「太陽を抱く月」SUPER JUNIOR キュヒョン“ミュージカルデビューから4年…不可能はないと思う”

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写真=ShowPLAY

アイドルグループSUPER JUNIORのキュヒョンがミュージカルにデビューしてから4年が過ぎた。しかし、まだ創作ミュージカルに挑戦したことはなかった。「三銃士」「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のようなライセンス作品にのみ出演して来た彼にとって、今回の「太陽を抱く月」は初の創作ミュージカルだ。

キュヒョンはこの作品を通じて、今まで演じてきた明るく愉快なイメージから抜け出し、悲壮で真面目な、そして時には恋の前で悪い男にもなるフォンを演じるために挑戦しなければならない。このような彼の演技に、SUPER JUNIORのファンはどんな反応を見せているだろうか。「太陽を抱く月」でフォンを演じるキュヒョンに7日、芸術の殿堂でインタビューを行った。

「感情を込めて歌った歌、ミュージカルに役立った」

―ミュージカル用語に“テン・トゥ・テン(ten to ten)”という言葉がある。午前10時から午後10時まで練習するという意味だ。ミュージカルデビュー作「三銃士」に出演する時は“テン・トゥ・テン”が多かったのか?

キュヒョン:4年間「三銃士」に出演した。ミュージカルの初舞台だったので精を尽くした。他のメンバーたちが個人活動をする時、ミュージカルに入り込むことが出来た。2010年初めてミュージカルに出演した時、練習室が家の近所だった。(人々に気づかれそうで)帽子を被り、メガネをかけ、地下鉄で通いながら一生懸命に練習した。

―ライセンス作品にのみ出演しており、創作ミュージカルは初挑戦だ。舞台に立ったとき、ライセンスと創作ミュージカルで最も大きな違いは?

キュヒョン:創作ミュージカルがライセンスとこれだけ大きな違いがあるとは思わなかった。創作ミュージカルに出演したことのあるミュージカルの先輩の方々が、創作の重要性と難しさについて語っている時「何が難しいんだろう」と思うだけで、しっくりこなかった。だが「太陽を抱く月」で演じながら、創作ミュージカルがどれだけ難しいかが分かった。ライセンスは俳優に定められた型がある。少し修正するだけで十分だ。しかし、創作ミュージカルは俳優がいかに解釈するかによって、キャラクターとストーリーが大きく変わる。幸いなことに、初演の時に舞台に立った先輩がいて助けてくださった。

―台詞無しで歌だけで行われるソングスルー(song-through)ミュージカルに匹敵するほど「太陽を抱く月」には歌が多い。歌手出身のミュージカル俳優の強みが発揮されそうだが。

キュヒョン:演劇はしなさいと言われても出来ない気もするが、ミュージカルで良かった。初めて「三銃士」をする時は、とても見ることができないレベルの演技だったと思う。普段歌を歌う時、感情を乗せる練習をたくさんした。これがミュージカルでは大いに役立つ。どのミュージカル俳優が歌うときより自信を持って歌える。感情を表現できる歌が多ければ多いほどとても役立つ。日頃ミュージカルをする時(オム)ギジュン兄さんをロールモデルにして学ぶ。歌だけはギジュン兄さんに負けまいと心がけた。

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「演技の上手なキム・スヒョンとの比較、ストレスを受けたりはしない」

―これまで演じたフランク(「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」)とダルタニャン(「三銃士」)というおなじみのキャラクターから脱け出した。フォンという新しいキャラクターは、ミュージカルでの演技に置いて挑戦になりそうなキャラクターだったのか。

キュヒョン:今までは、天真爛漫な中で重みのある姿を演じた。しかし、フォンは重みのある部分の割合が高い。僕のイメージは明るく天真爛漫だ。僕もまた、そのような自身のイメージに慣れている。苦悩に満ちた役割を演じることは簡単ではなかった。「自分の気分は良いのに、どうすれば沈んだ気分を演技で見せられるだろうか」ととても悩んだ。悲壮な演技をする時は、自分が直面するかもしれないとてつもない試練を思い浮かべながら演じている。

―自身が演じたこれまでのミュージカルのキャラクターの中で最も比較されるキャラクターがフォンだ。よりによってキム・スヒョンがドラマでフォンを演じた。キム・スヒョンのキャラクターに負けまいと力を注いだと思うが。

