【スターコラム】ハ・ジョンウ“俳優になりたい男” ― Vol.2

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“俳優”ハ・ジョンウ!顔が売れていない頃から韓国の映画界を代表する俳優に生まれ変わるまで、彼は休まずに活動をしてきた。一つのジャンルにこだわることや、似たようなキャラクターに満足することはない。作品ごとに違う性格、違うタイプのキャラクターを演じ、全く別の人物に変身する。

まるで、劇中のキャラクターと一つになったかのような彼の自然な演技は、生まれつきの才能ではなく、絶え間ない研究と悩みから生まれた結果である。ハ・ジョンウは常に“どうすれば演技をもっと上手にできるのだろうか”ということに焦点を合わせる。いかなる修飾語より俳優という言葉が好きだと言うハ・ジョンウ。彼の作品と演技に対する率直な話を聞いてみよう。/編集者

NAVER スターコラム:ハ・ジョンウ

こんにちは。ハ・ジョンウです!1部に続き、2部でまた挨拶することになりました。今回は作品や演技についてお話したいと思います。まだ未熟な部分も多い僕の率直な考えについてお話します。


易しいものはない、「ベルリンファイル」

最近公開された「ベルリンファイル」が、観客から好評を得ているので、気持ち良く毎日を過ごしています。

もちろん、良くない反応に対しては、アクション映画ということや最初から観客の期待値が高かった部分があるからだと思います。現在の進行状況は、皆が予想していた結果であり、今でも十分僕たちが成功したと言える数字だと思います。

「ベルリンファイル」は、初めて挑戦するジャンルだったので複雑な感じで、アクション映画の主演俳優として、観客を説得することに焦点を合わるという気持ちで出発しました。だから、ワイヤーアクションは苦手でしたが、歯を食いしばってやりました。

大変な時もありましたが、上手く乗り越えられたおかげで、“観客にアクション俳優としての可能性を見せた”という評価を受けることができたと思っています。忘れられない作品の一つになりました。これからも多くの応援をお願い致します^^


多くのことを学んだ、「許されざる者」

演技は何もせずにできるものではありません。トレーニングや苦痛、傷の中で生まれるものではないでしょうか? 一番基本となるのは“リラックス”ですが、僕もリラックスや緩和についてたくさん研究をしてきました。それについては、心理的な部分がとても大きく、振り返ってみると、いつもそれと戦ってきたように思います。リラックスしなければならないのですが、僕の体を道具として、僕が望む表現を正確に行うために、かなり努力をしました。

今でも、それが100%できているとは思いません。でも、そうしながら同時に感じたことは、永遠に100%というものはないということです。作品、キャラクターによってものすごく違う部分があるので、前作で感じたことや経験をそのまま使える場面は非常に限られているのです。ただ、リラックスにおいて、決定的なターニングポイントになった作品は確かにあります。

演劇でも何作かあるし、「武人時代」という大河ドラマに6ヶ月間出演した時は、先輩たちの演技を見ながら「なるほど、そんなふうにするんだ」と気付くことがいくつもありました。

その後、そのとき気づいたことを基に、僕の身体を使いながら行った作品が映画「許されざる者」でした。この作品を通じてカメラ演技について多くのことを学ぶことができました。

なぜかというと、学生の作品であり、1年近く撮影をするので、誰かの機嫌を伺ったり、時間に追われたりすることもなく、とことんやれたからです。一度のシーンも50回も取り直したりもしました。そうしながらモニターで自分の姿を確認して「ああ、こうやってカメラのフレームの中で演技するんだ」ということが分かりました。その時から作品を行いながら理解しようと努力するようになりました。どうすればもっと上手く演じられるのだろうか。どうすればもっとリラックスした状態で僕の身体を動かすことができるのかについてです。


話題の中心“モッパン”(食べるシーン)

