「サメ」キム・ナムギル“完成型の悪い男”で戻ってきた

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3年ぶりにドラマ復帰したキム・ナムギル「悪い男を演じながら癒される感じ」

写真=イ・ジョンミン
「善徳女王」から「赤と黒」まで、お茶の間に“悪い男シンドローム”を巻き起こした俳優キム・ナムギルがドラマに復帰した。公益勤務要員の召集解除後、彼が選択した作品は、KBS 2TV新月火ドラマ「サメ ~愛の黙示録~」だ。ドラマ「復活」「魔王」で復讐シリーズを手がけたキム・ジウ脚本家とパク・チャノン監督の“復讐完結作”だ。

21日に行われた制作発表会でキム・ナムギルは、「実はまだぎこちなく、緊張する」と本音を語った。「撮影現場で監督と話す時に台本を持っている手が震えるほどだった」と話し、再現するかのように、席から立ち上がり紙を持ち上げたりもした。その後、何事もなかったかのように発表会を続けたが、腕時計を外してから手に取り、ぐるぐる回すなど、キム・ナムギルの忙しい手の動きからは緊張と興奮が伝わった。

「不思議なことに“悪い男”に惹かれる……もう少し完成した姿をお見せしたい」

「サメ ~愛の黙示録~」でキム・ナムギルが演じる役は、韓国で家族が無念の死を迎え、彼自身も命を狙われるようになると、日本に渡りヨシムラ・ジュンという名前で生きるが、復讐のために韓国に戻るハン・イスだ。チョ・ヘウ(ソン・イェジン)と子供のころ、純粋な初恋をするが、復習のために彼女にさえ矛先を向ける“悪い男”だ。

「再び悪い男を演じるようになった」との言葉にキム・ナムギルは、「個人的には明るい役を演じてみたい。もっとお茶目なラブコメのようなものにも自信がある」と語り始めた。それにも関わらず「どこか影があって、子供の頃のトラウマを持っている人物に惹かれる」と話す彼は、「人が自分の人生でそれぞれ持つ痛みをどう表現すればよいのかと、悩まされる部分もある。しかし、そういった痛みを表現した時、それを見る視聴者も僕も癒されるような気がする」と説明した。

「『サメ ~愛の黙示録~』と『赤と黒』も、似ていると言えば似ているキャラクターです。差別化しようと努力してみましたが、違わないということが分かりました。そこで、その時より感情や表現が深くなる方法には何があるかと悩んでいます。『赤と黒』が終わってからのインタビューで『これ以上お見せするものがない』と話しましたが、今回も僕の限界をかなり実感しています。しかし、『赤と黒』の時より、もう少し完成した姿をお見せしたいです」

写真=ANNEX TELECOM
2010年に入隊してからキム・ナムギルを再びテレビで見るまでに3年間かかった。視聴者はもちろんのこと、彼自身、誰よりも演技に飢えていた。「昔ならドラマ撮影で徹夜したりすることを心配していました」と話すキム・ナムギルは、「そこで、撮影が終われば『どうかしそう』『死にそう』と思いましたが、今は本当に幸せです」と告白した。これに先立ち「サメ ~愛の黙示録~」の初めての撮影の時も自分の撮影がない日まで現場に訪れ、雰囲気を満喫したという。

しかし、怖いことも事実だ。「カメラの前に立つだけで汗が出るほど戸惑っていました」と打ち明けたキム・ナムギルは、「『以前と同じくらいでも演じることが出来れば何より』と思ったほどだ。時が経ち、経験を積んだことで問題ないと思っていたのに、少し演技を休むと難しかった」と語った。そこで、彼の目標は「『赤と黒』の時の自分を乗り越えること」だそうだ。「その時の演技が良かったとか、良くなかったとかではなく、その時だけでも演技が出来れば良いという思いで演じている」とキム・ナムギルは説明する。

「演技というのは、すればするほど、時が経てば経つほど、難しいものだと思います。『善徳女王』のお陰で認知度を上げてから、そのせいで多少生意気になったり、初心を忘れる可能性さえもあったと思います。しかし、公益勤務をしながら『小さなことに幸せを感じ、初心に戻ろう』とよく考えるようになりました。昔は演技をしているだけで幸せな時期があったからです。これからもそのような部分を守りながら生きていきたいです」

「今までの復讐劇と差別化するために力を入れる」

写真=イ・ジョンミン
「公益勤務をしている間、楽な生活をしていたので体重が80kgまで増えました。しかし、仕事をする頃になると自然に落ちました。召集解除の後、『善徳女王』のパク・ホンギュン監督やキム・ヨンヒョン脚本家と何度かお会いする機会がありましたが、最初は特に何も言われず、『サメ ~愛の黙示録~』を決定する前になると『やっと仕事をする時期になったようだな』と言われました。『体重も多少落ちて、エンジンがかかったようだな』と付け足しながら」

その通りだ。“エンジン”がかかった。映画制作者からCF監督、OST(挿入歌)歌手まで、様々な経験をしてきた彼だが、なんと言っても最高なのは“演技”だ。「サメ ~愛の黙示録~」はもってこいの機会だ。キム・ナムギルもまた「最近、広告の演出をしながら『これは本当に誰にでも出来るものではないな、他人のお金で演出することは簡単ではない』と思いました。演技が一番好きです」と話し、「キャラクターの感情を視聴者に見えるように伝える職業なので、大変ではありますが、演技の他に出来ることはありません」と強調した。「他人が持っている感情を共感しやすく表現するという点」が、彼が考える俳優の魅力だ。

特に、「サメ ~愛の黙示録~」は「復活」「魔王」に続く復讐3部作であるだけに、キム・ナムギルの期待も大きい。「一つは復讐する人の立場を、もう一つは復讐される人の立場を表現したとすれば、『サメ ~愛の黙示録~』は復讐をする立場とされる立場の両方を表現します」と説明したキム・ナムギルは、「今までの復讐劇とは違うものを表現したくて、監督と脚本家、俳優が力を入れています」と伝えた。“完成型の悪い男”の出現……これは期待しても良いのではないだろうか。

「サメ ~愛の黙示録~」は、「オフィスの女王」の後続作で韓国で27日午後10時から放送をスタートする。

「『善徳女王』の時の視聴率と、今の視聴率は概念が違いました。どの程度が高い数値なのか分かりませんが、個人的には30%は超えて欲しいと思います。初放送は12~15%ほど?(笑) 後から何か公約が思いついたら僕のSNSでお知らせします!」

記者 : イ・ジョンミン、イ・ミナ