キュヒョン:キム・スヒョンさんは僕と同い年だ。昔から演技が上手だったと聞いている。ドラマ「太陽を抱く月」は本当に面白かった。「キュヒョンの演技は悪くない。しかし、キム・スヒョンの演技を見てキュヒョンの演技を見たからか、多少物足りないと感じた」というレビューを読んだが、そのせいでストレスを感じるようなことはなかった。キム・スヒョンさんの演技を見て感心して「なぜあんな表情を作り、このような感情を演じるんだろう」と考えながら勉強する。だからと言ってキム・スヒョンさんの演技を真似ようとはしなかった。

―ミュージカルに何度も出演しながら、それなりにキャラクターを解釈する力がついたと思うが、キャラクターはどのように解釈して行くのか?

キュヒョン:(キム)ダヒョン兄さんと(チョン)ドンソクが解釈するフォンとは若干違う形で解釈した。フォンは子供の頃は父上の最愛の息子として何の悩みもなく天真爛漫に育つ。父上が死去した後フォンは22、3歳だ。若いが周りの臣下から甘く見られないように威厳を持つ必要がある。天真爛漫な心が残っていても、周りの環境は一人も信じられる人がいない寂しいキャラクターだ。フォンは無理に強がる人物だ。

―フォンは愛する女性の前で悪い男のふりをする。

キュヒョン:ヤンミョンが優しい愛を見せるため、フォンは悪い愛を見せるしかない。全ての男が恋に落ちる女性がヨヌだ。フォンはこのようなヨヌを自身だけのものにしたがる。フォンは全てを手に入れたがる男だ。イ・ドンゴン、パク・シニャン主演の「パリの恋人」というドラマがある。ドラマでハン・ギジュ(パク・シニャン)は会社もカン・テヨン(キム・ジョンウン)の心も手に入れたがる。一方、ユン・スヒョク(イ・ドンゴン)はカン・テヨンの心だけで十分な人だ。「太陽を抱く月」は「パリの恋人」と状況設定が似ている。

写真=パク・ジョンファン

「少女時代 ソヒョンとのキスシーン? 僕が飛びかかるように見える」

―少女時代 ソヒョンのミュージカルデビュー、同じ所属事務所の先輩の立場だとよくやったと思うだろう。

キュヒョン:以前、ソヒョンは「三銃士」でデビューしそうになったことがある。アン・ジェウク兄さんとギジュン兄さん、シン・ソンウ兄さんなど「三銃士」と「ジャック・ザ・リッパー」に出演した兄さんたちが「少女時代は国レベルで守るべき」と冗談で言ったことを覚えている。ソヒョンを守りたがるおじさんファンの気持ちでそのような冗談を言ったと思う。ソヒョンは今までミュージカルデビューしたがっていた。少女時代の何人かのメンバーもミュージカルに出演したことがある。ソヒョンとはデュエット曲も一緒に歌い、ミュージックビデオでカップルを演じたこともある。ソヒョンがミュージカルにデビューしたのは、本当に良くやったと思う。

―ソヒョンとのキスシーン、どうだったか?

キュヒョン:僕とだけキスシーンを練習したわけではない。(キム)ダヒョン兄さんと(チョン)ドンソクとも練習した。「これ、本当にするんですか?」とソヒョンがかなり心配した。プレスコールの時「兄さんと私がキスすると大きな話題になりそう」と心配もした。他のミュージカルのように長くキスするシーンではなかった。1秒だけキスし、恥ずかしそうに逃げるシーンだ。あっという間に過ぎるシーンなので大丈夫だろうと思った。しかし、ソヒョンとキスするシーンを、プレスコールの映像を見ずに写真だけで見ると、僕がソヒョンとキスしたくて飛びかかっているシーンのように見える。本当に意図した方向とは違う形で写真が撮られた。

―ソヒョンの舞台での演技で、4年前自身のミュージカルデビューの時と重なることがあるとすれば?

