イ・スンギ「スジの胸を触ったシーン…久しぶりに悪口を言われました」

OSEN |

大変な撮影で痩せ、黒く日焼けしたせいで自ずと男らしさがにじみ出ていた。本人は「田舎者」と冗談を言ったが、どこかセクシーに成長した姿だった。

歌手や俳優として活躍するイ・スンギ(26)は、25日に最終回を迎えたMBC月火ドラマ「九家の書」で半人半獣のチェ・ガンチとして、いつものように自分の役割を十分に果たした。役者としてドラマに出演する度に一段ずつ登っている、立派な俳優だ。また、ルックス的にも昨年ドラマ「キング~Two Hearts」終了後にインタビューで会った時よりもさらに男らしくなり、成熟した。秘訣を尋ねると、撮影が大変で痩せたという答えが返ってきた。

イ・スンギは「九家の書」で真の人間になるために奮闘するガンチを演じた。残酷な運命が振りかかるガンチを、これ以上なく素晴らしく演じきったと評価されている。

「このまま撮影を続けたら死ぬかもしれないと思うほど大変でした。神獣の扮装には3時間くらいかかるんです。寝る時間も足りないのに、特殊メイクまでしなければならない。ガンチはアイラインも引くし、カラーコンタクトやつけ爪までつける、“イケメン神獣”なんです。だから、神獣の扮装をするときは、ズボンも一人で脱げないですし、トイレにも行けません(笑)」

イ・スンギは神獣に変身するたびにセクシーでカリスマ性溢れる姿を披露した。それまではただ可愛いだけだった彼の変身に、視聴者は熱狂した。いつの間にか“国民の弟”という言葉を他の人に譲り渡さなければならない勢いだ。ファンたちは神獣に変身したイ・スンギのセクシーな魅力に興奮を隠せなかった。

「人の気も知らないで、ファンたちには神獣だけやれと言われました。もちろん冗談ですが、人になる秘法が書かれている九家の書を燃やすべきだと(笑) 3時間も費やしてメイクするんですから、神獣を演じる時はカッコよく映りますよ(笑) でも、本当に大変だったんです。監督にメイクを少し減らそうとお願いしたこともあります」

イ・スンギは今回のドラマで華麗なアクションシーンで注目された。ただひたすら努力によってできたアクションの演技は絶品だった。それだけ怪我もたくさんした。肌が裂け、痣ができるのは日常茶飯事だった。

「最初はやる気だけ先走っていたので、たくさん怪我をしました。徐々にコツがわかって、大丈夫になりました。アクションの演技よりも、正座をするのが大変でした。イ・スンシン将軍との対面シーンの撮影では、8時間も正座をしました。後半、鉄鎖に縛られている撮影も大変でした。当時あまり眠れなかった状態だったので、演技の途中で一瞬意識が飛びました。監督は僕が演技をしていると思って、20~30秒くらい見守ったそうです。後になって本当に気を失ったことに気づいたそうです。本当に気を失ったシーンはあまりにも危険に見えるので、放送では流れませんでした」

イ・スンギは、タム・ヨウル役のmiss A スジとのロマンスで視聴者の胸をときめかせた。美しい二人がドタバタしながら作り上げる甘いロマンスは、毎回話題になった。特に二人のキスシーンと、イ・スンギが間違ってスジの胸を触る、いわゆる“悪い手”のシーンは、ネットを騒がせた。

「シン・ウチョル監督は、キスシーンを撮る時に慎重になるタイプじゃないんです。強く押してくるので、むしろ気楽に演じることが出来ました。邪心なく、本当に仕事として演じるだけでした(笑)」

イ・スンギはスジの胸に触る“悪い手”シーン以降、ポータルサイトの人気検索ワード1位になった。“国民の妹”スジと“国民の弟”イ・スンギの突然のスキンシップシーンは、大きな話題を呼んだ。

