Vol.5 ― 放送終了「その冬、風が吹く」性別年齢別に分析した人気…どろどろ系ではなかったため輝けた

TVREPORT |

写真=SBS「その冬、風が吹く」スチールカット、視聴率グラフ
SBS「その冬、風が吹く」は、スターソン・ヘギョとチョ・インソンの共演で、放送前からヒットを予感させていた。同ドラマが水木ドラマの視聴率1位をキープできたのは、中高年層の女性視聴者の圧倒的な支持があったためだ。

「その冬、風が吹く」は日本のドラマ「愛なんていらねえよ、夏」が原作だ。同作品を韓国の情緒に合わせて脚色し、共感を得た。両親から捨てられ、暗く育ったオ・ス(チョ・インソン)と、両親がおらず、寂しく生きている目の不自由なオ・ヨン(ソン・ヘギョ)が出会うことからストーリーは始まる。日陰に生きる彼らの人生を乗り越え、本当の愛を見つけ出すという作品だ。

ノ・ヒギョン脚本家は「冬でも熱くなれる韓国的なドラマを作りたかった」と話し、原作とは違う道を選ぶことを予告していた。演出を担当したキム・ギュテ監督は、視覚的な効果を十分活かし、絵画のような洗練された映像でドラマの完成度を高めた。

「その冬、風が吹く」は、韓国で2月13日に第1話が放送され、第16話を最後に放送終了となった。約2ヶ月間、視聴者の熱い反響を得た話題作だった。体感視聴率を考えると、数値の上での視聴率をはるかに超えている。

視聴率調査会社ニールセン・コリアの集計資料をもとに、男女年齢別視聴占有率と全国視聴率の変化を分析してみた。「その冬、風が吹く」は全国基準11.3%の視聴率でスタートし、最終話は15.8%の番組史上最高視聴率を記録して、有終の美を飾った。

男女年齢別視聴率では、女性視聴者の反響がとても大きかったことが一目で分かる。40代、50代女性の反響が最も大きく、30代の関心も熱かった。また、中盤に向かうほど多少下落する傾向を見せた。一方、男性の視線は引き付けることができなかった。他のドラマと比べ、男女の格差が比較的大きかった。

放送環境が良くなかったにもかかわらず、同時間帯に放送されたKBS 2TV「IRIS 2」やMBC「7級公務員」との競争で勝機をとったのも意味がある。このような結果はソン・ヘギョ、チョ・インソンという視線を集中させる役者たちと安定した制作陣の調和のおかげだと言える。ノ・ヒギョン脚本家は、これまで着実に成長してきた脚本家らしく、視聴率においても人々の信頼に応えた。

ドラマ序盤には俳優たちの力が視聴率の上昇に大きな影響を与えた。しかし、終盤からは俳優たちの演技力に脚本家や監督の能力を合わせた攻略がますます必要となった。「その冬、風が吹く」はこの点を上手にクリアした。半事前制作システムで余裕のあった撮影も、完成度を高める要因となった。

「その冬、風が吹く」の制作関係者は、TVレポートとの取材で中高年層の女性視聴者から人気を得られた秘訣について語った。同関係者は「テレビでは滅多に見られないビジュアルの調和が素晴らしかった。それに相応しい演技力も一役買った。また、冬という季節が正統派ラブストーリーと上手く相まって、女性の感受性を強く刺激したようだ」と伝えた。

同関係者は「最近は刺激的な題材が溢れているので、どろどろ系のドラマが多い。それに比べると『その冬、風が吹く』は愛で癒されるような純粋なドラマだ。人への思いやりを描く、ノ・ヒギョン脚本家特有の穏やかな情緒を感じることができる」と分析した。

一方、男性視聴者の視聴率が低いことについては「基本的にドラマというのは、女性をターゲットにしたものである。しかもラブストーリーなので、どちらかといえば男性の好みではないだろう」と話し、大きく意に介さなかった。

後悔している部分があるのかという質問には、「当初の目的は達成したので、後悔する部分はない。この作品を通じて、俳優と制作陣が望んでいた目標をほぼ全て達成した」と満足そうに答えた。

記者 : ソン・スンウン