チョ・インソン、大きな危機感を抱いて準備した「その冬、風が吹く」を語る

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2008年、映画「霜花店(サンファンジョム)-運命、その愛-」に出演後、兵役の義務を果たすため空軍に入隊した俳優のチョ・インソン。2011年に除隊してからは映画「拳法」への主演が決まっていたが撮影が延期となった。

その後2年にわたる空白期間が続いたが、除隊後初の出演作となったSBSドラマ「その冬、風が吹く」では5年前と変わりなく、視聴者の心を揺るがした。

5日にインタビューに応じたチョ・インソンは「除隊後初の復帰作の滑り出しが順調で心が晴れやかだ」と表情も明るい。

ドラマは3日に放送が終了したばかり。翌朝は目が覚めたときに訳も分からず涙が止めどなく流れた。準備期間を含めほぼ半年をかけた作品が終わってしまい虚脱感に包まれたという。

「その冬、風が吹く」は日本のドラマ「愛なんていらねえよ、夏」が原作。人気脚本家、ノ・ヒギョン氏が脚本を手掛け、チョ・インソンと女優のソン・ヘギョの共演が話題を集めた。

荒々しい男、オ・スを演じたチョ・インソンは空白期間があったことを感じさせない演技で、あらためて存在感を示した。ドラマの準備期間中はパニックになるほどプレッシャーが大きかったというが、原作の日本ドラマの出演俳優と比較する質問には「韓国の情緒には僕の演技がしっくりきたのではないか」と余裕を取り戻した様子だった。

ドラマの準備として、演技コーチと共に1日4時間の練習に没頭した。それだけ大きな危機感を抱いていた。

「一人でつぶやきながら練習するときは大丈夫でも台本を読むときはどこで息継ぎをしてよいのかさえ分からなくなっていました。俳優になって10年がすぎても息継ぎさえろくにできず途方に暮れ、早く感覚をつかもうと軍隊に入隊する前よりも練習量を増やしました」

5年ぶりの演技に加え、感情表現が激しい設定だったためドラマの全ての場面が難しく感じられた。第15話でムン・ヒソン(Apink チョン・ウンジ)と焼酎を飲みながら心の内を話す場面は、台本を読んだときから涙をこらえることができなかったほどだった。

チョ・インソンにとっては大変だったかもしれないが、彼の演技は美しい映像と共に視聴者をくぎ付けにした。最終回で、桜の木の前でオ・ヨン(ソン・ヘギョ)と再会する場面は視聴者の間で「夢のようだった」と話題になったほど美しかった。

入隊前は絶頂期だったが空白期間には「廃れた」との評価を受けたりもした。気を悪くしそうな評価だが、チョ・インソンはそのような時期もあったことを認めながら「幸いにもこのドラマで少しは良くなりました」と笑顔で語った。入隊前と同じ姿を維持することは容易ではなく、入隊前に比べると年を取ったように見えるかもしれないが焦ってはいないと話した。

今も映画「拳法」の撮影を待っているが、以前に比べ気持ちは楽になったという。

「確かに変化がありました。長い間の宿題のようだった兵役も終え、新しい所属事務所に移り、自分自身の選択に対する責任感も強まりました。今後については壮大に語ることはできませんが、僕の姿を隠さずに演技でありのままを見せたいです。それが僕らしいことですから」

記者 : 聯合ニュース