「シークレット・ミッション」キム・スヒョン、スクリーン攻略大作戦

@STYLE |

写真=SHOWBOX MEDIA FLEX

ドラマ「太陽を抱く月」と映画「10人の泥棒たち」以来、久しぶりにスクリーンに帰ってきたキム・スヒョン。彼は、話題のウェブ漫画を脚色した映画「シークレット・ミッション」で主演を務めた。6月5日の封切前に、隠密で緻密にスクリーンを攻略する準備をしていたキム・スヒョンの新しい映画「シークレット・ミッション」を少し覗いてみた。/編集者

北朝鮮の南派特殊工作5446部隊。競争率20000倍の中から選ばれた最強のエリートスパイであるウォン・リュファン(キム・スヒョン)、北朝鮮で最高位の高官の息子であり、ウォン・リュファンに劣らない実力者のリ・ヘラン(パク・ギウン)、北朝鮮史上、最年少の南派スパイのリ・ヘジン(イ・ヒョヌ)の3人は、5446部隊の伝説的な存在だ。

だが、祖国統一という大きな使命を持って韓国に派遣された彼らに命じられた任務は、貧民街のバカ、歌手志望者、高校生になることだった。しかも、韓国で一番貧しい貧民街に住んでいる彼らには特別な命令もなく、いつからか貧困街の人々と一緒に生きていく日常に慣れてしまった。そんなある日、彼らは驚くべき隠密で偉大な任務を受けることになる。


ウォン・リュファン(キム・スヒョン)

名前:98-0075 ウォン・リュファン

職責:南派特殊工作5446部隊、オソン組第3組長

能力:超殺武8段、射撃Rレベル(狙撃率98.7%)、医学・工学・化学専門課程履修、英語、中国語、ロシア語、日本語の5ヶ国語に堪能

潜行名:赤壁花

遂行任務:韓国で一番貧しい貧民街にバカとして潜入しろ

潜入中の行動規範:1日3回以上、1人以上が見ている中で見事に倒れること、2人以上が見ている前で月1回路上で小便をすること、6ヶ月に1回路上で大便をすること

北朝鮮最高のエリートスパイ、ウォン・リュファンは900回以上死の危機を乗り越えた末、祖国統一という壮大な任務を持って韓国に派遣された。あらゆるの分野に長けているが、ここ2年間彼が実行した任務は毎日殴られ、遊ばれ、からかわれることが全ての貧民街のスーパーに住むバカだ。母親の面倒さえ見てくれるなら命さえも惜しまず、幼い頃は配給が途絶えるのではないかと心配していた彼だが、北朝鮮から韓国に派遣された後は党から捨てられるのではないかと心配し、今は貧民街での平凡な幸せに慣れて自分が変わってしまうのではないかと恐れている。


リ・ヘジン(イ・ヒョヌ)

名前:リ・ヘジン

職責:南派特殊工作5446部隊、オソン組第4組長

特記事項:最年少(17歳)南派要員

遂行任務:真面目な高校生を装い、ウォン・リュファン&リ・ヘランを監視しろ!

幼い頃自身の面倒を見てくれた5446部隊の伝説的存在、ウォン・リュファンへの憧れから地獄のような訓練にも耐えた。そしてウォン・リュファンが韓国に派遣された後、彼の後を継いで5446部隊オソン組の組長になり、ウォン・リュファンとリ・ヘランと同じ場所に派遣される。無垢な顔の高校生として貧民街に潜入したリ・ヘジン。彼の任務は、皮肉にも彼がそれほどまでに尊敬していたウォン・リュファンとリ・ヘランを監視することだった。


リ・ヘラン(パク・ギウン)

名前:リ・ヘラン

職責:南派特殊工作5446部隊、黒龍組第3組長

特記事項:北朝鮮最高委員会の幹部、リ・ムヒョクの息子

遂行任務:ロッカー志望者

庶子(正式な婚姻関係にない両親から生まれた子供のうち、父親に認知された者)であることを隠すため、どんな状況でもクールで前向きな姿を見せる。どこで何をしても面白くなければならないという単純で明快な性格の持ち主で、5446部隊の死を呼ぶ訓練さえも遊び場に出た子供のように楽しみながら偉大なスパイへと成長した。一度きりの人生において、歴史に名を残すという大きな夢を持って韓国に送られた彼の任務はロッカー志望生だが、毎回オーディションで苦杯をなめる。


チャン・チョルス監督

出生:1974年生まれ、寅年

学歴:弘益(ホンイク)大学校視覚デザイン学科

作品:助監督「春夏秋冬そして春」「サマリア」

演出:「天国のエスカレーター(原題)」「ビー・デビル」「シークレット・ミッション」


キム・スヒョン1問1答

―北朝鮮のスパイに、バカの演技までこなさなければならなかった。どの部分に重点を置いたのか?

キム・スヒョン:実は、バカのドングを表現することはそれほど難しくなかった。バカの性格をどのように演じ、どうやって見せるかを研究するより、僕の中にあるものをどのようにして取り出すかについてより悩んだ。人には皆バカみたいな面があるのではないか。僕もそうだ。これまで見せてこなかった別の自分を表現しなければならない分、より楽しんで演じることができた。

―映画「7番房の奇跡」でリュ・スンリョンが6歳の知能を持ったキャラクターを演じ、高い人気を得た。キム・スヒョンのおバカ演技はどこが違うのか?

