イ・ジュンギ、人生をかけて演じる“生まれながらの俳優”

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生まれながらの俳優、イ・ジュンギ。

本物の役者になりたい男、自分の短所を熱心に見つめて弛まずに努力する俳優、全てがファンのおかげだと言うファン思いのお人好し、自ら近所のお兄さんみたいだと笑う気さくな人。しかし、役者という衣をまとった時に誰よりも輝く俳優イ・ジュンギに会った。

「演技生活は、人生の全てを賭けてやっていることだ。演技を通じて多くのものを得ている。そして、その中で新しいキャラクターを作り出して表現する時、良い作品を人々に披露した時に幸せを感じる」

―MBCドラマ「TWO WEEKS」が終了してからうつ病などの後遺症を打ち明けたが、最近はどのようにして過ごしているのか?

イ・ジュンギ:これまで会えなかった知人たちと一緒にお酒を飲みながらあれこれ語り合った。お酒が好きだというよりも、そのような場でお互いに打ち解けて話し合う雰囲気が好きだ。お酒というのは、ただの道具に過ぎないと思う。どうしても家に帰ったら寂しさが倍増するような気がするので、できるだけ親しい人たちに会って話し合いながら慰めてもらう。元々は一人だけで過ごす時間を楽しむタイプだったが、最近は一人でいる時間が非常に寂しく感じられる。人が好きになった。歳のせいかな(笑)

―作品ごとに感情によく入り込む方だ。作品が終わってからその人物をどのようにして追い出すのか。ノウハウがあるか。

イ・ジュンギ:先ほど言ったように、人に会って燃え尽きた感情を満たす方だ。虚しかったり憂鬱だったり寂しくなるのが一般的だが、そのようなことは人に会ったら満たせると思う。お酒はつかの間の慰めにはなるが、治療薬にはならない。だから、色んな趣味を持とうと努力している。最近は自転車にはまっているが、実際は一週間に1~2回乗る程度なので、もう少し頑張ってみようと思う。

―撮影現場や公式の場でいつもエネルギーに満ちている。エネルギーの源は?

イ・ジュンギ:第一にファンの影響が最も大きい。その方たちのおかげでやりたいことを強く推し進めることができるし、また楽しみながら色んなことをするチャンスも訪れる。僕のことを思ってくれる全ての人のパワーを糧にして生きていると思う。次は、仕事へのプライドと、自分が生きる人生へのプライドだ。もちろん責任感も大きい方である。僕がその場をもっと活気づけて気楽なものにすれば、多くの人がさらに楽しく愉快に働くことができると思う。そうして初めて僕も能率が上がって、最高の結果を得ることができるし、僕がもう少し突っ走って楽しめば、間違いなく良い結果が生まれることをよく分かっているからだ。冗談まじりの話だが、主演俳優は誰にでも務まるものではない(笑) それだけ努力して現場をリードし、楽しくさせる責任がある。重要なのは、意識的にではく、本当に楽しんでいるかだ。

―先日のインタビューで、10年くらい演技を続けていたらできることが演技しかなくなったと話したが、歌もパフォーマンスも十分に上手だと思う。

イ・ジュンギ:あれこれできるのは事実だが、そのどれにおいてもプロではない。演技生活は、人生の全てをかけてやっていることだ。僕は演技を通じて多くのものを得ている。そして、その中で新しいキャラクターを作り出して表現する時、良い作品を人々に披露した時に幸せを感じる。他の分野では正直言って足りない部分が多い。今は演技だけを考えても足りない部分が多いので、他のことには手が回らない情況だ。たまにアルバムをリリースするのは、ファンの声援に応えるための感謝の表現である。

―自分が演じた作品の中で最高のキャラクターは?

イ・ジュンギ:どの俳優も自分の演技に100%満足する俳優はいないだろう。僕も同じく、多くの方に褒めてもらっているが、僕自身には厳しい方だ。毎回完成度を少しでも高めて、100%に近づけるように努力することが目標だ。なので、これまでに満足できると言える作品はない。もちろん、ファンと人々に愛されたキャラクターはいる。完璧ではないにしても、完璧になりたくて身も心も投げ出すスタイルなので、そのような点をよく評価してもらっているようだ。

―自分への評価が厳しいようだ。

イ・ジュンギ:役者としてまだ僕は完璧ではない。満たさなければならない部分も多いし、それが満たされるように作品に全力を注ぐ。人々の僕に対する視線も一生懸命に頑張る俳優であって、演技派だとか完璧な俳優というイメージではないと思う。だからこそ、弛まずに努力して挑戦し続けている。

―これまでに実際の自分と最も似ていたキャラクターは?

