プロデューサーが選んだ今年最も作品運の良い俳優・悪い俳優は?(総合)

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写真=TVレポート DB
今年も多くの俳優たちが様々なドラマでお茶の間のドアを叩いた。視聴者はドラマの主人公と共に泣いたり笑ったりしながら、一日の疲れを癒やした。しかし、すべての俳優が大衆から愛されるわけではない。ドラマを通じて万人の恋人になった俳優もいれば、成果を収めることができずみじめに退場することになった俳優もいる。

ドラマはキャスティング戦争だ。俳優によって作品の印象と好感度が違ってくる。制作会社がトップスターを巡って激しい競争を繰り広げるのはこのためだ。しかしキャスティングに成功したとしても、結果は様々だ。多くの制作費を投じてスターをキャスティングした作品が見放されたり、当初は注目を浴びなかった作品が大きな成功を収めることもある。

伝統のオンライン芸能メディアTVレポートは2013年の年末を迎え、KBS・MBC・SBSの地上波3社のプロデューサー30人に、今年作品運が最も良かった俳優と、不運だった俳優を選ぶアンケートを実施した。今年1月から11月まで地上波3社で放送されたミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)、週末ドラマ、毎日ドラマ(月~金曜日に放送されるドラマ)に出演した俳優を対象にし、今年12月から放送されるドラマは、時期的に除外した。

◆ラッキーな男女1位はイ・ジョンソク&イ・ボヨン…どんでん返しの歴史を書いた

異変はなかった。様々なブームを巻き起こしたSBS水木ドラマ「君の声が聞こえる」の男女主人公イ・ジョンソク(16票)、イ・ボヨン(17票)が、今年最も作品運が良かった俳優に選ばれた。2人は50~60%の得票率で、プロデューサーたちの絶対的な支持を受けた。予想外の組み合わせだったが、安定した演技力をもとに最高の相性を見せたという評価だ。

特にイ・ボヨンは男女俳優を合わせて最も高い得票を記録した真の勝者だ。KBS 2TV水木ドラマ「秘密」のファン・ジョンウム(7票)と競合したが、2倍以上の支持率を記録し、計17票を獲得した。この結果は今年3月に終了したKBS 2TV週末ドラマ「いとしのソヨン」の人気も反映されたと見られる。このドラマで実力を証明したイ・ボヨンは、「君の声が聞こえる」を通じて瞬く間に最もキャスティングしたい俳優に浮上した。彼女が出演した2つのドラマの自己最高視聴率は「君の声が聞こえる」が24.1%、「いとしのソヨン」が47.6%だ。ドラマ視聴者の半数がイ・ボヨンが出演したドラマを見たのである。

イ・ジョンソクは今年地上波ドラマが掘り当てたスーパールーキーだ。「秘密」のチソン(8票)と競合したが、イ・ボヨンと同じく2倍以上の支持率を得た。「君の声が聞こえる」の影響力が実感できる結果だ。計16人のプロデューサーから票を獲得した彼は、KBS 2TV「ゆれながら咲く花」と「君の声が聞こえる」のわずか2作品で有望な新人からトップ俳優に生まれ変わった。

イ・ジョンソクは2つの作品でともに学生役を演じたが、「君の声が聞こえる」では演技的な領域を拡大させた。高校生から大人になる過程を通じて10代のイメージに限られていた自身の限界を越えたという評価を受けている。彼が出演した映画「観相師」も、観客動員数900万人を記録し、大人気を博した。今年、イ・ジョンソクほど爆発的な勢いを見せた新人はいない。

◆様々な幸運の俳優たち…チュウォンとイ・ダヒも欠かせない

他の俳優たちの活躍も素晴らしかった。2位は「秘密」のカップル、チソン(8票)とファン・ジョンウム(7票)。同じドラマで共演した男女主人公が1、2位となった。作品の成功のためには主人公の相性が何より大事だということだろう。チソンは1位となった妻イ・ボヨンと共に幸運を手に入れた。今年結婚した2人は、恋愛と仕事を両立することに成功した。

あるプロデューサーは「今年一番センセーショナルだった作品は、断然『君の声が聞こえる』と『秘密』だ。どちらも、最初は期待作でなかったことが興味深い。錚々たる作品との対決で予想外の成功を収めた」とし、「そのようなどんでん返しの結果が4人の俳優の価値をさらに高めている」と明かした。

KBS 2TV月火ドラマ「グットドクター」のチュウォンも高い支持率を得た。計5票を獲得し、3位とに輝いた。サヴァン症候群(自閉症や知的障害を持ちながら、ある特定の分野で卓越した才能を発揮する症状)の医師をぎこちない口調と表情で演じきり、どんなキャラクターを任せても信頼できる俳優として生まれ変わった。MBC週末ドラマ「スキャンダル:非常に衝撃的で不道徳な事件」のキム・ジェウォンは2票を獲得して4位となった。他にも「秘密」のペ・スビン、「グットドクター」のチュ・サンウク、「ゆれながら咲く花」「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち」のキム・ウビン、「君の声が聞こえる」のユン・サンヒョンがそれぞれ1票を獲得し、彼らに続いた。

