KARA、彼女たちが“生計型アイドル”から“成長型アイドル”になった理由

10asia |

数多くのガールズグループの中でKARAは、デビュー当時と現在を比べると実力が一番伸びたグループである。この言葉を理解するために、ジヨンとハラをメンバーとして迎え入れた直後にリリースしたKARAの新曲「Rock U」で、ジヨンのパートを思い浮かべてみよう。彼女はただ「思い出は星座のように」という歌詞の部分を2回繰り返して歌った。文字数で言うとたった18文字である。それでは、4thフルアルバムのタイトル曲である「淑女になれない(Damaged Lady)」でジヨンのパートはどれぐらいあるだろう?「何だか今日、空が凄く青いと思った 私ってそうなの とても上手くいっていると思った まさかとは思ったのに、よりによってあなたはこんな日を選ぶの」「淑女なんて」「そう、私はなれない、仏になれない、淑女になれない」「涙が溢れ出て now、顔を上げられない」がジヨンのパートである。あえて文字数を数えてみなくてもジヨンのパートは確実に増えている。その分、彼女の実力も伸びている。

2007年に正式デビューしたKARAは冷静に言って実力が不足しているグループだった。1stフルアルバムの活動後、グループで高音を担当していたメンバーのキム・ソンヒが脱退し、その代わりにハラとジヨンが合流することで、KARAのボーカル実力の平均はむしろ低くなった。そのように、KARAはただ数多くのガールズグループの一つとして定着すると思った。しかし、ある瞬間からKARAは韓国と日本で突風を巻き起こし、韓国最高のガールズグループの一つとなった。そうなるまでに、彼女たちは必死な努力を続け、眩しい成長ぶりを見せた。リリースするアルバムごとにKARAの実力は目に見えるほど伸びていた。デビューの時から作詞や作曲に参加し、ずば抜けた歌唱力を誇るアイドルより、日々実力を伸ばしていくKARAのほうがより大きな魅力を放った。特にスンヨンがリードボーカルとして見せた成長と末っ子のジヨンが見せてくれた実力とルックスの成長は、KARAを見守る人々にとって大きな楽しみであった。もうKARAは“生計型アイドル”ではなく、“成長型アイドル”となっているようだ。KARAが4thフルアルバム「Full Bloom」で帰ってくるまでどんな成長を見せたのか、KARAのデビューから現在までを振り返ってみた。


1.冷酷な実力の世界
2008年1stミニアルバム「Rock U」&2ndミニアルバム「Pretty Girl」

実力的な面だけ考えると、「Rock U」はKARAの黒歴史である。先ほど話したように、「Rock U」でジヨンとハラのパートは20文字以下という極めて少ない分量だった。彼女たちの不安定な音程や素人のような発声は、デビューアルバムであった1stフルアルバムで高音を張り上げたKARAの姿とまったく違うものであった。しかし、「Rock U」はKARAの潜在力が十分に感じられた曲だった。強烈な姿を披露したデビュー曲「Break It」と異なる可愛いイメージを披露し、「Pretty Girl」と「Honey」の成功への基盤を築いた。特に、KARAの専属作曲家と言っても過言ではないSweetuneとの相性がこの時から際立って見え始めた。

KARAは続いてリリースした2ndミニアルバムのタイトル曲「Pretty Girl」と2ndミニアルバムのスペシャルエディションに収録された「Honey」を連続ヒットさせ、本格的な成功を収めた。通称“グクジ二ダンス”と呼ばれる振り付けを踊り、ゴム手袋をはめたファンたちが応援するユニークなガールズグループという印象を与えたKARAは、「Honey」の“蜂蜜をつけて食べるダンス”で音楽番組において1位を獲得した。ジヨンのボーカルが存在感を発揮したのもこの時からだった。彼女のパートは依然として非常に少なかったが、「Pretty Girl」で“歩くダンス”を披露する「どこででも堂々と歩こう」の部分で彼女の声が際立った。しかし、ライブの実力は未だに不十分な状態だった。また、アイドル音楽のお決まりである“曲の後半にリードボーカルが張り上げる高音のアドリブ”が、KARAの曲では人々に深い印象を与えられなかった。


2.本格的な全盛期
2009年2ndフルアルバム「ミスター」

「ミスター」は今のKARAを作った曲だ。しかし、「ミスター」は彼女たちが意図した全盛期ではないという点が残念に思える。2ndフルアルバムのタイトル曲は「Wanna」だったが、カムバックステージで「Wanna」と共に披露した「ミスター」がより大きな話題を集めた。特に「ミスター」の“お尻ダンス”は今でも人々がすぐ思い出せるほど、ガールズグループの伝説として残ったメガヒットダンスである。予想もしなかった人気を集めたKARAは一歩遅れて「ミスター」をダブルタイトル曲にして活動を行ったが、音楽番組での点数が「Wanna」と「ミスター」に分散されたため、「ミスター」は大きな人気を博したにもかかわらず、音楽ランキング番組では1位を獲得できなかった。