「ここまで反響を呼ぶとは思いませんでした。人気検索ワード1位なんて数年ぶりでした。デビュー以来久しぶりに色々悪口も言われましたし(笑) スジさんのファンにジョークを言うなら、これはホットな人たちが経験する過程なんです(笑) スジさんは本当に人気なので、これから男性俳優たちとのラブシーンを撮るたびにこんな事になると思います。僕のおかげでスジさんのファンの皆さんも、メンタルが強くなったのではないでしょうか?(笑) スジさんがこれから色んな作品で色々ラブシーンを演じるようになれば、ファンの方々も寛大になると思います。もともと何でも先駆者は大変だと思いますが、僕の犠牲をわかっていただきたいです(笑)」

イ・スンギは時代劇の「九家の書」できめ細かな感情を表現し、俳優イ・スンギの能力を存分に高めた。一歩間違えればドラマから浮きがちな神獣を表現する時、メリハリの調整で卓越した能力を発揮した。

「これまでは女性の先輩方と演技をしながら、色々頼ってきたと思います。今回は僕よりも若いスジさんと共演しながら、お互いに調整する方法を学びました。演技の実力を磨いて役者にもう一歩近づけたようで、嬉しいです。また、ユ・ドングンさんからは本当に多くのことを学びました。ユ・ドングンさんが、男性俳優はカリスマ性溢れる演技をしたがるけれど、それが全てではないとアドバイスしてくれました。そのアドバイス通り、僕を枠の中に閉じ込める演技はしないようにしようと思います」

イ・スンギは「キング~Two Hearts」ではイ・スンジェから、そして今回のドラマではユ・ドングンから演技する姿勢をたくさん学んだ。特に先輩とうまく付き合う彼の積極的な性格は、先輩たちのアドバイスを体で会得し、さらにイ・スンギの演技力を向上させる理由となっている。

「実は僕も、他の男性俳優さんたちのようにカッコイイ演技がやりたかったようです。でもユ・ドングンさんが、欲を捨て作品全体を見る目を育てた方がいいという旨の助言をくださり、非常に感じるものがありました。カッコイイ演技をすることが全てではないんです。僕を中心にしてドラマを引っ張っていくよりは、ドラマのために演じる俳優になりたいです」

イ・スンギはデビューから役10年の間、大きなスキャンダルがなかった。それだけ、自己管理に徹底しているということだ。

「僕も恋愛をしないわけではないんです。好きな人もいましたし。少し交際していたこともあります。交際する時は、僕がいつも忙しいので2週間に1度しか会えませんでした。他の人たちのように平凡に交際できないので、長く付き合うことは出来ないみたいです。好きな人との思い出もあまりないですし。悔しい面があります(笑)」

イ・スンギについて話す時、必ず思い浮かぶのが、バラエティ番組の出演者としての優れたタレント性だ。機転も利く彼は、KBS 2TV「ハッピーサンデー-1泊2日」を国民的なバラエティ番組にのし上げた張本人でもある。

「バラエティのオファーは続いています。でも、まだ決まって準備している番組はないです。これまでにやったバラエティ番組とは違う斬新なバラエティ番組があれば出演したいです。いつかまた出演する機会が訪れるでしょう」

イ・スンギにtvN「SNL KOERA」への出演はどう思うか尋ねた。セクシーコードで武装したこの番組に、善良なイメージを持つイ・スンギが出演するのはどうだろう。

「(シン)ドンヨプ兄さんは、本当に演技がうまいようです。実は僕、強烈な演技はあまり合わないんです。19禁のギャグがあまり好きな方でもないですし。うまくできる自信もありません(笑)」

「九家の書」を終えたイ・スンギは、当面の間、滞っていた広告の撮影などで時間を過ごす予定だ。また、日本コンサートなどを準備しながら、忙しい日々を送ることになる。現実的に今年中に新しい作品でお会いすることは難しそうだと、活動予定を伝えた。

記者 : ピョ・ジェミン、写真 : チ・ヒョンジュン