キュヒョン:僕がミュージカルにデビューする時とは比べ物にならないほど、ソヒョンの方が遥かに上手い。当時演出家のワン・ヨンボム先生が僕を強く鍛えてくれた。姿勢、ステップ、口癖など、あらゆることを指摘されながらひとつずつ学んで行った。ワン先生が初めて仕事をしたアイドルが僕だった。僕によってアイドルに対してポジティブな目線を持つことが出来たと表現するほどだった。一方、ソヒョンはドラマの経験もあるので演技が初めてではない。「太陽を抱く月」の演出家の先生は一度も僕を指摘したことがない。そしてソヒョンのことも常に褒める。演技的な欠点が見えない。4年前の僕とは比べ物にならないほど上手だ。

―ソヒョンが演技をする時、アドバイスしたことがあるのか。

キュヒョン:僕は「太陽を抱く月」で非常に緊張し、とても悩んだ。スケジュール上ソヒョンではない他の俳優とたくさん練習した。ダヒョン兄さんとドンソクがソヒョンにたくさんアドバイスしている。僕はミュージカルに初めて足を踏み入れた時のコツについてソヒョンと話した。

写真=パク・ジョンファン

「ミュージカルデビューから4年……不可能はないと思う」

―「太陽を抱く月」でフォンにとって皇太子の座が重かったように、キュヒョンさんにもまた、同じ年頃の20代の若者とは違いアイドルとしての重さがあったと思うが。

キュヒョン:自由に出歩けない部分だけを除けば、アイドルとしての重さに押しつぶされたりはしない。20歳でデビューしたため、中学や高校の時の友だちとはそのまま続いている。ソ・テジ先輩やH.O.T.先輩のように神秘主義の路線はとらなかった。友だちと美味しいものを食べるためにお店で列に並んだりもする。フォンの悩みに比べるほどのものではない。

―アイドルがミュージカルの舞台に立つことは、同時に舞台を掌握する力を評価されることでもある。自身から見て、4年前の「三銃士」の時と、今を比べて舞台を掌握する力を、どう評価するか。

キュヒョン:デビュー初期、「三銃士」に出演したミュージカルの先輩の方々の力なしではまともに出来なかったと思う。逆に「太陽を抱く月」ではアドバイスをもらえるキャラクターがあまりいない。もし「太陽を抱く月」でミュージカルデビューしていたら大失敗をしていたかもしれない。今も上手なわけではないが、4年前に比べたら大分成長した。

―SUPER JUNIORまたはキュヒョンさんの海外ファンが「太陽を抱く月」を見て残したレビューは、主にどんなものだったか。

キュヒョン:たくさんの海外のファンがミュージカルを見に来てくださる。「太陽を抱く月」は現代劇ではなく時代劇だ。時代劇に出る表現は、実は韓国人にとっても理解できない表現がたくさんあるので残念だ。字幕がないのが残念で、海外のファンに申し訳なかった。

海外のファンが僕の演技を見て残したレビューの中には「衣装が良かったと思う」という評価が多かった。僕の可愛い姿とカッコイイ姿が共存していたという評価や、今まで演じたことのない演技がたくさん見られて良かったという評価があった。ドラマを見ていない海外のファンは、ストーリーについて行くことが難しかったという。でも、プロローグを読むだけでもミュージカルのストーリーが理解しやすくなる。数回観た観客は「隠れてたくさん努力されたようで良かった」と評価した。

―SUPER JUNIORの活動をしながら、韓流ミュージカルのアイコンとしても自身が定着するだろうと4年前予想できたか?

キュヒョン:ミュージカルに対する興味が高かった。今はたくさんのアイドルがミュージカルの舞台に立っている。だが、僕がデビューした当時はアイドルが誰もミュージカルの舞台に立っていない時だった。(オク)ジュヒョン姉さんだけがミュージカルに出演していた。「僕がどうやってミュージカルを?」と思う時だった。ミュージカルの舞台に立つことは難しいだろうなと思われる時だった。

このように何回もミュージカルの舞台に立つとは夢にも思わなかった。ミュージカルの舞台に立つと上手く演じたいと思った。他のメンバーたちがミュージカルの舞台に立つのを見ると「僕も頑張れるはずなのに」と切実に思った。いざミュージカルに挑戦してみると、不可能はないと思っている。続けてチャンスがあり「太陽を抱く月」に出演することが出来た。本当に良かったと思う。

記者 : パク・ジョンファン