“お尻ダンス”の他にも、成長したKARAの実力が「ミスター」の成功に一役買った。以前のアルバムで感じられたジヨンとハラの不安定な音程が安定し、ジヨンのバイブレーションも感じられた。リフレインでも力のある合唱が続き、何よりKARAの自信が曲から感じられた。さらに、曲の後半に登場するスンヨンの高音のアドリブは、人々の耳にしっかりと残った。他のガールズグループの高音に比べると、少し低い音域のアドリブではあったが、以前の曲では感じられない爆発的な感じのものだった。そこに、ニコルのアドリブまで加えられ、KARAのさらに伸びた実力を感じることができた。


3.より高い飛躍のためのSTEP
2011年3thフルアルバム「STEP」

KARAは2010年3枚目のミニアルバム「Lupin」で音楽ランキング番組において1位を総なめにし、日本に進出して最高のガールズグループとして君臨した。しかし、2011年所属事務所とのトラブルに巻き込まれて、解散の危機に陥るが、劇的な和解をした後、3枚目のフルアルバム「STEP」で、今までとは違う飛躍を果たした。当時KARAには健在さをアピールし、トラブルによって悪くなったイメージを回復しなければならない課題があった。KARAはカムバックと同時にMnet「M COUNTDOWN」で1位を獲得しながら、誇らしげに彼女たちの課題をクリアした。

実力の面でも、ライブの実力と歌唱力という課題はある程度解決できた。増えたジヨンのパートも目立つが、ハラの上達した発声と実力が視線を引きつけた。ニコルが担当したラップをハラとジヨンが分担し、多様性を加えた。お互いの弱点を補完しながら、メンバーごとに自分の役割を見つけた。何よりも以前のKARAは与えられた振り付けと歌を歌っていただけであったならば、「STEP」でのKARAはステージを楽しんでいた。「成長した私は、強く、もっと高く」「もう一度やり直すのよ」など、試練を経験したKARA自身への歌詞も印象的だった。


4.爆発的な高音アドリブ
2012年5thミニアルバム「PANDORA」&「KARA Solo Collection」

5thミニアルバムの「PANDORA」と続いてリリースされたKARAのスペシャルアルバム「Solo Collection」で、KARAはさらなる成長を見せた。「PANDORA」は「ミスター」「Lupin」「ジャンピン」「STEP」などを作曲したKARAの専属作曲家Sweeetuneの曲で、KARAならではの一貫性のある音楽が感じられた。しかし、その一貫性の中で最も驚いたのは、さらに成熟したスンヨンのボーカルだった。「ミスター」でスンヨンの高音のアドリブを聞いた後、「PANDORA」のスンヨンのアドリブを聞いてみると、彼女の高くなった音域が確実に感じられる。また、「PANDORA」のステージでスンヨンは自信を持って高音を張り上げる姿を披露した。

ソロ曲「ギルティ」を歌うスンヨンを見ると、幼くてきれいな声で歌を歌うスンヨンではなく、ロッカーのイメージが感じられる。ギュリのタンゴ風の曲「白昼夢」、ニコルと2AMのジヌンのデュエット曲「ロスト」、ジヨンのロックバラード「ワナドゥ」など、「Solo Collection」の全曲を通じてメンバーたちはこれまで絶えず努力してきた実力を思い切り披露した。特にハラのソロ曲「シークレットラブ」はハラの可愛い魅力と共に身に付けた歌の実力で、ファンたちを驚かせた。


5.満開した花
4thフルアルバム「淑女になれない」

さらに大きな自信がついた。スンヨンはタイトル曲「淑女になれない」で歌が始まると、すぐにアドリブを披露した。まるで今も実力に疑問を持つ人たちに一発を食らわせるような爆発的なアドリブだった。4枚目のフルアルバムのタイトル「Full Bloom」の辞典的な意味が“満開する”であるように4thフルアルバムでは着実に成長したKARAの満開した実力を感じることができる。

満開の花、KARAは同時にまた違う種をまいた。「淑女になれない」はこれまで一緒に作業してきたSweetuneの曲だが、他の収録曲にはシム・ウンジ、ペ・ジンリョル(JRGROOVE)、ノヌンオリニ(遊ぶ子供)、ヨングァンエオルグルドゥル(光栄の顔たち)などが参加し、音楽の幅を広げた。特に収録曲「RUNAWAY」は、初めて試みるブルースジャンルの曲で、ギターの旋律に綺麗に重なったKARAの成長したボーカルを存分に感じることができる。ジヨンだけの可愛いラップが際立つ「1+1」も収録されている。すでにKARAは韓国と日本でトップの座を守ってきたため、ややもすればそれに満足して怠けることもできたはずだが、日々進化する実力を見せながら、なぜKARAが“生計型”から“成長型”アイドルとして君臨しているのかを証明してくれた。

記者 : パク・スジョン、写真提供 : MBC、翻訳 : ナ・ウンジョン