Vol.2 ― 「官能の法則」オム・ジョンファ“結婚?できないんじゃなくて、しないんです!”

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映画界に久しぶりに春風が吹いた。しかもただの春風ではなく、格別な香りが溢れる風だ。これまで映画界を牛耳ってきた“オス”たちは緊張しなければならないだろう。凄まじいお姉さまたちが1人でも、2人でもなく3人で力を合わせたのだ。その中でも、相手の心を揺さぶり魅了する官能的な2番目のお姉さんオム・ジョンファ(45)に気をつけよう。人生経験が豊富で、一度ハマったら抜け出せない沼のようだ。

女性をテーマにした映画が力を発揮することが出来ず、“女優の飢饉現象”も続いていた。大衆が同じ物語とキャラクターに嫌気を感じていた頃、そんな雰囲気を一気に変える映画「官能の法則」(監督:クォン・チリン、制作:ミョンフィルム)が登場した。独特な点は若い女性たちの恋物語ではないということだ。いわゆる最も恐ろしい更年期の女性たちの率直で、無作法な恋愛の物語だ。

愛より身体の内部について気にしそうな年齢で恋愛なんてありえないと思うかもしれないが、彼女たちは誰かの母、誰かの妻である前に変わらず愛らしく、美しい一輪の花のような女性だ。愛されたいと思っており、愛されて当然である。

オム・ジョンファが演じるシネはケーブルチャンネル芸能局のプロデューサーで、能力のあるキャリアウーマンだが、最近恋に失敗したゴールドミス(高い学歴と社会的地位、経済的余裕まで持っている30~40代の未婚女性)だ。息子を留学させ、第2の新婚生活を楽しもうとするミヨン(ムン・ソリ)、結婚適齢期の娘を嫁がせ、恋人と余生を送ろうとするヘヨン(チョ・ミンス)。シネは彼女たちとは立場が異なるが、恋に弱いのは一緒だ。

外部制作会社の助演出であるヒョンスン(イ・ジェユン)と一夜を過ごした後、クールなふりをして「ワンナイトよ」と言うが、花束を持ってきたヒョンスンを前に結局崩れてしまうシネ。もちろん、あくまで映画の中のワンシーンだ。実現不可能な状況が羨ましい限りである。

「映画の中にだけ存在する話ではありません。職場で彼に会うことがよくあるという点がシネにとっては気になるところですが、現実でもこのようなことがしばしばあります。シネのように、最初は断るしかないと思います。人の視線も重要ですから。しかし、そんな視線はすべてコンプレックスじゃないですか?男性が純粋な気持ちでアプローチしているのに、とろけない女性なんていないでしょう」

「実際の経験が活かされた演技なのか?」という記者の質問にオム・ジョンファは、「そうかもしれないし、そうでないかもしれないでしょう?」と意味深な言葉を投げ、笑顔を見せた。そして、いきなり目を大きくして疑問を提議した。年下の男性への態度が問題だというのだ。

「私も好感を持っていて相手も好感を持っているのに、どうして?Why not(なぜダメなの)?中年の恋も年下の男性との恋もダメなわけではないじゃないですか。ただ人が人を愛するのに……この時代の偏見が私たちをますます閉じ込めているのです」

オム・ジョンファは人を愛するのに理由はないと説明した。特に女性たちにはそれぞれ“官能の法則”というものが存在しており、これをいつまで守れるかによって愛の期間も異なってくるということだ。諦めることなどありえないということである。

「映画の中でミヨンが言う台詞に『愛されなければ、女性としての人生は終わりだ』とあります。愛されるために自分を磨き続け、努力します。自分を手放したら、飛んでいくのは一瞬だと思います。何歳でも“官能の法則”を手放さず守っていかないと。実際に、誰も諦めることを強要しませんよね。知らないうちに自分自身が洗脳されているのかもしれません。自分の人生は自分で切り開いていかないと。堂々としたシネのように」

彼女にも昔、“官能の法則”を諦めようとした瞬間があった。若いアイドルの後輩たちと同じステージで歌っていると、その瞬間、年齢を意識せざるを得なかったそうだ。しかし、いつまでも流れていく歳月のせいにするわけにはいかない。新しい気持ちで、オム・ジョンファならではの“官能の法則”を守っていくことにした。

「ステージはとても怖い場所でもあります。だから私はマインドコントロールをします。若いときに、年は取っているものの素敵な俳優の先輩たちを見ながらロールモデルにしました。そんな俳優の方々のように私も成熟して、トレンディーなエンターテイナーになりたいです。そのために諦めてはいけません。変化を受け入れながら、私だけの魅力をアピールしていきます。昔もそうでしたし、現在も、未来もそうだと思います」

諦めないというオム・ジョンファも今は結婚を考えるときだ。変わらず愛を待ち、期待しているが結婚に関しては「さあ」と答えた。まったくワーカーホリックではないという彼女は「いつか素敵な恋ができます」と笑ってみせた。

「結婚は出来ないんじゃなくてしないんです。ハハハ。結婚はこの人がいないと生きていけないという時にするものじゃないですか。でも、まだそんな人に出会えていないだけです。私は決して1人では暮らしません。きっと素敵なパートナーが現れると思います。今は結婚よりも今やっている仕事が楽しいですが、いつかは仕事のことも考えられないほど恋に落ちると確信しています。私は愛を待っていますから(笑)」

記者 : チョ・ジヨン、写真 : ムン・スジ