Vol.2 ― 「シークレット・ミッション」キム・スヒョン“軍隊は海兵隊より陸軍で…”

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写真=ムン・スジ
「忘れてほしい」と言ったけれど、申し訳なくも大衆は俳優キム・スヒョン(25)のことを忘れられなかった。「近づかないでほしい」と言いながらも「遠ざからないで」と話していた彼を、結局手放すことはできなかった。母性愛をくすぐる罪深いキム・スヒョンが変わった。一人の女性だけを心の奥に秘めていた彼は去り、今回は祖国を抱いた。ハン・ガインが聞いたら寂しくなるくらいの、祖国や母親へのひたすらな真心が涙ぐましい。

それぞれ違う目的で韓国の貧民村に潜入した3人のイケメンスパイのストーリーを描いた映画「シークレット・ミッション」(監督:チャン・チョルス、制作:MCMC)でキム・スヒョンは北朝鮮では最高のエリート要員ウォン・リュハンを、韓国では最高の貧民村の“おバカちゃん”ドングを演じた。

ウォン・リュハンは北朝鮮の南派特殊工作5446部隊オソン組の第3組長で、殺人武術であるチョサルム8段、射撃狙撃率98.7%を誇る最高のエリート要員だ。英語、中国語、ロシア語、日本語など5ヶ国語が流暢で、医学、工学、科学にも長けている最適の条件を兼ね備えた人材の中の人材だ。だが、「赤壁花の浸透」という一世一大の潜行命のもとで韓国の貧民村に潜入した彼に下された任務は、意外にも“村のおバカちゃん”だった。

鼻の下にはいつも白く乾いた鼻水の跡が残っており、いつ梳いたのか分からないぼうぼうとした髪に汚い緑のジャージまで、誰が見てもエリート要員の姿はない。これだとかなり成功した潜行と言えるのだろうか。

映画のほとんどはおバカのドングに変身したウォン・リュハンの波乱万丈でコミカルなストーリーを描いている。それでも、おバカのドングだけがいるわけではない。後半に明らかになるウォン・リュハンの真の正体について、短くも強烈に描く。

写真=ムン・スジ
これまで培ったアクションの実力を思う存分披露したキム・スヒョン。鋭く致命的なチョサルムの饗宴で観客の視線を独占した。気持ちよく降る雨の中で濡れたスーツ姿で華麗なアクションを披露するキム・スヒョンに、女性ファンはハートアタックに注意したほうがいいかもしれない。

「見るにはカッコいいシーンですが、とても苦労したシーンの一つです。寒い冬でしたが、薄いスーツ一枚でアクションを披露しました。チャン・チョルス監督が水まで使い、死ぬかと思いました(笑) 水が頭から落ちてくるんですが、水ではなく氷のかけらが肌を刺すような感じでした。洋服もかなり破れたんです。ハルクになった感じでしたね。ハハハ」

容易い仕事なんてないだろうけれど、特に「シークレット・ミッション」ではあらゆる苦労を味わったというキム・スヒョンは、当時のアクションシーンを振り返り、呆れたように頭を振った。負傷よりは寒さのほうがもっと辛かったという。厚いダウンジャケットを着ている監督やスタッフがどんなに憎かったものかと可愛く口をゆがめた。

韓国の男性なら避けられない国防の義務。キム・スヒョンにとっても避けられない宿命である。今すぐではないだろうけれど、そろそろ軍入隊を準備している彼に演技を通じて軍人を体験した感想を聞いた。

「本当に軍人はすごいということを感じました。僕は短い期間でしたし、本当の軍生活をしてみたわけでもないので、感想を述べるのは恥ずかしいですね。映画では革命戦士の役だったので、実際の軍生活は陸軍をやってみたいです。もちろん陸軍も大変でしょうけれど(笑) 鬼も捕らえるという海兵隊は想像もできません。ヒョンビン兄さんはどうして決心できたのか…。兄さん、尊敬しています。僕には勇気がありません(笑)」

写真=ムン・スジ

記者 : チョ・ジヨン