SBS「人気歌謡」ランキング制復活に向けた条件…“公正な番組”となるか
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写真=Lyn Twitter
17日放送から「人気歌謡チャート」を新設…重要なのは、公正性
SBS「人気歌謡」が、ランキング制番組に生まれ変わる。“競争の場”よりは、アーティストたちが様々なステージを披露できるようにしようという趣旨の下で“ミューティズンソング”制度(アルバム販売量、音源、ネットユーザー投票、放送回数、リサーチなどを基準に選定)を廃止し、約8ヶ月ぶりに1位になったアーティストにトロフィーをもたせることにしたのだ。制作陣は大衆音楽公認チャートサイトのGAONチャートに上がっている最新K-POPランキングをもとに視聴者の投票により決定すると説明した。現在アイドルグループとダンス音楽を中心に放送されている千篇一律の地上波主要音楽番組は、K-POPの世界的な人気への成長ぶりとは違い、視聴率が引き続き2~4%に留まっている状況だ。
ランキング制を運営しているKBS「ミュージックバンク」がその中では先頭を維持しており、最長期間ランキングなしに放送されているMBC「ショー 音楽中心」が最も低い視聴率を見せている中、「人気歌謡」は“過去への回帰”を選ばざるを得なかったのだろう。
何より、ランキング入りに“障壁”があってはならない
人々から大いに愛されているアーティストが“歓喜の瞬間”を満喫できるように、1位の栄誉とともに尊いトロフィーを与える方式はおおむね歓迎できる。ただ、「人気歌謡」が全てのアーティストに公正に競合する機会を提供できるかが、成功する上での最重要課題だ。“ミューティズンソング”と“Take7”制度を導入していた時期にもSBS「人気歌謡」では他の放送局のオーディション番組出身アーティストの楽曲を取り除くなど、ここ2~3年間多くの問題を露呈し、ネットユーザーたちから叱咤を受けたことがある。Mnet「SUPER STAR K」出身アーティストの出演は認められないとしても、ホ・ガクやBusker Buskerなど人々から大いに愛されたアーティストのヒット曲をそもそも候補リストから外してしまうことは、納得できなかったからだ。
反面KBS「ミュージックバンク」は、同じ地上波の他放送局オーディション番組出身アーティストを出演はさせなかったが、ランキングからさえも外すことはしなかった。一例に、SBS「K-POPスター」出身のイ・ハイは「1.2.3.4」で2位にまで上がっており、MBC「偉大な誕生」シーズン1の優勝者ペク・チョンガンも新曲をランキング入りさせるなど、他の地上波放送局のオーディション番組出身歌手のランキング入りには全く障壁を置かなかった。
特に、昨年全世界を強打したPSY(サイ)の「江南(カンナム)スタイル」は、「ミュージックバンク」で一度もステージを披露していないにも関わらず、10週間連続1位を含め、計16週間ランキング1位を占めたPSYにそっくりトロフィーを与えた。一時気まずい関係にあったKBSとYGエンターテインメントだが、それとは関係なく“公正性に基づくチャート”を紹介していることを見せたので、「ミュージックバンク」K-チャートへの信頼度は高まり続けているのだ。
韓国で3月17日の放送からランキング制度を復活させる予定のSBS「人気歌謡」は、もう一つの盲点を抱えている。一歩間違えば人気アーティストのファンクラブ間の投票過熱だけ煽るのではないかという懸念が、一部メディアから出ているのだ。このような点に対する補完策がないなら、多分そうなる確率が高い。また、放送局と気まずい関係にある一部アーティストの楽曲を最初から候補外にしていたこれまでの行為を踏襲するなら、それも番組制作陣の意欲的な再出発に冷水を浴びせる結果となるのは目に見えている。
今年3月から、世界的な権威のビルボードもアメリカ内のYouTubeミュージックビデオ動画再生数を“Hot 100チャート”の順位に反映させた。遅ればせながら“時代の流れ”に合わせて変化を図っているのだ。K-POPの発展において重要な媒介の役割を果たしている音楽番組が、より公正で客観的なデータをもとにチャートを集計し、全アーティストに開かれた心で門戸を開放して初めて、次第に離れている大多数の音楽ファンと視聴者の心を取り戻すことができるだろう。
ランキング制開始を控えたSBS「人気歌謡」が、音楽人達に偏見のない機会とステージを提供する“公正な番組”に生まれ変われるか、注目される。
記者 : イ・ジョンソン