【スターコラム】キム・スヒョン、彼にこんな過去が? ― Vol.1

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俳優キム・スヒョンの演技に接することは幸せだ。まだ若いのに、どうして感情表現がそんなに上手なのか。また、ベテラン俳優も苦労する訛りの台詞でさえも自然に演じる。だから彼のことを「キム・スヒョンと書いて名品演技と読む」と言うのだろうか。そのキム・スヒョンがNAVERスターコラムの読者の皆様にご挨拶する。生まれて初めてのコラムだと、本人も彼ならではの興味津々な表情で「これって上手くいくでしょうか」と尋ねた。

実際に会ったキム・スヒョンは、活気溢れる愉快なセンスのある若者だった。顔が小さすぎて隣に座ってはいけなかったのだが、NAVERスターコラムの読者の皆様へ直筆のサインを書く、その短い瞬間にも一緒にいたスタッフたちを何回も爆笑させる。ああ!キム・スヒョンの本当の魅力とは、こういうところなのか。キム・スヒョンに直接会うというのは本当にラッキーなことだ。現在、新しい映画「シークレット・ミッション」の主演俳優としてPRのスケジュールで忙しい彼だが、大学生として期末テストの準備でも忙しいようだ。熱血少年キム・スヒョンの俳優入門記、さあ!今からスタートだ。/編集者

NAVER スターコラム:キム・スヒョン


高校1年生のキム・スヒョン、演技と雄弁の分かれ道に立つ

こんにちは!!NAVERスターコラムの読者の皆様。僕はキム・スヒョンです(笑)
いったい何を書けばいいのか分かりません。僕の過去のこと?まだ誰にもきちんと話したことがありませんし、実際この歳なので大したことがありません。それでも頑張って書いてみたいと思います。そして……NAVERスターコラムを読んでみると、昔の写真がたくさん掲載されていましたが、僕は保管してあるものが殆どありません。写真を一人で撮って、誰かにあげて、こういうこと自体をあまりしませんでした。それでも一生懸命探しています。次回は史上初公開、キム・スヒョンのプライベート写真が登場する予定です^^

周りが僕に、子供の頃から俳優が夢だったのか、演技が好きだったのかと尋ねますが、実は僕は高校に入るまで夢がありませんでした。家と学校を行き来しながらぐーたらしているばかりで、お母さんがとても心配していたと思います。男の子が大人しく内気な姿が気に入らなかったらしいです。ある日、演技教室に行くか会話塾に行くか選択するようにと言われました。しかし僕は「この演者~今日、皆様の前で~」と、声を大にして叫ぶことは絶対出来ません。演劇をしてみると返事しました。試しにしてみようかなという程度でした(笑)


演技教室に行ったキム・スヒョン、成人と年頃の間で放浪する

そこで演技教室に通いました。教室に通う時は僕は高校1年生だったので、入試クラスではなく、成人クラスに入りました。その時に出会った人の中で一番若い人が20歳で、殆どが20代中盤から後半、更には30代の大人もいました。しかし、学校よりも演技教室で人と自然に付き合うことが出来たと思います。ただ気楽にお兄さん、お姉さんと呼びながら溶け込むと、学校で友達と交わす会話のほうがぎこちなくなりました。高校生と大人の会話は違うからです。

最初は本当におかしくなりました。どちらもぎこちなく、僕はどっちにキャラクターを定めれば良いんだろうと思っていましたが、今でも僕は年上の人たちと仲良くするほうが好きになりました。その時に本当に親しかった兄さんが延世(ヨンセ)大学で演劇サークルに所属している先輩でしたが、後に聞くと、あそこが演劇に関しては大学でとても有名なサークルでした。

兄さんにそっち方面の関係者を紹介してもらいながら一層慕うようになった部分もありますし、その先輩に毎日くっついているうちに「僕らが演劇の準備をしているところに遊びにおいで」と言われ延世大学まで行きましたが、そこはさらに違っていました。あそこは教室ではないので。さらに延世大学のイメージがあるじゃないですか。そこで残念に思いました。自分もここに所属したい。しかし僕は延世大学ではない。延世大学は演技専攻の関連学科がないので、僕が勉強で入れそうにない、と思いながら(笑) そのイメージを説明すると、今僕が通う中央(チュンアン)大学演劇映画学科では、学生たちが全て俳優だ、我々は“演技”をする人だ、こういったプロ意識を持っているとするなら、向こうの雰囲気はそれこそ演劇を研究する学生のようなイメージでした。アプローチする方法がまったく違うわけです。そういうところが面白かったです。


高校生のキム・スヒョン、延世大学の学生会館で寄宿する

延世大学演劇サークルの兄さんたちとつるむときは、公演を通じて演技をする機会がありましたが、僕が高校1年の時から高校3年生、20歳になるまではそっちに通いました。部外者で延世大学の学生ではありませんが、公演に参加できるよう許可をもらいました。サークルの会長団のグループがありますが、許可をもらうのがとても難しかったです。

