「ホドン&チャンミンの芸・体・能」全国民がスポーツを楽しむその日まで:SPECIAL INTERVIEW

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バラエティの流れが変わりつつある。MBC「僕らの日曜の夜」が主導する“観察バラエティ”がその一つなら、もう一方ではKBS 2TV「ホドン&チャンミンの芸・体・能~めざせ!ご当地スポーツ王~芸体能」(以下「ホドン&チャンミンの芸・体・能」)のような“スポーツバラエティ”という流れがある。8月末には新たにMBC「スターダイビングショー スプラッシュ」が放送をスタートし、本格的に“スポーツバラエティ”に火がつくものと思われるが、視聴者として嬉しいことは横並びだったバラエティに情熱と努力を見せる新しい顔が次々と登場していることだ。しかし、制作陣の立場では視聴者が二つのグループに分かれる負担もあるのではないか?卓球であれボウリングであれバドミントンであれ、その種目が好きで見ている人と運動とは関係なく、出演者に愛情を持っている、つまりバラエティが見たい人に分かれるためだ。実際に、視聴率を調査してみると、テレビをあまり見なかった男性たちが「ホドン&チャンミンの芸・体・能」をよく見ているという。そのため、試合に集中すれば片方が不満で、出演者に時間を多く割けば、もう一方の人々が抗議するのではないだろうか。まるで扇子を売る息子と傘を売る母(天気が良ければ扇子がよく売れるが傘は売れず、雨が降れば傘は売れるが扇子は売れないという話から)のような気持ちであるはずの制作陣、そして運動とバラエティの両方が可能なMCカン・ホドンに会った。

参加者:カン・ホドン、イ・イェジプロデューサー、ユ・ホジンプロデューサー、チェ・ジェヨン作家、コラムニスト チョン・ソクヒ

―バラエティのトレンドが変わる時点で新しい番組を始め、1年半以上苦労したでしょう?

カン・ホドン:トレンドを追いかけたり遅れたりするよりも、走っている途中で選手が倒れると、追いかけるまである程度の時間が必要となりますよね。僕の力不足のせいで時間がかなりかかっています。もっと頑張らないといけません。

―イ・イェジプロデューサーは苦労してKBS 2TV「国民トークショー アンニョンハセヨ」を定着させたのにまた茨の道に入ってしまいました。

イ・イェジ:昨年11月から今年5月までどうやって時間が過ぎたのか分かりません(笑) しかし、カン・ホドンさんと一緒に番組を作ることが私にとってはチャンスですね。これほどまで番組に命をかけるMCは滅多にいません。


「言葉が出てこなくてとても辛かった」

―二人とも視聴者と一緒にする番組に強いです。KBS 2TV「ハッピーサンデー-1泊2日」(以下「1泊2日」)のときも、視聴者ツアーのときにより一層輝き、「キャンパス映像歌謡」も本当に面白かったです。

カン・ホドン:過去を振り返ってみました。「キャンパス映像歌謡」のときに大学生とコミュニケーションしたこと、またバラエティの達人と一緒にした「恐怖のクンクンタ」も思い出しました。僕が得意なのは、体を張ってやるフォーマットだったんです。そうするうちにSBS「夜心萬萬~1万人に聞きました」からオファーが入ってきたとき、最初は理解できませんでした。僕の手足を縛って何ができるんだろうと思ったからです。しかし、一週間、2週間と時間が経つにつれ、それを乗り越えていくことにやりがいを感じました。そういうことで「ホドン&チャンミンのMoonlightプリンス」も“本”という題材、僕と到底似合わない“教育”“勉強”でしたが、克服できると思いました。結果的に8回で放送終了となりましたが、一つの過程だったと思います。その後、一緒に悩みながら一般の人たちと一緒になって楽しめる“体育”という形が生み出されたんだと思います。学校にも体育という科目があるじゃないですか(笑)