女性部門では「秘密」「君の声が聞こえる」のイ・ダヒが3票を獲得して3位となった。大衆に忘れられようとしていたイ・ダヒは、この2作品をきっかけに再び自身の存在感をアピールすることに成功した。続いてそれぞれ2票を獲得したMBC週末ドラマ「金よ出てこい☆コンコン」のハン・ジヘと「グットドクター」のムン・チェウォンが4位となった。SBS水木ドラマ「主君の太陽」のコン・ヒョジン、MBC週末ドラマ「百年の遺産」のユジン、MBC月火ドラマ「奇皇后」のハ・ジウォンはそれぞれ1票を獲得した。

◆不運な男女1位はムン・グニョン&キム・ミョンミン…演技と視聴率は別物?

笑う者がいれば泣く者もいる。華やかなスポットライトを浴びながらスタートしたが、残念な成績で静かに退場した俳優もいる。MBC月火ドラマ「火の女神ジョンイ」のムン・グニョン(12票)とSBS月火ドラマ「ドラマの帝王」のキム・ミョンミン(8票)がそれぞれ1位となった。

特に、ムン・グニョンは男女俳優を合わせて最も多くの得票を記録する不名誉を被った。「火の女神ジョンイ」は久々に時代劇に復帰したムン・グニョンが「風の絵師」の栄光を再現することができるのか、関心を集めた作品。しかし、遅々として進まない展開と個性のないキャラクターで視聴者に見放された。この作品を通じて“時代劇の女王”タイトルを狙ったムン・グニョンの肩身は狭くなった。

「火の女神ジョンイ」はヒットを続けてきたMBC時代劇の中で唯一失敗した作品でもある。むしろ、ドラマよりもムン・グニョンとキム・ボムの公開恋愛の方が話題になった。熱愛説で人気は証明したものの、俳優のキャリアとしては残念な結果だった。

キム・ミョンミンもムン・グニョンと同じ評価を受けた。演技力は素晴らしいが、作品運がついていない俳優といわれている。「ドラマの帝王」は完成度が高く、俳優の演技も好評を受けたが、視聴者の共感を得ることには失敗した。「白い巨塔」以来、意欲的にドラマ復帰した作品だが、視聴者の反応は冷たかった。俳優の演技力と視聴率は別物であることが分かる部分である。

◆シン・ハギュン vs オム・テウン vs クォン・サンウ…激しい不運バトル

不運な女優を選ぶアンケートでは、とりわけ同率順位が多かった。1位ムン・グニョンの後に続いた女優は3人だった。KBS 2TV月火ドラマ「サメ~愛の黙示録~」のソン・イェジンとMBC水木ドラマ「メディカルトップチーム」のチョン・リョウォン、KBS 2TV月火ドラマ「未来の選択」のユン・ウネがそれぞれ4票を獲得して2位となった。

特にソン・イェジンとチョン・リョウォンはたくさんのオファーを断って選んだ作品がむしろ失敗する苦い結果を味わった。多くの制作会社が2人をキャスティングするために力を注いだが、彼女たちが断った作品がむしろ人気を博した。一方、苦心の末に選んだ 「サメ~愛の黙示録~」と「メディカルトップチーム」は反響を呼ぶことができなかった。その次はMBC水木ドラマ「女王の教室」のコ・ヒョンジョン(1票)となった。

ムン・グニョンに票が偏った女性部門と異なり、男性部門では票が比較的均等に分かれた。SBS水木ドラマ「私の恋愛のすべて」のシン・ハギュンは計6票を獲得し、なんとか1位を免れた。保守党の議員を演じた彼は典型性からの脱却、政治家を新しく描写したという好評を受けたが、ドラマに熱狂する視聴者は少数だった。ヒットドラマの必需条件は俳優の“演技”ではなく、“面白さ”だった。

キム・ミョンミン、シン・ハギュンの後に続いたのはKBS 2TV水木ドラマ「剣と花」のオム・テウン(6票)で、3位となった。7票を獲得したシン・ハギュンとの差は1票に過ぎなかった。「メディカルトップチーム」のクォン・サンウ(5票)もオム・テウンと1票差で4位に入った。ほかにも「未来の選択」のイ・ドンゴンと「メディカルトップチーム」のチュ・ジフンがそれぞれ1票を獲得した。

記者 : 特別取材チーム(キム・ジヒョン、イ・ウイン、チョ・ヘリョン)