危機の2PM、何が問題か?

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写真=JYPエンターテインメント
韓国トップクラスのボーイズグループの一つ、2PMが四面楚歌に陥った。3rdフルアルバム「GROWN」でカムバックしてから10日も経ったが、韓国の人々の反応は生ぬるく、雰囲気もなかなか盛り上がらないでいる。

BIGBANGと両輪をなしていたほど強大な大衆性を見せつけていた過去と比較してみれば、明らかにみすぼらしい成績だ。2013年JYPの野心作の一つだった2PMは、なぜ遅々として進まない歩みを見せているのだろうか。

派手なカムバックに比べ、目立たない音楽配信成績

2PMはこれまで以上に派手にカムバックした。11日MBCで人気歌手だけが編成してもらえるという噂のカムバックショー「2PMリターンズ」を流し、雰囲気を一気に盛り上げた。この番組で彼らは、派手なパフォーマンスとスイートなバラードを同時に歌いこなし変化した姿を見せ、これまでのヒット曲と新曲を適切に混ぜ“見どころ”のあるカムバックショーを作り出すことに成功した。

しかし、そこまでだった。「2PMリターンズ」を通じて初公開したダブルタイトル曲「この歌を聞いて帰って来て」と「ハ・ニ・プン」が音楽配信市場であまりよい反応を得られないでいるためだ。序盤は期待を追い風に先頭をマークすることもあったが、すぐに順位が落ち、現在はリアルタイムランキング20~30位圏にとどまっているサイトもある。大々的なカムバックショーまで行ったにしては、非常にショッキングな成績である。

実は、今回の活動は2PMにおいていつよりも重要なタイミングだった。一連の不祥事によりグループのイメージが墜落している上に、前作が期待通りの成功を収められず、各メンバーのソロ活動も活目に値する成果を出していないためだ。その上、所属事務所のJYPがアメリカ進出の失敗とWonder Girlsの活動停止など悪材料に苦しんだことも危機意識を煽ることに一役買った。

日ごとに変わる音楽配信市場で、20~30位圏に落ちたということは、既に人気が落ちているという指標と捉えてもよさそうだ。約2年ぶりに“死活をかけて”リリースした音楽が大衆から爆発的な声援を受けられていないことは、深刻な問題だ。2PMだけでなく、所属事務所のJYPまで困惑する状況となった。

一つ慰めとなるのは、リアル(オフライン)でだけは膨大なファンダム(特定のファンの集い)をアピールし、ランキング1位に上り詰めたことだ。これは、依然として2PMを支持するファン層は生きているという証拠なため、希望の余地が残されている。大衆的な人気を分かつ音源に限っては弱い姿を免れないでいるが、強固なファン層が依然として残っているだけに、はなはだ絶望的な状況と見ることは難しい。そのためさらに、なぜ今回音源で失敗したか、着実に振り返ってみる必要がある。

“期待以下”2PM、果たしてなぜ?

それでは2PMは、果たしてなぜ大衆性の喪失という危機に直面することになったのだろうか。最大の理由は、音楽そのものにある。アーティストが愛される方法は、意外と単純だ。歌が良ければ、大衆が勝手に見つけて聞いてくれるのだ。でも、今回2PMのダブルタイトル曲「この歌を聞いて帰って来て」と「ハ・ニ・プン」は、大衆の耳を刺激する“一発”が足りないのが事実だ。過去ほどのインパクトもないし、感性をうまく刺激してもいない。一言で言ってしまうと、物足りない感じなのだ。

音楽配信市場でロングランするには、大衆の心を確実に掴むポイントが必須だ。だが、2PMがリリースした2曲は、これまで多く聞いてきた、悪く言うと飽きるほど聞いてきたJYP音楽の延長線上にある。大きな変化もトレンディさも見つけられない彼らの音楽に大衆が熱狂することは難しい。ファンダムは動かすことができるかも知れないが、その他の階層を魅了するには、法外に足りないレベルなのだ。

タイミング的に運が良くなかったのも理由の一つだ。2PMがカムバックする当日、こともあろうにイ・ヒョリが先行配信曲「Miss Korea」をリリースし、人々の視線を分散させたためだ。大胆な変身に乗り出した自作曲で勝負をかけたイ・ヒョリに2PMはなすすべもなく押されたわけで、序盤のヒット争いに最も重要な、音源のリアルタイムランキング1位も奪われてしまった。勢いを上げるための上昇力が、最初から折れてしまったのだ。

ここに、チョー・ヨンピル、PSY(サイ)、ロイ・キム、Secret、Vibe、4Menなど新旧世代を代表する伝統的な音源の強者たちが矢継ぎ早に登場し、ランキング争いを繰り広げたのも負担となった。類例がないほどしのぎを削る競走が繰り広げられたのだ。この中で2PMが閉められる持分というのは、明らかに限定されるしかなかった。下にはB1A4とTEENTOPが、上には神話(SHINHWA)が居座っている状況で、ボーイズグループとして自分の居場所を作るのは決して容易いことではない。

チーム内エースの不在も無視できない要素だ。パク・ジェボムが不祥事により脱退してから、2PMのエースは名実ともに“タイの王子様”ニックンだった。ハンサムなルックスに優れた運動神経、誠実で純白なイメージで自己管理にも徹底し大いに愛されていたニックンは、2PMの顔として活躍しながら膨大な人気を博した。様々なバラエティ番組を縦横無尽しながら大活躍したニックンにより、2PMはそれなりの大衆性を維持していた。

しかし、昨年7月のニックンの飲酒運転事件は、この全てのものを一瞬にして崩した。ニックン自らが「ファンたちを裏切ることだった」と告白するほど、彼の少年のようなイメージが好きだった大衆にこの事件は許しがたい、大きな間違いだったのだ。一挙にチーム内エースが消えてしまい、テギョン、ウヨン、チャンソン、Jun. K、ジュノなどが次々とソロ活動に乗り出してニックンの空席を埋めようとしたが、大きな呼応を得ることはできなかった。

このように2PMは、オールドなスタイルのタイトル曲の選定、対決の組み合わせの運の悪さ、チーム内エースの不在、メンバーソロ活動の失敗など様々な悪材料の中、2年ぶりのカムバックで辛酸を舐めている。冷静に言うならば、現在の音源成績のパターンから、今回の新曲のランキングは下がることはあっても上がることは無さそうだ。

今必要なのは、音源の成績を引き上げようと無理して試みることではなく、下がった大衆性をどのようにして引き上げるかに対する真剣な悩み、そして今回の音源がなぜ失敗したかに対する自己省察である。果たして2PMは、今回の失敗を他山の石とし、過去の栄光を改めて再現できるだろうか。危機を迎えたデビュー5年目のグループ2PMの次の歩みが気になる理由だ。

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記者 : キム・ソンギュ