イ・イェジ:そう見れば最初のタイトルが「体育の時間」でしたが、カン・ホドンさんが「ホドン&チャンミンの芸・体・能」という立派なタイトルをつけました。

チェ・ジェヨン:タイトルをつける才能があります。

カン・ホドン:運動選手が負傷すれば手術してリハビリしますが、番組はリハビリするところがないじゃないですか。現場でするしかないのです。僕が空白期間を経た後一番もどかしかったことは、頭の中ではきれいに整理がついているのに言葉が喉に詰まって出てこないことでした。途中でどもってしまうことさえあってとても怖かったです。言葉というものは、一度途切れたら興醒めするじゃないですか。サッカーのパク・チソン選手も体調が良いときはゴールポストが大きく見えて、悪いときは自分の方にボールが来ることさえ怖かったと言いましたが、その気持ちが理解できました。常に皆さんがそばにいて勇気をくれたし、悩みながらもふとした瞬間に以前と同じように言葉が出るようになりました。それからまだ3ヶ月も経っていないようです。うまくやるか、やらないかを離れて、とても辛い時間でした。

―チェ・ジェヨン作家とユ・ホジンプロデューサーはカン・ホドンさんと「1泊2日」を一緒にしたので特別な思いがあったでしょう。

ユ・ホジン:私が空気を読めないのか、彼は表に出したことはなく、苦しんでいるようには感じられませんでした。後で飲み会で言われたときにやっと分かりました。

イ・イェジ:「ホドン&チャンミンの芸・体・能」チームは、私とムン・ウネ作家を除いてカメラマンをはじめ、全員が「1泊2日」をやったことのあるチームです。チェ・ジェヨン作家とユ・ホジンプロデューサーがスタジオの外でやるバラエティに対する知識と経験があったので制作方法や編集などで色々と勉強になりました。どれほど心強かったか分かりません。また、私自身も一般人と一緒に番組をすることへのそれなりのノウハウができました。カン・ホドンさんの神の一手は、運動神経がものすごく良いことです。そんなふうに3つが揃ってからやっと希望が見え始めました。でも、まだ行くべき道は遠いです。トークショーの予算で屋外バラエティを制作するので、色々と悩みも多いですし(笑)


「スポーツバラエティは初めてで試行錯誤の連続だった」

―スポーツとバラエティのバランスを取ることは簡単ではないでしょう?

ユ・ホジン:まだ答えは見つかっていません。どちらかに偏ったと思ったら視聴者掲示板に指摘が多く掲載されます。毎週バラエティ番組としてちゃんと笑いを与え、スポーツをするときには本物の勝負をお見せしようと努力しています。

イ・イェジ:私たちが難しいと思ったのは、スポーツの中継や編集は生まれて初めてやるでしょう。後でスポーツ局からアドバイスを得ましたが、カメラの位置や角度のようなものにも種目ごとにルールがあったんです。それを知らない状態でやっていたのでスポーツ中継を見ている方々はイライラするしかないのです。編集も同じでした。それなりに編集に自信のある後輩たちが、編集がちゃんとできていないという指摘を受けて挫折しました。今やっと分かったような気がします。


「家族が一緒に楽しめる文化があまりないでしょう」

―スポーツの復興に大きく貢献していますね。

イ・イェジ:この前、スポーツの関係者の方々に会いました。うちの放送が何回か流れてから卓球、ボウリングブームが起こり始めて、今はバドミントンのラケットを取るようになったということです。結果が良いだけに色々とサポートして下さる方が増えています。

―私もボウリング場に最後に行ったのは10年前ですが、行ってみたくなりました。

イ・イェジ:特に肯定的な部分では、最近では家族が一緒に楽しめる文化があまりないじゃないですか。放送を見ればお分かりになると思いますが、スポーツは家族みんなで一緒にやります。実は、ここまで考えて始めたわけではありませんが、毎回やりがいを感じます。韓国の全国民がスポーツで元気になる日まで!頑張ります(笑)

―カン・ホドンさんはテニスが上手いことで知られていますが、テニスはいつやるんですか?