イ・ジュンギ:全て人間イ・ジュンギの内面から出てくるキャラクターだったので、僕に似ている面を少しずつは持っている。MBCドラマ「犬とオオカミの時間」のイ・スヒョンがその中で一番似ていた。人物の性格もそうだし、色んな面で。

―現場で俳優やスタッフたちと親しくなる方法があるか?

イ・ジュンギ:僕の足りない部分を、現場の俳優やスタッフたちが満たしてくれると思うので、先に近づいて心を開こうとする方だ。じゃれたり愛嬌を振りまいたりもする。初めて会ったら、気の置けない関係になる準備ができていることをアピールする(笑) 何より飲み会をよく開こうとする方だ。そうしながら自分が持っている不安や楽しさを共有しようと努力する。現場が気楽になれば、自分も安心して走り回り、飛び出すことができるので。

―尊敬する先輩や警戒している同年代がいるのか?

イ・ジュンギ:キム・ユンソク先輩やソン・ヒョンジュ先輩、ソン・ガンホ先輩は俳優として本当に尊敬している。さらには、アン・ソンギ先輩のように長く演技生活をして、人々に信頼してもらえる俳優になるのが目標だ。同年代の俳優たちは、警戒するというよりは、同じ作品で一緒に力を合わせて演じられる仲間なので、皆同僚だと思っている。この先もお互いに助け合って一緒に作品を導いていく仲になることがあるので、警戒する気持ちはない。

―人々が思う俳優イ・ジュンギと、自分が考えるイ・ジュンギの間にギャップはある?

イ・ジュンギ:作品の他にはあまり顔を出さないので、人々からイ・ジュンギは演技生活だけを猛烈にやっている、多少距離感を感じるスターに思われているようだ。チャンスがあれば誰よりも気さくで人懐っこくて愉快な、そして時には寂しがるイ・ジュンギの姿をお見せしたい。本当に気の置けない近所のお兄さんみたいな人だということを。人間的な面をもっと知って欲しい。

―韓国はもちろん、海外にもファンが多い。何に魅力を感じてもらえていると思う?

イ・ジュンギ:内面の情熱を評価してもらっているようだ。何をやっても最後まで最善を尽くして情熱的な姿が好きだと言われたりする。それで、真心を込めてさらに誠実に活動しなければと思っている。

―持って生まれた才能があるのか?

イ・ジュンギ:観察力と空気を読む能力は生まれつきのものだ。このような面が、社会生活には大いに役立つ(笑) ものすごいスピードとハードなスケジュールを誇るドラマの現場では、これが大きなメリットとなる。

―逆に、コンプレックスを挙げるとしたら?

イ・ジュンギ:今はコンプレックスがない。あるとしても、それも愛そうと努力する方だ。以前は目が本当にコンプレックスだったが、演技活動をしながら長所に変わった。短所も考え方によっては大きな長所になり得ることが分かった。寂しがりやなのがコンプレックスと言えばコンプレックスだが、時間が経てば良い縁もあるだろうから、次第に良くなるのではないかと思う。

―作品では特に体に苦労させているが、体力管理はどうしているのか?

イ・ジュンギ:特に何もしていない。ただ仕事を楽しんで、達成感を感じると力が湧いてきて全てが良くなる。特に、ファンたちが健康食品や体に良いサプリなどをたくさん送ってくれるので、それだけを食べ続けるだけでも体力は十分に管理できるようだ。やっぱり、ファンの愛が一番だ。肌の管理もただ栄養クリームを少し多めにつけて、乾燥しないようにミストで水分を補給し続けるくらいだ。怠け者なので、エステにはあまり行かない。
―デビューして10年になる。この10年間に点数をつけるとしたら?

イ・ジュンギ:10年間事故を起こさずに良い評価をもらってきたと思うので80点をつけたい。作品活動をもっとやった方が良かったのではという惜しい気もするし、多くの縁を作らないまま、どうしてそんなに前ばかり見て突っ走ってきのかという残念な気持ちもある。でも、これからの方が長いし、超えなければならない山も多いので、それを達成するためにもさらに努力して行こうと思う。

―これからの俳優イ・ジュンギを言うなら?

イ・ジュンギ:アン・ソンギ先輩のように、長く色んな作品を通じて国民に大いに信頼してもらえる俳優になりたい。そして、機会があるならハリウッドで作品もやってみたい。100歳時代と言うから、70歳になるまでは必ずやってみようと思う(笑)

記者 : イ・ミンジ、写真 : @star1