KARA、T-ARA、Apink…ガールズグループの騒動はなぜいつも“熱い”雑音を誘発するのか?

OSEN |

音楽担当記者をやっていると、音楽業界に大きな事件があるたびに、知人から電話が殺到する。K君とは誰か、ソ・テジとイ・ジアの関係を知っていたか、キム・ジャンフンとPSY(サイ)の関係は大丈夫なのか、などなど。

最も多く電話が殺到した時を挙げろと言われれば、断然T-ARA事件の時だった。昨年、T-ARAのメンバーだったファヨンが、事務所の脱退の決定により音楽業界から去ることになった時、まさに火がついたように電話が鳴り続けた。“意地悪な”T-ARAがファヨンに何をやらかしたか、事務所は一体どういう所なのか、T-ARAへの関心はオリンピックの熱気を一瞬にして制するほどだった。

その次に電話が殺到した時と言えば、KARA事件の時だった。ギュリ以外の4人のメンバーが事務所に内容証明を送ると、人々は興味を持った。なぜギュリは外れたのか、4人の性格はどうなのか、報じられていない裏話はないのか。

考えてみれば、驚くことだ。T-ARAとKARAを合わせたよりも人気が高かった東方神起が、現在の東方神起とJYJに別れた時さえも、そこまで熱い関心はなかった。ボーイズグループの脱退や解散は数えられないほど繰り返されてきたが、“国民的な話題”になったのは2PMの元メンバーパク・ジェボムだけだった。しかしパク・ジェボムは、練習生時代の投稿が先に騒ぎになってから脱退が決まったので、その話題が全て“脱退”によるものだと見ることは難しい。

ガールズグループのメンバー構成をめぐる議論は、確かにより頻繁な方だ。最近はApink ホン・ユギョンの脱退に関する話題が熱かった。事務所は学業のために円満に脱退したと発表したが、ホン・ユギョンの父は一方的な解雇だと主張している。これはホン・ユギョンの父のSNSを通じて議論が拡散したが、グループのメンバー側が事務所の窓口ではなく、直接世論に訴えたという点は興味深い。

この他にも、ガールズグループを脱退したメンバーはかなり多い。Wonder Girls、AFTERSCHOOL、Girl's Dayなどの人気グループも、メンバーの脱退と交代を経験している。スムーズではなかった。噂と議論が続いた。

“学業のために”“メンバー側の意志を尊重して”という理由は、半分は正しく、半分は間違っている。実際勉強するために学業に専念すると意地を張るメンバーもいれば、歌手を続けたいのに親が連れ戻すケースもある。いくら契約書があったとしても、親が積極的に乗り出せば事務所も仕方なく手放す方だ。

残りの半分は、事務所の方が先にお手上げ状態になるケースだ。親が介入しすぎるあまり、グループの活動に支障をきたす場合は、契約解除という最後のカードを切る。男性関係に問題があってグループの雰囲気を害したり、メンバーたちを仲たがいさせた挙句、脱退したケースもある。もちろん、事務所の実利打算だけが適用されたケースもなくはない。

大型グループと新人グループの区別なく連番で紹介するなら、次のいくつかのケースが挙げられる。グループAのメンバーは新曲の雰囲気とまったく合わず、プロデューサーの“命令”により休むことになった。グループBのある予備メンバーは、他のメンバーたちを不器量だといびり続けられた末に解雇された。グループCのあるメンバーは重要なスケジュールを前に練習をサボりネイルケアを受けていたことが見つかり、事務所の怒りを買って脱退した。グループDのあるメンバーは事務所の役員に対する不満を提起し脱退した。グループEのあるメンバーはデビュー前の望ましくない行動が遅ればせながら露呈し、脱退が決まった。この中の一部は報道され関心を受けたが、一部は業界内だけでしか知られていない。他の騒ぎの方が大きくなり過ぎ、本当の脱退の理由が覆われたケースもあった。

このような理由を詳しく明かせば、事務所かメンバーの二人に一人が傷つくので、主に“学業のために”という言い訳が付くことになる。事務所は去るメンバーに文句をつけることは体裁が良くないため、もしくは事務所の利益にも被害を及ぼすため、できるだけ沈黙しようとするが、この行動がファンの噂に火を付ける。

芸能界という派手で閉鎖的な空間でどのようなことが起こっているかに対する関心は高い。そこに10代後半から20代前半の可愛い“ガール”たちが合流し、莫大な権力者として“君臨”する事務所の力が加われば、関心は妙に熱くなる。

様々な刺激的なプロットを持つ噂が本当のように広まり、これを裏付ける数々の映像と目撃談が“悪魔の編集”により加われば、どんなグループでも生き残れない。少女時代は一時期、あるメンバーが他のメンバーのスカートをめくるシーンがキャプチャーされたという理由で、不合理な不仲騒ぎに悩まされた。このように馬鹿らしく終わることもあるが、脱退や解散などアーティストの方から引き金を提供する場合、噂は力を得る。

ドラマの見過ぎだろうか。その仲間が集まった生活は、誰もが悪にもなるし、正義にもなりうるものだが、人々は“悪女”が誰なのかを洗い出し、狩りに出る。人気が落ちたスターを冷静に切るのは大衆の役目なのに、大衆より先に芸能人を切り捨てた事務所は“越権行為”を働いた巨大権力集団にみなされる。相対的に“か弱い弱者”として分類された側には熱い声援が、“意地悪な強者”に分類された側には厳しいムチが飛んでくる。

真実は当事者のみが知っている。記者も分からない。芸能界に広まった噂も、歌手がオフレコで打ち明けた話も、事務所側がくどくどと発表した公式立場も、むやみに信じることはできない。ある片方が100%悪いと言い切れる事案もほとんどない。良し悪しの比重は全て違うだろうが、大半の場合、ほとんどの事故がそうであるように、双方過失だ。そのため、このような議論は、誰の非が先に浮き彫りになるかが勝敗を分かつ戦略の戦いに突っ走る。

KARA事件は一件落着したが、T-ARAの件は現在進行形だ。議論はコントロールできないほど膨らんだが、事務所はこれまで緘口令を出していた。いたずらに釈明した所で、損するだけだと判断したからだ。夜な夜な大衆の前で釈明する夢を見たという彼女たちは、韓国で6日に放送されるtvN「ビートルズ・コード」で初めて口を開くことにした。どこからどこまで話すか、その結果、非難の世論が多少は収まるのか、むしろ“悪い女”のイメージをさらに確固たるものにするかは容易く予測できない。どちらにしろ、反応は熱い。関連記事にはコメントが2万件以上ついている。最近では最大の数値だ。

Apinkは、ホン・ユギョンの父が他に何か言わない限り、これで終わる見込みだ。ホン・ユギョン本人、そして彼女の母と一緒に契約解除をしたことで間違いないという立場の事務所は、すぐにも代わりのメンバーを入れてApinkをカムバックさせる予定だ。

嵐のような事件はいつかは過ぎ去るだろうが、知名度の高いガールズグループはまだ多い。雑音と議論、噂と陰謀はいつでもまた生まれ、狂風を巻き起こす見込みだ。派手で隠密な空間、可愛い少女たち、不祥事の多そうな権力者が絡み合ったストーリーは、あまりに魅惑的だから。ヒットは保証されている。

記者 : イ・ヘリン