SHINee、2014年がさらに期待される“進化型アイドル”

10asia |


ファンシーな企画アイドルに止まらず、努力型の実力派アイドルへと進化「拒否できない魔力を持つグループ!」

現在、韓国の芸能界はアイドルの天下である。子供から10~20代を超えて中高年層に至るまで、アイドルスターたちの影響力はますます大きくなっている。特に、記者のような中高年層でも、一番人気の高いアイドルグループのメンバー全員の名前は覚えられなくても、音楽チャート1位の曲のタイトルぐらいはなるべく覚えておこうと努力する。歌詞の意味は正確に把握できなくても、トレンドに遅れているという話を聞きたくないから人気グループの曲やミュージックビデオには一度くらい触れてみる。

しかし、ほとんどの中高年層はアイドルに対して強い偏見を持っている。アイドルの音楽は大衆性に基づいた“インスタント音楽”だから個性がないと話す。同世代の人たちと会ったときにアイドルグループの音楽について話をしていると、「みんな音楽が似ている」という話をよく聞く。間違った話ではない。しかし、そのたびに私は「SHINeeの曲を聞いてみたことがあるの?」と強く反発する。

SHINeeとf(x)は韓国のアイドル文化をリードするSMエンターテインメント(以下SM)で別種のような存在である。徐々に画一化されつつある現在の音楽市場で、SHINeeとf(x)は常に新しいジャンルを試み、トレンドをリードしていく。同じ所属事務所の先輩や後輩グループは大衆性に基盤を置いた曲で勝負しているが、SHINeeとf(x)は「この曲は一体何だ!」という新しさで人々に近付いていく。

中高年層にとっては新しくて聞き慣れず、ぎこちなく感じられるコード進行と説明を聞かなければ理解することのできない歌詞に戸惑いを感じることもある。しかし、心を開いて聞いてみると、従来のアイドルの音楽とは異なる中毒性を発見することになる。変化に富みながらも既存の価値感を破ってしまうような曲の魅力に陥ると、文字通り“拒否できない魔力”にどっぷりとのめり込むことになる。

このようなSHINeeの独特な魅力について、“SMの卓越した企画力の産物”だと蔑む人もいれば、他のグループのようにタイトル曲を自分たちで作っていないと非難する人もいる。最近、SHINeeは自作曲を披露してはいるものの、タイトル曲を作ったことがないという話は事実だ。しかし、歌手が備えるべき歌唱力とパフォーマンス力の面では話したいことが多い。SHINeeは他のグループよりずば抜けた実力を持っており、決して劣ってなどいない。

デビューの時からSHINeeを見守ってきた人なら分かるはずだ。実は2008年に「Replay」でコンテンポラリーバンド(Contemporary band:音楽、ダンス、ファッションなど全ての分野において、時代のトレンドをリードして行くという意味)を標榜しデビューした時は、少女ファンを狙ったファンシーな企画アイドルとして受け入れられた。彼らの実力は見えず、ただお姉さんたちの心を揺さぶるスキニージーンズをはいた美しい少年たちとしか見られずに、私のような中年男性には拒否感が感じられる部分もあった。

実は、私がSHINeeの真価を知ったのは昨年「Sherlock」をリリースした時で、そんなに昔のことではない。偶然見たミュージックビデオは言葉通り新鮮な衝撃だった。歌もパフォーマンスもすべて完璧だった。「SHINeeってこんなに上手かったっけ?」という賛辞が自然と口から出た。それで、以前の曲「JULIETTE」「Ring Ding Dong」「LUCIFER」を順番に聞いてみて、SHINeeが“進化型グループ”だということに気付いた。

SMは安定的な大衆性に頼るより、アルバムごとにSHINeeに新たな課題を出した。メンバーたちはその課題を着実にこなしながら実力を徐々に伸ばし、少年から男性へと生まれ変わった。SHINeeのデビュー当時と現在を比べることで、彼らがどれほど多くの汗を流し、努力してきたのかを知ることができた。所属事務所の支援よりも、自分たちの絶え間ない努力によってSHINeeの現在の地位を築き上げたんだと言いたい。

大人しいように見えるのに、時々びっくりするようなスキャンダルを起こすのもSHINeeの魅力である。アイドルとして初めてパパラッチ写真(しかも当時最高の女優と)を撮られたり、放送中に突飛な行動をとって議論になったことは、決して彼らが良い子ちゃんだけのアイドルではないことを知らせてくれる。また、社会問題にも関心を示す姿はアイドルでありながらも、健全な心を持つ20代の男性であることを気付かせてくれる。

2013年、SHINeeはとても忙しい一年間を過ごした。一年間に1~2曲をリリースしてきた今までとは違い、2013年は2月に「Dream Girl」、4月に「Why So Serious?」、10月に「Everybody」などで忙しく活動を続けた。そして、「2013 MelOn Music Awards」で大賞を受賞し、韓国グループでは始めてアメリカのビルボードワールドアルバムアーティスト年間チャートTOP10に入るなど、目覚ましい成果を成し遂げた。非常に強力な所属事務所の後輩EXOの大活躍により、その成果が大きく話題になっておらず、残念なだけだ。

しかし、それは成果に執着する古い世代である私の観点に過ぎない。SHINeeは2013年、十分に輝いた。そして、まだ若くて着実に自分たちを進化させている“進行形グループ”である。トップに立って守るより、トレンドをリードしながら自分たちの能力の限界に挑み続けている。もうすでに5年後、10年後が見たくなったと言うのは彼らへの過度な愛情だろうか?SHINeeが2013年より2014年にもっと輝く活動を繰り広げることを信じてやまない。

記者 : チェ・ジェウク大衆文化評論家、写真 : SMエンターテインメント、翻訳 : ナ・ウンジョン