、「王(ワン)家の家族たち」のオーディションを偶然受け、ムン・ヨンナム脚本家に「綺麗だ」と話す突飛な性格とセンスを発揮し、重みのある配役を演じることになった。その後、KBS 2TV「ドラマスペシャル-ヨヌの夏」にも出演した。2013年は彼にとって意味深い1年だっただろう。

ハン・ジュワンは劇中、高校を中退して生活の最前線に飛び込んだ重機メーカーの社長チェ・サンナムを演じ、イ・ユンジと甘いカップル演技を披露した。甘いマスクに迫力のある男らしさは女心を揺さぶるのに十分だった。新人であるにも関わらず、安定した発声と共演者との呼吸で優れた演技力を見せつけた。先月はKBS 2TVのバラエティ番組「ハッピートゥゲザー3」に出演して、自身の率直な経験を明かして視線を引き付けたりもした。俳優人生において適切な時期を逃せば二度と手に入れることができなくなる新人賞を僅か1年で受賞したハン・ジュワン。演技のためなら何でも出来るという情熱に溢れる彼が見せてくれるこれからの姿が楽しみだ。

記者 : キム・ボラ