カン・ホドン:いいえ。過大評価されていて、逆にテニスをすることになればどうしようかと心配しています(笑) 同好会レベルです。1部から10部リーグまであるとしたらほぼ10部リーグのレベルです。

イ・イェジ:何でも習ったら一番上手になります。動物的な感覚だと思います。生まれつきの感覚がある上に、各種目の指導者に逐一聞きながら動作を学び、一つ一つ習って身に着けます。その姿勢にはいつも感心します。スポーツの種目リストをもらって見ましたが、百数十種目もありました。題材はいくらでもあるわけです。


「運動が与える魔力でしょう?」

―動物的な感覚があるので「1泊2日」でビンの蓋を投げるゲームをしたときも奇跡的な結果が出ました。

カン・ホドン:それはラッキーだったからです(笑) この番組から得た収穫は、不可能なことはないという事実が改めて分かったことです。僕たちにはサポートしてくれる専門家がいらっしゃるでしょう。彼らの教育を受けて汗を流せば実力は必ず伸びるし、そんな自分が誇らしくて訓練にももっと拍車がかかります。渾身の力を込めてやれば、誰かが必ず助けてくれると思います。

イ・イェジ:バラエティの神様が助けてくれます(笑)

カン・ホドン:周りにいらっしゃるんですよ。奇跡のような場面を演出してくださいますし(笑) 僕はバラエティの神様が僕たちの周りにいらっしゃると信じています。信じようとします!

イ・イェジ:種目ごとにラインアップが変わりますが、これほど全てのゲストが一生懸命にやる番組は初めてです。父親たちが夜勤明けでも朝になるとサッカーチームの練習に行くのと同じ気持ちだと思います。

カン・ホドン:ほとんどの番組の場合、休むときはそれぞれ控え室に入ります。撮影が終わればすぐに帰るし。でも、「ホドン&チャンミンの芸・体・能」ではテープを切っても、撮影が終わってもずっとうろうろとしています。元天下壮士(韓国相撲の横綱)のイ・マンギさんをはじめ、末っ子たち、新しく合流したイ・ジフンさんまでずっと話し続けています(笑) この全てが運動の与える魔力でしょう?イ・スグンさんもバラエティの達人であり、ものすごく負けず嫌いです。ボウリング大会でとんでもなく負けてしまったときは感情のコントロールができずに、顔に発疹までできるほどでした。かなり辛かったようです。大邱(テグ)でイ・ビョンジンさんが流した涙を見ましたか?美しい涙ではありませんか。東方神起のチャンミンさんがバドミントンで勝ったときなんかは、オリンピックで金メダルを獲ってもあんなに喜ばないんじゃないでしょうか(笑)

―なんでバラエティ番組のゲームに命をかけるのかと思いました(笑)

カン・ホドン:スポーツだけが与えられる魅力、その魅力の中毒になってしまうんです。後ろを見てください。(イ・スグンと2PM チャンソンが汗を流しながら練習に集中している)今、暇さえあればみんなあんなふうにしています。誰かに言われたわけでもないのに(笑) 視聴者の皆さんも、生活の中で一つくらいは必ずやってみて、元気になってほしいです。僕も結構得をしています。バドミントンは、よく分からなくてやってこなかったスポーツで、オリンピックの決勝戦を見ることが全てでした。こんなに魅力的で中毒性があるなんて!

―社会を変えて、カン・ホドンさんも変えて。やりがいがありますね。

チェ・ジェヨン:経済的な価値もありました。最近、ボウリング産業もものすごく成長したそうです。関係者の方から聞きましたが、運動する人口が増えれば国民全体の医療費が下がると言うんです。私たちがやっている仕事がこんなに良い方向に向かうとは、本当にありがたいことです。より責任も感じますし。

―ユ・ホジンプロデューサーは普段あまり運動をしないように見えます。この番組を担当してからもっと痩せました?

