「チャン・オクチョン」ハ・シウン“私はキム・テヒ姉さんのそばを守ります”

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「ユ・アインの夜伽ですか?私はテヒ姉さんのそばを守ります」

ハ・シウン(29)はいわゆる“中古新人”だ。デビュー9年目であるものの、まだ彼女の名前を知らない人が多いのが事実。最近SBS月火ドラマ「チャン・オクチョン」(脚本:チェ・ジョンミ、演出:プ・ソンチョル)で周りに敵しかいないチャン・オクチョン(キム・テヒ)の唯一の友オム・シヨンを演じ、視聴者に印象を残した。そのため、本名よりは“オム女官”としてより馴染みのある女優だ。

彼女は自分だけのフィルモグラフィーを着実に積んできた女優だ。名前よりも作品の中のキャラクターで覚えられる場合が多い。特に2010年に放送されたKBS 2TV「チュノ~推奴~」ではイ・ジョンヒョク(ファン・チョルン役)の妻で脳性麻痺の患者イ・ソニョン役を務め、熱演を披露した。当時“第2のムン・ソリ”というニックネームが付けられ、障がい者役の専門女優というイメージが固まったという。

「体の不自由な人の演技に対して大きなプレッシャーを感じました。演技をした後、そのイメージから抜け出すのに長い時間がかかるという話をたくさん聞きました。当時、幼かった私はその話が理解できなかったんですけど、演技を終えてみたら、私に対する期待が思いっきり高くなっていました。でも期待に及ばない点も多く、乖離感があったようです」

「“第2のムン・ソリ”ですか?私にはプレッシャーでした。私がそんなに素晴らしい演技を披露したわけでもないですから。ムン・ソリ先輩に迷惑になるのではないかと怖かったです」

障がい者役の専門女優というイメージから抜け出したハ・シウンに、再び付けられた修飾語は“友達役の専門女優”だった。ハ・シウンは「このまま再びイメージが固まってしまうのではないかと心配しました。それでこれからは主人公の友達ではなく、家族がいる役をしたいと思いました」と残念な気持ちを表した。

9年という長い女優生活の間、スポットライトを浴びたことは一度もなかった。そのため、本人も精神的に多く苦労してきたという。しかし彼女はむしろポジティブに明るく生活し、最終的にスランプを乗り越えた。

「最初は本当に辛かったです。自分が選んだ一つの道で成功できず、認められていないと思ったら崩れてしまいました。否定的でネガティブに変わりました。憂うつになったんですけど、時間が解決してくれました。『これもまた過ぎていくだろう』と思いながら耐えました。20代では急いでいました。今じゃないとできないかもしれない、みたいな。でも年を取ると、追われるように急ぎながら何かをする必要がないと思うようになりました」
ハ・シウンは「今のように忙しかった時はありませんでした」と言う。それもそのはず。彼女は最近ドラマ「チャン・オクチョン」と映画「スーパーマン カン・ボサン」の撮影を並行しながら忙しい日々を過ごしているからだ。一週間のうち4日ほどは徹夜で撮影することも多いという。しかし彼女は「撮影現場の雰囲気だけはとてもいいです。徹夜で仕事をしても怒りっぽくなる人は一人もいませんでした」と言いながら嬉しそうな笑顔を見せた。これに対し最近彼女と一番長い時間を過ごしているキム・テヒについて質問せざるを得なかった。

「キム・テヒ姉さんは完璧な人です。私に腹を立てたり、不快な思いをさせたりすることは一度もありませんでした。長い期間一緒に演技をしていたら、情も移りました。夜明けに演技しなければならない時も落ち着いてうまくこなします。学ぶところが多い女優さんです。『私も後で必ず彼女のようになろう』と思います」

しかしハ・シウンも「チャン・オクチョン」の中の女官。すべての宮中女官が目指しているように、ハ・シウンも粛宗(ユ・アイン)の夜伽を務め、地位を高めたいと思ったことはないだろうか。

「最初は王の夜伽を務めたくて、王が針房に来ると髪を整えたりするシーンが多かったです。すべての女官の憧れですね。王の夜伽を務めれば、色鮮やかなセクドンチョゴリ(五色の継つぎ布の袖が付いたチョゴリ)を着ることもできますから。でも役に集中すると、チャン・オクチョンを守らなければならないと思うようになりました。オム女官に給料もたくさんくれますし、恩人ですから。裏切ることはできないと思いました。もちろん欲は出ますが、最後までテヒ姉さんのそばを守らなければならないと思います」

「まだまだです」と言うハ・シウンは、2013年上半期を「悪くないです」と評価した。映画とドラマで忙しい日々を過ごしながら自身の名前も知らせているからだ。ハ・シウンは「まだ馴染みがないということが私の課題だと思います。でも『これもまた過ぎていくだろう』という言葉でスランプを乗り越えたように、一生懸命にやっていればいつかは視聴者に馴染みのある女優になれると思います」と抱負を語った。

記者 : ムン・ジヨン 写真 : チョ・ソンジン