キムジョ・グァンス&キム・スンファン同性結婚…“婚姻届、ゲイらしく戦ってみせる”

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キムジョ・グァンス監督(48)が19歳年下の同性恋人キム・スンファン(29)RAINBOW FACTORY代表と今年の9月7日に結婚する。

9年前にセクシュアル・マイノリティー人権団体「友達関係」で出会った二人はキムジョ・グァンス監督のアプローチで恋人関係になった。これまで「19歳年下の同性恋人」とだけ知られてきたキム・スンファン代表は15日、結婚式の記者会見を開き、初めて公式席上に登場し、取材陣の熱い関心を一身に受けた。

二人は大きな事をやり遂げたように終始すっきりとした表情で記者会見を満喫した。キムジョ・グァンス監督はキム・スンファン代表がインタビューを前に少し固まっていると「心配しないで」と緊張をほぐしてあげるなど、和気あいあいとした姿を見せた。

“一つの段階を越えた気持ち…すっきりしています”

キムジョ・グァンス監督は、2006年映画「後悔なんてしない」(イソン・ヒイル監督)のマスコミ向け試写会で自身が同性愛者であることを明かした。キム・スンファン代表は周りの人にカミングアウトしてから今年で3年が経つ。「隠れて生きてきたゲイだった」というキム・スンファン代表はキムジョ・グァンス監督に出会ってから、自分がもう恥ずかしい存在ではないということに気づいたそうだ。

9年間の交際の末に「結婚」という意味のある実りをあげたキムジョ・グァンスカップル。キムジョ・グァンス監督はこの日TVレポートとのインタビューで「次の段階に行くような気分だ。とてもすっきりしている」と本音を明かした。

次はキムジョ・グァンス監督、キム・スンファン代表との一問一答。

―公の場に立つまでかなり悩んだと思うが。

キム・スンファン:両親は僕が傷つくことを望みませんでした。ゲイとしての人生も意味があっていいけれど、自分の子どもが社会変化の先鋒に立つことを望んではいなかったのです。ずっと僕に「その道(公開結婚) を歩くべきなのか」と止めました。キムジョ・グァンス監督との関係が問題ではなく、自分の子どもが傷つくことを心配しました。今日は、「いい一日にしてね」と言ってくれました。

―両家のご両親との挨拶は?

キムジョ・グァンス:挨拶はまだです。しかし、両家の両親はお互いを良く知っているし、連絡を取り合う間柄です。公式的な挨拶は近いうちにする予定です。

キム・スンファン:僕の姉がキムジョ・グァンス監督の両親に会ったことがあります。両親も電話する度にキムジョ・グァンス監督のことを聞いたりします。

―今週の月曜日(13日)、いきなり結婚発表をした。

キムジョ・グァンス:2年前から結婚の意思を明かしてきました。実は2年前に結婚したかったのですが、難しかったです。キム・スンファンさんのご両親から許諾をいただくことがなかなか難しかったです。ちょうど最近、許していただきました。結婚の準備はずっと続けてきました。

キム・スンファン:本日の記者会見が結婚準備のスタートのように思えます(笑)

―どちらが先にアプローチしたのか。

キムジョ・グァンス:当然、僕が先にしました。年があまりにも離れているので、僕のことを受け入れてくれるかどうか心配でしたが、僕はとりあえずやってみるタイプなので。最初はキム・スンファン代表が僕のことを受け入れることを難しがっていました。

キム・スンファン:“友達関係”は小さな団体じゃないですか。小さな団体の中で一種の社内恋愛をすることに対して慎重になりました。そうですね、なぜ戸惑ったのでしょうか(笑) あの時は、キムジョ・グァンス監督を30代前半だと思っていました。当時僕は21歳でした。

―同性恋人である事実と19歳年下ということにも関心が集まった。

キムジョ・グァンス:異性愛者たちにとっても19歳という年の差を克服するのは難しいです。最初は正直、お互い負担ではありました。今は、本当に何とも思いません。19の年の差は僕たちにとって障害ではありません。

キム・スンファン:幸いなのか、不幸なのか、僕はキムジョ・グァンス監督と体力が似ています。旅行に行ってもスケジュールは僕が立てますが、実際には消化できないタイプというか。70年代、80年代文化に対する好みも似ていますし。

―決定的に両親が許してくれたきっかけがあると思う。

キム・スンファン:両親に真心を込めて一度話したことはあります。父を説得しました。最初は父がとても反対していましたが、後からはむしろ父が母を説得してくれました。普通の韓国社会では夫の言葉に少し権威があるじゃないですか。父が大きな力になってくれました。

―同性愛について以前より寛大になった。テレビなど番組出演の計画はないのか。

キムジョ・グァンス:個人的に、SBS「スター夫婦ショー チャギヤ」やKBS 1TV「朝の広場-土曜日、家族が呼んでいる」に出演してみたいです。SBS「ヒーリングキャンプ~楽しいではないか~」、MBC「黄金漁場-ヒザ打ち導師」もいいですね。呼んでくれれば、どこでも。

キム・スンファン:「チャギヤ」に出てきたカップル、かなり別れたじゃないですか(笑) 僕は違う番組に出てみたいです。

―朴槿恵(パク・クネ) 大統領が結婚式の招待に応じると思うか。

キムジョ・グァンス:来ないなら、それは仕方ないですね。朴槿恵大統領と僕が政治的には反対の地点に立っていますが、僕たちの結婚は政治的なものとは関係のない、人権の問題です。

キム・スンファン:朴槿恵大統領も独身の女性じゃないですか。社会的に見るとマイノリティーなのです。また、朴槿恵大統領が文化面においては進歩的な立場を取るときもありますし。

―カミングアウトする芸能人が増えることを希望するか。

キムジョ・グァンス:はい、もちろんです。戸惑っている方々が僕たちを見て勇気を出してくれればと思います。表すことがどれだけ幸せなのか知ってもらいたいです。強要するのではなく、カミングアウトすれば、僕たちのように楽しくなれるということを伝えたいです。自分の周りに同性愛者がいないと考えて、無心に投げつけた言葉に反省する部分もあると思います。

キム・スンファン:一人がカミングアウトすれば、周りも変わります。セクシュアル・マイノリティーだけでなく人種、障害など他のマイノリティーについても違う考え方を持つようになるのです。カミングアウトによって人権の指数が高くなるんです。


“婚姻届…ゲイらしく戦ってみたいです”

―婚姻届を出すと明かした。長い戦いになりそうだが。

キムジョ・グァンス:法的に同性の婚姻届を出すことができない状況です。婚姻届を提出しても却下される可能性が100%です。それでも、ゲイらしく戦ってみたいです。

キム・スンファン:ハ・リスさんも住民登録番号を変えるのに大変な戦いを強いられたじゃないですか。ゲイらしく戦うというのは、血を流して戦うのではなく、人々を喜ばせながら、ハツラツに闘争することを意味します。

記者 : キム・スジョン 写真 : キム・ジェチャン