イ・ハイとパク・ジミン、どこで明暗が分かれたのか 

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JYPで飛躍できず、逆にJYPに埋もれたパク・ジミン

SBSオーディション番組「K-POPスター」が排出したスターを挙げろと言われれば、断然イ・ハイを挙げることになる。イ・ハイは、デビュー曲「1.2.3.4」で4週間も音楽ランキングで1位をキープしたことはもちろん、音楽番組の1位と年末の新人賞を受賞する“怪物新人”として浮上した。オーディション終了後急速に冷める関心を取り戻すことが急務だとすれば、イ・ハイはこれに成功した。そしてこれはYGエンターテインメント(以下YG)のマーケティング戦略が功を奏したと認めるべき部分だ。

YGはイ・ハイに一番ふさわしい楽曲を与え、完璧なスタイリングで視線を引きつけた。2NE1を連想させる部分が多少あったものの、それが巧みにイ・ハイのユニークなイメージと合致した。そして「1.2.3.4」という楽曲には人の心を引く妙な魅力があった。イ・ハイの独特な声はその楽曲の長所をより際立たせた。新人としてはめったにない関心と声援を受け、イ・ハイは次回作を期待できるようになった。事実上「K-POPスター」の最高のビックスターと言っても過言ではない。

イ・ハイはアイドルでもない。そうだとして音楽で勝負するソロの女性歌手でもない妙な位置に立っていた。「K-POPスター」出身という点は3代芸能事務所が注力しているアイドル商品という感じを与えたが、イ・ハイは従来のアイドルからは見られないユニークな個性と声を持っていたためだ。

イ・ハイは爆発的な歌唱力を持っているわけではないが、声そのものが人の心を引く力を持っている。だが、実はそのようなイ・ハイの曖昧な位置は、どんな方向にもマーケティング戦略を立てにくい側面を持っていた。だが、YGはむしろこれを長所に変えた。

YGは「1.2.3.4」という楽曲で注目を集めるとともに、ユニークなスタイリングでイ・ハイのぎこちなさを最小限に抑えた。イ・ハイがプロのように上手に歌ったわけではなかったが、彼女の長所を最大化し短所をなるべく隠すことでイ・ハイのぎこちないところは逆に彼女だけの個性に認識された。アマチュアからプロへの変身に成功したわけだ。パク・ジニョンさえ「イ・ハイのプロデュースは成功的」と評価するほどだ。

写真=YG
これはYGが所属歌手の個性を最大限尊重する方向でプロデュースしたことが功を奏したものだと言える。もちろん100%イ・ハイの個性に合わせたスタイリングとは言えないが、イ・ハイにとって一番もっともらしく見えるスタイリングであることは明らかだ。歌はイ・ハイの声が表現できる範囲内で一番格好よく聞こえ、たとえ2NE1を連想させる部分があるとしてもそれなりに個性的な姿はイ・ハイの独特な位置を前面に出す装置として活用された。

一言でイ・ハイの個性を最大限に生かしながらYGの特色を加え、アマチュアとプロの境界を適切に混ぜる性質のプロデュースをしたことは、イ・ハイにとって最も適切なマーケティングだった。イ・ハイは結局オーディション出身歌手の中で一番成功したデビューという評価まで聞いた。

K-POPスターの優勝者、パク・ジミンを手に入れたJYPは?

だが、優勝者のパク・ジミンを手に入れたJYPエンターテインメント(以下JYP)は、反響を呼んでいない。パク・ジミンが「K-POPスター」で優勝した秘訣はきれいな高音を武器にした歌唱力だ。イ・ハイのように独特なボイスを持っている歌手ではないが、歌唱力だけはK-POP出身歌手のうち一番よかった。だが、パク・ジミンの声が新しい感じを与える余地はあまりなかった。

すでにパク・ジミンより歌唱力のある既存の歌手は数え切れないほどいる。そのためパク・ジミンにとっては、何よりも彼女だけの個性を生かせるマーケティング戦略が必要だったにもかかわらず、それができなかったという分析は考えれば当たり前のことだ。

写真=JYP
パク・ジミンは「K-POPスター」の優勝者であるにも関わらず、ソロ曲でないデュエット曲でデビューした。さらに彼女とデュエットを組んだ相手は天才少女ボーカリストという話まで出回った。天才少女の結合というコンセプトだったが、逆にパク・ジミンより新しくデビューする相手の歌手が誰なのかに焦点が当てられた。そして実際に蓋を開けてみると天才でもなかった。天才と言われた2人の少女は人々に衝撃を与えるほどの歌唱力を見せることも、記憶される楽曲で注目を集めることもできなかった。

それほど中身が伴わない状況で天才という話を乱発したことが仇になってしまったのだ。イ・ハイと同様にガールズグループでもなく、音楽性のあるソロの女性歌手でもない妙な位置に立っていた。二人が手をつないで歌う歌の中でパク・ジミンは目立たなかった上、スタイリングやコンセプトも陳腐な方だった。

さらに“天才少女”らが持ってきた楽曲は地味だった。彼女らは純粋で平凡な少女としてステージに立った。それなら、歌や歌唱力の中で一つはものすごいものを見せなければならなかったが、平凡な感じを与えるだけだった。

「K-POPスター」からJYPに行ったペク・アヨンとパク・ジミン。この二人の違いは見当たらなかった。それだけ同じ姿を見せる歌手への関心は急速に冷めた。むしろ「K-POPスター」で「Rolling in the deep」を歌ったパク・ジミンの方がはるかに衝撃的だった。

写真=SBS
既存の歌手のような感じをなくしてほしいというパク・ジニョンの注文は、JYPに行った彼女らには通じなかったようだ。彼女らはJYPで飛躍できず、逆にJYPに埋もれた感じさえ与えている。

パク・ジニョンは自身が留守だったため彼女らのプロデュースを確認できなかったと言った。「K-POPスター」は、3つの芸能事務所が力を合わせ世界に通用するほどの歌手を育てるという遠大な抱負を前面に出してスタートした。それならその話に責任を負うために当然努力すべきだ。まあまあな感じの歌手ではなく、本当に悩んだ跡が見える戦略を立てるべきだった。

オーディションが終われば関心は急速に冷める。その冷めていく関心を取り戻すものは、結局マーケティングと音楽の力だ。ホ・ガクやBusker Buskerが注目される理由も彼らの音楽、あるいはユニークなスタイルが受け入れられたためだ。

パク・ジミンががイ・ハイのようなコンセプトで登場することは想像できないが、彼女の全てを見せられるコンセプトを持つべきだった。だが、そうではなかった。3つの芸能事務所が一つになって一番強力なアイドルを作るという遠大な抱負は結局成立しなかった。どんな芸能事務所でどんな企画を出すのかが彼らの将来にとってはより重要な問題だ。

記者 : ウ・ドンギュン