キム・スヒョン:僕が表現したバカは、バカのふりをしなければならない人物だ。目標としたのは町の人々の中に紛れ込んでいる町内のバカで、子どもからお年寄りまで老若男女を問わず甘く見られ、話しかけられるバカだ。だからいつも笑顔を見せようと努力し、子供たちから見ても滑稽に思えるような身振りを研究した。映画的に上手く表現すれば観客の皆さんにも抵抗感なく気楽に見てもらえると思った。それが僕なりの目標だった。

―ウォン・リュファンは上位1%の特殊工作員だ。誰よりも完璧なアクションを表現することは大変だったと思う。

キム・スヒョン:全州(チョンジュ)で撮影していた時、何日間も連続で肉体が酷使されたことがある。冷たい雨に濡れながら撮影したため、俳優だけでなく、スタッフの中で誰かが倒れてもおかしくないような状況だったが、その時は全員のテンションが上がっていたようだ。撮影する前にアクションスクールに通いながら準備したが、どうしても体を使わなければならなかったので、体が痛かったのも事実である(笑)

―北朝鮮訛りがとても上手だった。特別なエピソードでもあるのか?

キム・スヒョン:撮影現場で俳優はもちろん、スタッフ全員が北朝鮮訛りを使った。慣れるため始めたことだったが、ずっと使っているうち自然と口から出るようになった。そのためか、現場の雰囲気がいつも和気藹々としていた。北朝鮮訛りは僕たち3人の中で、パク・ギウン兄さんが一番上手い。

―前作のMBCドラマ「太陽を抱く月」と映画「10人の泥棒たち」が大成功を収めたが、興行と人気へのプレッシャーはないのか?

キム・スヒョン:人気に対するプレッシャーは思ったより大きくなかった。プレッシャーと言えば原作のウェブ漫画の人気があまりにも高かったので、そこから来るプレッシャーはあった。ウェブ漫画と映画を比べだすときりがない。演技をする僕自身もそうだし、観客も同じだと思う。それが少し怖かった。

―興行成績を予測してみると?

キム・スヒョン:自ら出演してみるとそのような概念はなくなるような気がする。ただ、前作と同じくらい成功してくれれば有難い(笑)

―何か公約を用意しているのか?

キム・スヒョン:観客動員数が100万人を超えればステージ挨拶の時キヨミ(可愛い人)ソングに合わせ愛嬌のあるダンスを披露する。もし、1000万人を超えるなら僕を含めパク・ギウン、イ・ヒョヌ、そして監督まで、映画の中の“おバカ兄さん”ドングに扮装し、感謝の挨拶を伝える。良いと思わない?(笑)

―観客に映画をどのように見てほしいのか?

キム・スヒョン:南北の話を題材にしていることや、若い俳優が映画をリードしていくという点でも心配がある。だが、僕たちの映画には素晴らしいお手本となる先輩もたくさん登場する。正直言ってスクリーンから目を離すことができないと思う(笑) 心を開いて映画で見て、一緒に絆を感じていただきたい。


チャン・チョルス監督が語るキム・スヒョン

「有名なウェブ漫画を原作にしているため、映画への期待が高くなるしかないことも分かっていた。それで僕たちが使える武器は、キャスティングただ一つだった。特に、主人公ウォン・リュファンへの期待は凄まじかった。それを満たせる俳優を探さなければならなかったが、大胆で潜在力があって野心もある俳優を思い浮かべると韓国にたった一人、キム・スヒョンしかなかった。ウォン・リュファンとキム・スヒョンは運命的に出会ったと思う。

ウォン・リュファンである時、キム・スヒョンは本当の野獣が何であるかをきちんと見せてくれる。今回の映画のため減量しながら体脂肪を落とし、筋肉を作るため必死になって苦労した。最終的には、同姓から見ても息を呑むほど素晴らしいボディを完成させた。キム・スヒョンの身体を見たスタッフは男女ともに口を揃え、『今回の映画、大ヒット間違いなし!』と叫んだ」

原作者から見たキム・スヒョン

「キム・スヒョンがキャスティングされる前からキャストの候補として一番多く言及されていた俳優がキム・スヒョンだった。実は、私の家にはテレビがなくてキム・スヒョンがどういった俳優なのかよく知らなかった。でも、インターネットを調べてみるといっぱい出てくるので、『有名な青年なんだな』と思っていた。そして、キャスティングしてみると制作会社や投資会社、スタッフ、監督までみんなが大好きだった。その時は、その理由がよく分からなかったが、撮影が始まって現場に自ら行ってみると、どうしてそのような反応だったのかがはっきりと分かった。私よりずっと年下の青年がどうしてあんなに素敵で完璧なのかと感心した。今はウォン・リュファンを演じてくれたことに感謝している」

記者 : チョ・ヨンギョン、資料提供 : WedToon HUN(原作者)、Daum