「君に泳げ!」ソ・イングクの人工呼吸で助かった映画
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写真=映画「君に泳げ!」
緻密な構成のシナリオは素晴らしい映画を生み、名監督を生み、素敵な俳優を発見する。しかし、時には正反対の状況も展開されるようだ。素晴らしい俳優が名監督を生み、名作を作るように。22日午後、ソウル城東(ソンドン)区杏堂洞(ヘンダンドン)CGV往十里(ワンシムニ)店ではスポーツ映画「君に泳げ!」(監督:チョ・ヨンソン、制作:映画社スジャック)のマスコミ向け試写会が開催された。
今年、多くの作品を通じて年上の女性ファンの声援を一身に受けた、最近最もホットな俳優ソ・イングクとイ・ジョンソクがツートップでキャスティングされ、一気に下半期の期待作として浮上した「君に泳げ!」。多くの期待の中でその実態を明かした。
「君に泳げ!」は、韓国映画としては初の水泳を題材にしたスポーツムービーだ。スポーツから感じられるスリル溢れるどんでん返しや感動、二人の青年が限界を乗り越えるために経験する成長の痛み、そして初々しい青春恋愛までを118分間に盛り込んだ。特に最近最も注目を集める俳優ソ・イングクとイ・ジョンソクの緊張感溢れるツーショットが圧巻だ。勢いに乗っている二人の出会いでもあった。
tvN「応答せよ1997」を通じてすでに演技力を認められたソ・イングクは、MBC「せがれたち」、SBS「主君の太陽」を経て新人であるにもかかわらず安定した演技力を発揮した。スクリーンデビュー作「君に泳げ!」で、彼は女心を揺さぶるキュートな図々しさで観客を喜ばせる。成功的なデビューであると言っても過言ではない。
特有の堂々とした魅力で水泳の天才ウォニル役を演じきったソ・イングクは、ハ・ジョンウ顔負けのリアルな食事シーンも演じきり、観客の心を掴んだのはもちろん、過去のトラウマを克服していく過程を繊細な演技で表現し、感動までも届けている。映画が終わったら、無性にサムギョプサルが食べたくなるだろう。
ウォニルの頼もしい助力者として登場するジェソク役のパク・チョルミンもソ・イングクと息を合わせ、イ・ジョンソクに引けを取らない抜群のアンサンブルを届ける。台詞や状況を美味しく料理してくれるパク・チョルミンのおかげで、泣いたり笑ったり、観客は大忙しだ。「君に泳げ!」を頼もしく後押しする助力者である。“名品とも言える助演”とは、誰もが手にできる修飾語ではない。
ハードなスケジュールで映画に集中することが難しかったと話していたイ・ジョンソク。自身の体が綿棒のようだと恥ずかしがっていたが、実際には色白の美肌や鍛えられた筋肉を誇っており、ソ・イングクと激しい神経戦を展開した。映画ではソ・イングクの方に目を奪われてしまうものの、イ・ジョンソクも引けを取らない魅力で観客を虜にしている。何よりも“マリーンボーイ”パク・テファン選手を連想させるビジュアルで女性ファンを虜にした。ソ・イングクと共にスクリーンに挑戦した少女時代のユリはまだ努力が必要だと思われる。今はソ・イングク、イ・ジョンソクとのキスシーンがなかったと寂しがるような時ではないだろう。
水泳をモチーフにしただけに、緊張感溢れる試合も名シーンの一つだ。試合を展開する選手たちの心理状態を正確にカメラに盛り込んだところが印象的だ。ソ・イングク、イ・ジョンソクの筋肉質のボディラインを思う存分に鑑賞できるチャンスや実際のオリンピックの試合を目にしているかのような緊張感まで。スポーツ映画の醍醐味を味わえるシーンであった。
しかし、このような俳優たちの努力にもかかわらず、ありきたりなストーリーと大げさな設定は観客が劇に溶け込むことを阻害する恐れがある。「7番房の奇跡」「パパロッティ」「ザ・タワー 超高層ビル大火災」「ハナ~奇跡の46日間~」を通じて“涙専門”の脚本家に浮上したユ・ヨンア脚本家は、今回の「君に泳げ!」でも陳腐な新派劇で涙を誘っている。「実は訳ありの水泳の天才」といった設定が、今でも通じるのか疑問が残る。また劇中に突然登場する「SUPER STAR K」は、ジョンウン(ユリ)のリアリティを減少させる。
さらにウサン(イ・ジョンソク)とジョンウンのラブストーリーに登場する「シャンプー変えた?いい香りだね」という台詞は、普段は無反応なマスコミ向け試写会でため息が起こるという異例の状況まで演出した。
それにもかかわらず、長い間待っていた観客にはアピールできる映画であることは間違いない。沈んでいく「君に泳げ!」に人工呼吸をしてくれた新人ソ・イングクの演技力は、俳優としての将来が期待されるほどだ。「国家代表!?」(2009、監督:キム・ヨンファ)以来4年ぶりに登場したスポーツ映画。挑戦してくれたチョ・ヨンソン監督に拍手を送りたい。
「君に泳げ!」は韓国代表選手になることを夢見る二人の男性の熱い友情と情熱を描いた作品で、ソ・イングク、イ・ジョンソク、ユリ、シン・ミンチョル、キム・ジェヨンらが出演する。チョ・ヨンソン監督の演出デビュー作でもある。15歳以上観覧可の同映画は韓国で30日に公開される。
記者 : チョ・ジヨン