カン・ホドン:(笑)

ユ・ホジン:確かに体重は減りました。これ以上痩せるところもないのにどんどん痩せますね。僕が運動をするようになればこの番組は成功です。それでも卓球はやってみたいと思いました。仕事の特性上、なかなか時間がありませんが、ボウリング場には一度行ってみました。僕みたいな人さえ心が動くのを見ると、時間に余裕のある方々は本当にやりたくなるのではないでしょうか?

イ・イェジ:(独り言)漢方薬でもあげないと。


「適当にやるとすぐにばれます」

チェ・ジェヨン:10年前のバラエティはカメラの前だけで行われました。5~6年前からはリアルが主流になってカメラアングルの外でもバラエティをやるようになりました。今はカメラがなくても撮影の延長、また延長です。撮影は1日ですが、実際に4~5日間バドミントンやボウリングをやりますので。私たちがスケジュールを空けて運動しなさい、練習しなさいとは言えませんが、自主的に行ってくれます。

カン・ホドン:騙すことはできませんからね。練習しないと絶対に上手くなりません。何か“ふり”をすることは通用しませんし、適当にやればすぐにばれてしまいます。

チェ・ジェヨン:視聴者の方はすぐに気付かれますね。また違うバラエティの海で泳げるようになりましたが、これがどこまで行くか分かりません。ある方からは先進国型バラエティだと言われました。

カン・ホドン:自画自賛じゃありませんか(笑) 僕たちの考えではなくて、別の方がそんな話をしてくれたということです。

チェ・ジェヨン:重要なのは、私たちも知らない状態で始めたことです(笑)

カン・ホドン:知ってからやる制作陣はあまりいないと思います。僕が羨ましくもあり、大好きな芸能人はイ・ギョンギュさん、シン・ドンヨプさん、ユ・ジェソクさんですが、この方々は早くから自身の夢を追いかけてきた方々じゃないですか。だから枠組みを作る能力がすごいんです。でも、僕は運動を止めてから入ってきたので基礎がありません。ところで、この方々と話をしてみても、知ってから始める場合は珍しいと言うんです。僕は分からないからもっと努力するしかないし、色々と足りない面が多いからもっと汗を流すしかありませんでした。やりながら道を探していくのです。空白期間中にかなり悩みました。前だけを見ながら走ってきたなら分からずにいたこと、大事なことに気づきました。頑張る瞬間が幸せなんだということに気付きました。

イ・イェジ:もう一つ、私はこの番組を通じて一段階成長する人が出てきたことが嬉しくて、有難いんです。一つ例を挙げれば、チャンミン君は東方神起のスケジュールが想像を絶するレベルでしょう。それでも、私たちが素朴な行きつけの飲み屋で呼ぶとすぐに来てくれます。ボウリングのとき、イ・ビョンジンさんがグループチャットルームを作ったんです。その中でイ・ビョンジンさんがCLAZZIQUAI PROJECTのアレックスさんと一緒に後輩たちとコミュニケーションをとって、慰めてくれました。それを習ってバドミントンを始めて新たにチャンソン、BIGSTARのFeeldogが入りましたが、最初にチャンミンが私に二人の電話番号を聞いてきました。二人をチャットルームに招待するためにです。もうアイドルを超えて本当の社会人になったわけです。

エピローグ
「ホドン&チャンミンの芸・体・能」チームワーク強化合宿が開かれた江原道(カンウォンド)麟蹄(インジェ)で、MBCドラマ「7級公務員」とMnetのバラエティ番組「放送の敵」の時にインタビューしたチャンソンとジョン・パクに会った。いや、会ったわけではなく、練習する姿を見物したのだ。次々とパートナーを変えながら練習に熱中していたため、どうしても声をかけたり挨拶したりする状況ではなかった。ただの練習のはずなのに眼差しが情熱に燃えていた。何が彼らをこうにまでさせるのだろうか?バドミントンというスポーツが何だか気になってきた。

文:コラムニスト チョン・ソクヒ

「NAVER スペシャルインタビュー」では、今話題の人物にコラムニストのチョン・ソクヒさんがインタビューを実施。韓国で一番ホットな人物の本音をお届けします。

記者 : チョン・ソクヒ