映画「傷だらけのふたり」ソン・セビン“アドリブで端役から助演級に!”

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長い髪、大きな瞳が印象的だったプロフィール写真を見て思い浮かべたイメージは向かい合ってから5分も経たないうちに壊れてしまった。面白い話には手を叩きながら笑い、ギャグまで披露する。ひとしきり笑って「思っていたのとはかなり違う」と言ったら「そうでしょう?体験してみたら外見と違うことがばれてしまいます」とにっこり笑う彼女は女優ソン・セビンだ。

ソンセビンは2010年、ドラマ「三姉妹」でデビューし、ドラマ「コーヒーハウス」や映画「きみはペット」「City in Blossom」に出演した。しかし、本格的に顔を広めたのはドラマ「二人の女の部屋」と映画「傷だらけのふたり」を通じてである。「二人の女の部屋」でスヒョク(カン・キョンジュン)の世間知らずの妹スヒ役に扮し、初めて長編ドラマの最初から最後までに出演したソン・セビンは「実際そんなに派手なタイプではない。役によって様々な姿を見せることができるという点で演技が本当に好きだ」と笑って見せた。


“工科大学の女子学生”好奇心で演技に入門するまで

幼い頃から歌手を夢見ていたが、“勉強してこそ大学に行ける”という考えだけで学校と塾を行き来する学生時代を送ったソン・セビンが選んだ専攻は“環境工学科”。新入生歓迎会の時にあまり飲めないお酒をサバル(大きな器)に注いで飲み、講義室に座って微積分を解きながら“工科大学の女子学生”として過ごしていた彼女が演技に入門した理由は、単なる好奇心だった。

「よく路上スカウトされました。人が何度も誘われると関心?好奇心?みたいなものが出てきますね。それが始まりでした。習ってみたらもっと面白かったんです。やりたいことも多くなりましたし。専門的に演技を学びたいという考えで映画科に転科しました。それで初めて映画科の授業に入りましたが、本当に不思議でした。いつも座って微積分ばかり解いていることが講義だと思っていましたが、そこでは体を動かす遊びが授業になるんです(笑) その時『これが私の道なのか』と思いました」

それから新しい世界が繰り広げられた。「なぜもっと早くこれを始めなかったのか」と思うほどだった。新しい専攻で会った人たちは平凡に生きてきた自身と考えから違った。その時からソン・セビンは自身も知らなかった才能を見つけた。結果的に遠回りしてしまったのだが、ソン・セビンは「それにはもっと感謝する」と話す。それだけもっと演技の大切さに気付いたためだ。

「本当に(演技が)好きだから欲も出ます。本当に良い演技をお見せしたいのですが、そんはふうに演じていると演技があまりにも演技のように見えてしまいます。何も恐れずに演技していた大学時代がもっと新鮮だったのではないかと思います。社会に出て広い世界を見たら『まだ学ぶべきことが多い』と思い、悩みも大きくなります。それで私は今が思春期です。演技を上手くしたいし、続けたいので……スターになりたいという思いより本当にリアルに演技する女優になりたいです」

そんなことから最近韓国で公開された映画「傷だらけのふたり」で、ホジョン(ハン・ヘジン)の同僚ヘギョンを演じたことはソン・セビンには悩みを吹き飛ばす経験だった。当初、端役だったこの役はソン・セビンのおかげで一気に助演級になった。あらかじめ準備したアドリブをオーディションで披露したことが功を奏した。ソン・セビンは「状況にはまって考えているうちに予想しなかった部分で(見る人を)笑わせる一言が思い浮かんだようだ。すっぴんで“田舎の娘”のように出てくるが、本当に楽しく撮影した」と伝えた。


「綺麗だという言葉より面白いという言葉がもっと好きです!」

大学の卒業作品として書いたシナリオの話や、「傷だらけのふたり」のオーディションのために準備したアドリブの話を聞いてみると、ギャグへの並々ならぬ情熱が感じ取れた。ソン・セビンも「人があまり考えないことをいきなり話す時がある。綺麗だという言葉より面白いという言葉がもっと好きだ」と相槌を打つ。

それで女優ソン・セビンの目標の一つはシットコム(シチュエーションコメディー:一話完結で連続放映されるコメディードラマ)に出演することだ。清純で女性らしく見える外見とは違ってホダン(しっかりしているように見えて抜けている人)のようだったり、ユニークな性格のキャラクターなら本当に良いだろうと言う。面白さのためならいつでも壊れる覚悟もできていると言う。「前から友達が面白いと言ってくれるときが一番良かった」と言うソン・セビンは「いつもウィットの利いた人になることが目標だった。そんな点で本当にシットコムに出演したい」と目を輝かせた。

「2014年の目標は多作です。真剣に申し上げると、本当に多作がしたいです。多様な演技経験を積みたいです。もう一方では、私に似合う役に巡り会いたいです。私が上手くできることを沢山の方にお見せしたいです!」

記者 : イ・ミナ