それでも僕を公演に入れたがっていた兄さんたちが「一回だけ参加させて欲しい」と頼み続け、結局それに負けた会長団が一回してみろと言って、そういう風にやっと許可を頂きました。僕が嬉しさのあまり泣いて、その時本当にたくさん泣きました。感謝していますと挨拶もしましたし。

そのようにして深まった所属感で、延世大学で寄宿生活をしました。言葉通り、ただ寄生したわけです(笑) 学生会館のサークルの部屋のパスワードを知っていたので、そこで寝て、食べて、シャワーを浴びて…全てをそこで済ませました。その時、僕の家族が一山(イルサン)に引っ越した状態でしたが、一山は僕が昔住んでいた町とは真逆の3号線でした。知り合いもいないうえ、一山といっても少し山に近いほうでした。

空気が綺麗で、たまに頭を冷やしたりする生活にはもってこいの場所でしたが、ソウルまで出てきて遅くまで公演の練習をすると、家に帰るには遅い時間になり、そこで延世に寄生しながら公演の練習に集中しました。今思い返してみると、その時に面白いことが本当にたくさんありました。延世大学の山には蚊が本当に多く、野外劇場の直ぐ後ろが学生会館の建物でしたが、今はリモデリングして良くなったそうです。その時は天井に穴が開いていました。壊れていたわけです。どうして壊れていたんだろう。とにかく、あそこから蚊が入っていました。僕はあそこのソファで寝ていたので大変でした。いくら体を綺麗に洗って寝ても、僕は必ず蚊に刺されました。あ~痒いな(笑)

食事は延世大学の食堂に1900ウォン?のトンカツがありました。ボリュームもあって味も良くて、お金のある日はトンカツで夕食を済ませました。夜に日が暮れて食堂が閉まると、セブランス病院の方に行くとコンビニがあります。屋外劇場の後ろのほうから行くと距離が近いです。そこでパンを食べて、それくらいですかね。あまり悲しくはありませんでした。面白かったです。


20歳のキム・スヒョン、演劇とシットコムの分かれ道に立つ

延世劇芸術研究会は、他の劇団のように体系的でもあり、演劇方面の知識が深いです。もちろん、サークル会員の専攻はそれぞれですが、演劇に対する関心が高く、ものすごい情熱を持っています。そのようにして初めて、きちんと演劇に接し、そこで公演に向けて演技の準備をしている最中にオーディションを受けました。演劇サークルで親しかった兄さんたちからオーディションに誘われ、何も考えずバスに乗って汝矣島(ヨイド)MBCに行ってオーディションを受けたんです。

オーディション会場に着いて他の参加者たちを見ると、ヘアメイクにオーディション用の服装を整えていましたが、とりわけ僕らだけよれよれのトレーニング服に公演の練習をしていた服装そのままで来ていました。僕は髪が若干縮れ毛なので、練習の時は常にヘアバンドをしていました。それこそプー太郎の髪型です。面倒くさいのでヘアバンドで適当にまとめた髪です。ぼーっとしてたら入るようにと言われ、入ってみるとカメラがあって照明があって目も開けられずにいると、シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)のオーディションでした。

彼女も来て、二人でやり取りするのですが、相手が「それ、あなたが片付けたの?」と聞くと図々しく「違う、知らない」と答えるものでしたが、実は、それってどんぐりの背比べじゃないですか。オーディションを受けると、とびきり優れている人がいない限り、その歳頃の役者は似たり寄ったりです。プロデューサーさんが僕の頭を見るといきなり「あいつ髪型が面白い」とオーディション会場に入るや否や「いや~ハハハ、あいつの髪型面白いね。あのキャラクターでひとつ作ってみよう」こういうふうになったわけです。そのようにオーディションを受けたら、実力より運で雰囲気が盛り上がりました。髪型が面白かったので。

オーディションを受けて、演劇の準備で忙しかったときにMBCから「シットコムにキャスティングされた。君がやれ」との連絡が来ました。そこで悩みが始まったのです。はい、もちろんこれも良いんですが、僕は演劇に参加することになっていまして、まず「やってみます。両方とも並行します」という風になったんです。

では…皆様、いかがでしたか。第2話では僕がどのようにして俳優の道を歩むことになり、中央大学に入学してから無名の時代、先輩、後輩たちにおごってもらわなければならなくなった話をしたいと思います(笑) それではまた会うまで、バイバイです。

文:キム・スヒョン

「NAVER スターコラム」は、注目の俳優やアイドル、アーティストたち本人がコラムを執筆。話題のスターが直接書いたコラムをお届けしています。

記者 : 編集:OSEN ソン・ナムウォン局長、写真:キム・スヒョン、キーイースト