【スターコラム】チョン・ウソン、お酒を飲んでもいい“奴”いけない“奴” ― Vol.2
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チョン・ウソンが悪い“奴”?想像がつかない。しかし、新しい映画「監視者たち」で彼は生涯初の悪役を演じた。ホン班長役のソル・ギョングが追い、ジェームス役のチョン・ウソンが追われる。二人のトップスターのスリル満点の追撃戦とは、果たしてどのような展開なのか気になるところだ。1994年、コ・ソヒョンと主演を務めた映画「ビート」で華やかにデビューしたチョン・ウソンは、その後イ・ジョンジェとのデュオ「太陽はない」などを通じて青春スターの代表アイコンとなり久しい。その後数十年が経ったが、チョン・ウソンの位置づけには変わりが無いようである。そのような彼が4年ぶりの映画復帰作「監視者たち」では、高度の戦略と知能的な計画で監視班の捜査網を逃れ、犯罪を繰り返す悪い“奴”とのことだ。彼がシナリオを読んですぐに、自らキャスティングに名乗り出たという「監視者たち」の撮影現場の裏にある俳優の世界にチョン・ウソンが皆様を案内する。/編集者
NAVER スターコラム:チョン・ウソンソル・ギョングさんとはほんの少し会うだけです。ほんの少し
ソル・ギョングさんとは古くからの知り合いです。最初の縁は映画「幽霊」の時で、親しくなったのはそれから2~3年経ってからです。ギョングさんとは頻繁に会い、「一緒に映画に出演しよう」と話したりしていましたが、いざとなると互いの気に入る作品になかなかめぐり会えなかったんです。実際にジョンジェさんとも「太陽はいない」以降、もう一度一緒に出演しようと数十回も言いましたが、未だに出来ていません。とにかく、今回やっとギョングさんと「監視者たち」に一緒に出演しました。ギョングさんが言うには、僕が出演するとのことで「おう!それじゃ僕も出る」と、シナリオも読まずにオッケーしたそうです。
しかし、「監視者たち」を撮ってみると、同じ映画に出演していてこんなにも二人が会わない映画はありませんでした。撮影が終わってからギョングさんが「これは無しだ、やり直しだ。何か、2人で一緒に出演した気がしない」とおっしゃいました。実はこれが「監視者たち」の特徴であり魅力です。追って追われて、キャラクター同士の緊張感はものすごいのですが、はっきりとした相手にもかかわらず、相手に実体を見せないのです。そのためギョングさんとは映画の後半になってからやっと顔を合わせます。ほんの少しだけ。
韓国映画界には、酒を飲んでも良いタイプと飲んではいけないタイプの2つがある
僕は若かったころ、自分の撮影が終わってさっさと帰ることは別として、あれこれやってみました。一日のスケジュールが終わると、スタッフと一緒に映画の話をしながら夜な夜な酒を飲んだこともあります。そして、僕の撮影分量が終わったにもかかわらず、他の人の撮影まで見守った後に帰宅したり、終わるまで待ってから頑張ろうという意味で飲み会をしたりもしました。しかし、今は大変です。最近毎日運動をしなければならないためです。以前のようにしていると、体が持ちません。韓国映画界には2種類の俳優がいます。お酒を飲んで良い俳優と飲んではいけない俳優。僕はいけない俳優です。その基準は、お酒を飲んだ次の日の反応で分かります。
仮にお酒を飲んで次の日顔がむくんでも、ソン・ガンホとソル・ギョングは「うわ~キャラクターにかなり没頭したね」と良い反応を得られる一方、僕のような役者たちは「あいつ、最近きちんと管理しないから顔がむくんでるんだ」と言われてしまいます。
そこで最近は、現場で一緒に楽しく仕事をして、他の俳優たちが撮影するのを最後まで見届ける程度にします。毎回飲むわけにはいかないので、日にちを合わせて飲み会をするほうです。今回「監視者たち」は主演俳優3人がそれぞれ飲み会を1回ずつ開催し、映画会社との席にも出席し、映画会社のほうで大きな会食を一度開催しました。その時は思い切り飲みました。
緊迫感のある映画のため、撮影現場でも互いに同じ空間ですれ違い、追われたりするので、出演者同士で冗談も言ったりしながら楽しく過ごしました。ハン・ヒョジュはとても気さくな性格の女性の後輩です。ヒョジュと知り合ってからあまり経たないうちに「ヒョン(男性が年上の男の人を呼ぶ言葉)と呼べよ」といったら、太い声で「はい、ヒョン」とすぐに答えました。
会食の時は皆良く飲んでいました。ヒョジュは本当に自然に、自分の酒量内で空気を上手く読んで飲む量を調節します。先輩たちが「一気しろ」というと、言葉でだけ大きく「一気」を叫び、憎らしくなく上手く逃れます。むしろジュノが、一度先輩からの酒を全て飲み、失神したことがあります。ジュノもそうですし、ヒョジュもそうですし、「監視者たち」を撮りながら酒量が増えたそうです ^^
元祖イケメンも歳はごまかせない
最近は1日に1時間ずつ必ずウエイトトレーニングをします。あるときはウエイトが終わってからピラティスまでします。運動は規則正しく地道にすることが重要です。いつも「今日は必ずウエイトをするぞ」と心に決めてトレーニングに行くことが優先です。そのように運動をはじめて、もう3年になります。若いときは撮影スケジュールが忙しいと、暫く運動などはできずに過ごした時も多かったです。今は絶対にできません。なぜなら、体重がなかなか落ちません。歳をとって増えた体重とは本当に恐ろしいものです。
以前は1時間で済んだことを、最近は2時間続けます。2倍の努力が必要なのです。若い頃には思い切り遊んだので疲れたとか、調子が良いときに行こうと言いながら週に2~3回行っていたとすれば、今や毎日のようにしなければなりません。骨身を削る努力です。
俳優にアクションは◯◯◯だ
「監視者たち」でジェームスには1回、大きな格闘シーンがあります。予告編にも出てくる、路地裏でのアクションシーンですが、今見ても何故あれを自分がしたんだろうと思うほど、顔があまり映りません。それこそ17対1で戦うので、力が入らなかったとしてもあちらこちらに怪我をするし、とても痛いです。それでも代役より僕が演じることを好む性格です。練習して本人ができるのであれば、観客にとってはそれが一番インパクトがあるからです。以前出演したクァク・キョンテク監督の映画「トンケの蒼い空」でのアクションシーンは実際のタッチで、2人で痛くないように殴る練習をしました。それでもキム・ジョンテさんの体中が腫れて、至るところに怪我をしました。撮影しながら最も沢山怪我をしたのは「武士」と「グッド・バッド・ウィアード」です。「グッド・バッド・ウィアード」の時は手首を骨折し、「武士」の時は膝がひどく破裂しました。
僕の長い話を読んでくださったNAVERスターコラム読者の皆様、ありがとうございます。新しい映画「監視者たち」にたくさんの声援をお願いします。「監視者たち」はクールな映画です。お楽しみください。
文:チョン・ウソン
「NAVER スターコラム」は、注目の俳優やアイドル、アーティストたち本人がコラムを執筆。話題のスターが直接書いたコラムをお届けしています。記者 : チョン・ウソン、編集 : OSEN ソン・ナムウォン局長、写真提供 : チョン・ウソン、映画社ジプ