「パパロッティ」ハン・ソッキュ&イ・ジェフン、名コンビの誕生知らせる

OSEN |

俳優ハン・ソッキュとイ・ジェフン、この個性豊かな二人の男性が、韓国映画界の新しい名コンビとして浮上する見込みだ。

先月27日ソウルのメガボックスCOEXで開かれたマスコミ向け試写会で初公開された映画「パパロッティ」は、多少分かりきったストーリーに活気を吹き入れたハン・ソッキュとイ・ジェフンの絶妙なコンビネーションで、観客に笑いと感動を与えた。

「パパロッティ」は、声楽の才能を持つヤクザのジャンホ(イ・ジェフン)と、彼を教えることになった気難しい田舎学校の音楽先生サンジン(ハン・ソッキュ)の話を描いた作品だ。以前は声楽家として成功していたが、現在は田舎の芸術高校の音楽先生をやっているサンジン、冷静さと気難しさの塊と化している彼に、ある日青天の霹靂のようなミッションが与えられる。天賦的な歌の実力を持っているが、早くから闇の世界に入門してしまったヤクザのジャンホを教え、コンクールで入賞させよというのだ。

転学初日、黒い乗用車に子分まで従わせて登校し、授業中も“ビッグブラザー”の電話には欠かさず出る、形だけ学生のジャンホが気に入らないサンジンは、ジャンホの歌も聞かずに結論を出す。

一方、歌と喧嘩、両方の才能を持って生まれたが、前が見えない家庭環境により闇の世界へ足を入れたジャンホは、たとえヤクザであっても、声楽家になりたいという夢を忘れたことはなかった。このような自分に教えることもせず、口癖のように猫も杓子も趣味でやるのがクラシックかと、事ある毎に無視してかかるサンジンの態度にカッとするが、それでも夢を諦め切れないジャンホは、遠く険しいサンジンとの関係を続け、夢への一歩を踏み出す。

ヤクザとクラシックの出会いというユニークな題材は、結局“先生と教え子”“夢への情熱”という多少ありきたりなストーリーに帰結するが、映画でサンジンとジャンホ役を演じるハン・ソッキュとイ・ジェフンの名演技は、これを月並みのものにしていない。二人の絶妙なコンビネーションが、ストーリーの月並みさを忘れさせるほど、観る人を楽しませているためだ。

「糞か味噌かは、食べてみなくても見た瞬間分かる」というシニカルな価値観の持ち主サンジン役を演じるハン・ソッキュと、「俺は糞じゃない! ヤクザは歌っちゃいけないんですか?」と聞き返しながら夢への情熱を離さないジャンホ役のイ・ジェフンは、これまでの師弟間の役割関係が入れ替わったような個性で見る人を楽しませ、同時に二人のコンビネーションが加わり、爆発的な相乗効果を生み出している。

映画の序盤、事ある毎にいがみ合っていた二人の姿は観る人に笑いを、次第に夢へと一歩一歩進んで行くイ・ジェフンと彼を支えるハン・ソッキュの姿は感動を与えている。

また、自分を認めないハン・ソッキュに怒るイ・ジェフンの演技が多少大げさだと感じる頃、ハン・ソッキュがそれを抑えながら映画の全体的なトーンをコントロールし、そしてハン・ソッキュのシニカルで気難しい姿に少し飽きてきた頃にイ・ジェフンの若々しい演技が映画の雰囲気を盛り上げるなど、二人の俳優の最高のコンビネーションを証明している。

コンビネーションだけでなく、自分の夢が叶わずひねくれている音楽の先生から、ジャンホを通じて自分の失った夢と希望を取り戻すサンジン役を完璧に演じこなしたハン・ソッキュの熱演と、映画「建築学概論」の初恋のアイコンのイメージからは想像もできないヤクザに変身し、慶尚道(キョンサンド)訛りと夢への情熱を表すジャンホの姿をうまく演じ抜いたイ・ジェフンの熱演も、映画の見所となっている。

映画「鳥肌」でデビューし、以降映画「青燕」「私は幸せです」などを演出したユン・ジョンチャン監督がメガホンをとった「パパロッティ」は、韓国で14日に公開される。

記者 : キム・ギョンジュ