食べる演技について感じる面白さ、または興味は人々が作り出した結果です。僕にとって作品の中で食べるシーンは、演技の一部です。おいしく食べなきゃ、おいしく見せなきゃ、という考えそのものが危険です。その延長線上でキレイに、素敵に見せなければならないという考えも同じです。そのようなことを考えた瞬間、不自然になると思います。食べる時も意識したりはしません。

でも、最近周りで色々と言われますので…なんというか、少し不便になりました。これから作品で食べるシーンをどういうふうにこなせばいいのかについて悩むようになりますね。


まだ道のりは長い、「テロ,ライブ」「群盗」「ローラーコースター」

“大勢”(テセ:「勢いに乗っている」「ホットな」の意)という表現について負担が大きいです。誰かに言われました。テセが“下がる道を探す”という意味を持っていると。

それでその話を聞く度に「そうではないのに」と思います。ずっとやり続けて磨いていかなければならない時期だと思っているのに、もうそんな規定をするなんて…もちろん良い意味でのニックネームですが、その言葉を聞く度にしっかりしなければならないと思うようになりました。

僕はただ“俳優”という言葉がとても好きです。

たまに、作品が終わってからどうやって、またどれくらいの時間を経て現実に戻るのかという質問を受けることがありますが、僕は作品の影響をそれほど受けないタイプです。あらかじめ計画を立てて作品を決め、種を予め植えておきます。一つだけするわけにはいかないし、一つだけすれば良くなるのか、という疑問もあります。色々な種を予め植え付け、その次には時間順に「ベルリンファイル」が終われば「テロ,ライブ」を撮って、それが終われば「群盗」を撮るという形で予め準備をして考えていけば、さほど無理はないと思うし、いつも念頭に置いています。

撮影を終えた「テロ,ライブ」は、「フォーン・ブース」のような映画です。または「127時間」のような。ある空間で手足が縛られ、その中でどうやって生き残るのかで死闘を繰り広げる作品です。

ラジオ局に左遷されたキャスターが、朝の番組を担当することになりますが、リスナーと電話している途中でテロリストと出会うことになり、それから映画が始まります。左遷になったので再び報道局に戻るため報道局に連絡してニュース速報をすることになりますが、そのことで罠にハマり、映画が展開されていきます。

僕にとって易しい映画はないです。でも、観客の立場から見ると「ベルリンファイル」や「テロ,ライブ」は、多少難しい映画だと思われるかもしれませんね。一方、「ラブフィクション」はその基準からいうと非常に簡単で、また、コメディ映画の「群盗」もそうでしょう。

演技はもちろん、絵を描くことも映画が好きで始めたものです。監督も同じです。「ローラーコースター」という作品もそのように始まりました。この映画はリ、ュ・スンボムが実際に昨年の夏、台風15号が上陸したときに経験したものです。チョン・ギョンホという俳優がその映画の主人公に選ばれ、軍除隊後、初めての復帰作です。

チョン・ギョンホが持っている情熱と演技に対する態度、俳優をどのように考えるのかといった思いがとても格別で、熱いなと思いました。もちろん若い時から見てきたので、疑いなどありませんでしたが、この作品を通じて、これまでチョン・ギョンホがそれほど高く評価されてなかったことに気付きました。「ローラーコースター」という作品がどうであれ、チョン・ギョンホの演技は輝くだろうという期待があります。

こんな感じですが、僕が考える演技について話をしてみました。作品のことを全て話すことはできませんでしたが、次回の約束にしたいと思います。最後の3部では、俳優でない人間キム・ソンフン、そして10年後の姿などについてお話します。お楽しみに!いつも声援してくださった皆さんに心より感謝申し上げます。愛しています!

文:ハ・ジョンウ

「NAVER スターコラム」は、注目の俳優やアイドル、アーティストたち本人がコラムを執筆。話題のスターが直接書いたコラムをお届けしています。

記者 : ハ・ジョンウ、編集 : ファン・ヨンヒ局長(イシューデイリー)、写真 : イシューデイリー、映画のスチールカット