2013年、IUの“国民の妹”復帰プロジェクト…解決すべき課題とは?

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ドラマやアルバム活動の“ツートラック戦略”、国民の妹への復帰を狙うIUの2013年

IU(アイユー)がKBS 2TV週末ドラマ「いとしのソヨン」の後続作品として放送される「最高です!スンシンちゃん」の女性主人公に決まった。2011年「ドリームハイ1」以来2回目のドラマ出演での主演になった。IUは「最高です!スンシンちゃん」で再起の土台を作ることができるだろうか。2013年“国民の妹”への復帰のためのIUのの活動戦略は何だろうか?

写真=LOENエンターテインメント

劇的な再起を狙うIUの正面突破

2012年IUは、SUPER JUNIOR ウニョクとのスキャンダルで揺れ、デビュー以来最大の危機を迎えた。ピュアで純粋だった国民の妹のイメージが崩れた。また、論争を収めようとする過程でさらに様々な論争が起き収拾がつかない状況になった。スキャンダルが事実であるかどうかにかかわらず、このような論争に巻き込まれたこと自体がIUにとってかなりの痛手となるしかない。

それにもかかわらず、彼女は予定されていた「最強連勝クイズショーQ」の収録はもちろん、年末の授賞式のMCとしても姿を現し、予想外のスケジュールをこなした。また、スキャンダルの当事者であるウニョクへのインタビューを行い、“強い”姿まで見せた。論争が静まるまで隠れているより、正面突破して危機を乗り越えたいというそれなりの意志を強くアピールしたのだ。

IUの正面突破戦略は、2013年に入りさらに強力に進められる見込みだ。ドラマやアルバムのツートラック戦略で放送活動にさらに積極的に乗り出す予定であるためだ。まず、KBS 2TV週末ドラマ「最高です!スンシンちゃん」の主演としてキャスティングされたのは非常に前向きなことだ。IUとしては“会心の一撃”と言えるほど、最善で最高の選択だと言える。

過去5年間、KBS週末ドラマで30%の視聴率を超えられなかった作品は1本もなかった。その分、固定視聴層もしっかりしており、興行も保証されている。大衆性の確保や認知度の上昇においてKBSの週末ドラマほど効果的な手段もあまりない。「最高です!スンシンちゃん」が興行に成功すれば、スキャンダルでブレーキがかかったIUの人気も逆転の機会を迎える可能性が高い。崖っぷちに立たされたIUが一度試してみて良さそうな挑戦だ。

しかも、この作品でIUが演じるイ・スンシン役は、思わぬ事故で父親を亡くし、ソウルに行って孤軍奮闘する典型的な少女の家長のキャラクターだ。いかなる困窮にも笑顔を失わず気の利くはつらつとした少女、これはこれまでIUが理想的に追求してきた“国民の妹”のイメージと絶妙に一致する。ドラマを通じた効果的なイメージメイク戦略を駆使できるようになったのだ。

George Lakoff(ジョージ・レイコフ)が書いた「dont'think of an elephant!(象のことを考えるな)」という本がある。この本では、「象を考えないようにするだけで象を考えるようになる。象を考えないためには象の代わりに他のものを思い出さなければならない」と話す。IUが「最高です!スンシンちゃん」を通じて駆使しようとするイメージ戦略はそういった面に注目したものと言える。スキャンダルについて長々と釈明する代わり、ドラマのキャラクターと自身を同一視することで、イメージ向上を図るのだ。

「最高です!スンシンちゃん」の興行により、大衆性確保やイメージ向上に成功すれば、これに越した復帰シナリオはないだろう。ここに4月に予定されたアルバム活動が加われば、強力な相乗効果を生むことができる。ドラマ&アルバムのツートラック戦略で芸能界を攻略し、バラエティ出演に拍車をかける全方位的な放送活動を行えば、スキャンダルの波紋は思ったより簡単に収めることもできる。人々の心理の単純さを正攻法で突破したのだ。


“国民の妹”復帰プロジェクト、解決すべき問題は?

しかし、IUが“国民の妹”の座に復帰するために解決しなければならない問題も少なくない。依然としてIUに対する人々の反応が極端に分かれていることが彼女を圧迫している。このような状況で非難を受ける余地を残してはかえって傷がぶり返すことになりかねない。全体的な枠では大胆な正面突破の戦略を選んだとしても、その進め方においては慎重でなければならない理由だ。

まず、演技力の論争など基本的な部分で弱点を見せてはならない。発声、発音、動線などは演技の基本だ。週末のプライムタイムのドラマの女性主人公なら平均以上の演技力を備えていなければならない。そのためには徹底した努力はもちろん、役柄を理解するための研究も先行されなければならない。もし“IUの演技がドラマを台無しにしている”という評価が出た場合、ドラマへの出演は薬ではなく毒になってしまう。いつにも増して慎重なプロセスが必要な時点だ。

主なファンである10~20代とどのように仲直りするかも考えなければならない。KBS週末ドラマは40~60代主婦の専有物だ。ファンの幅を広げる上では役に立つだろうが、伝統的な支持層の10~20代まで引き付けることができるかについては未知数だ。IUとしては「最高です!スンシンちゃん」を主婦層だけではなく、若い世代が一緒に“楽しむ”ドラマにしてこそ劇的な効果を得ることが出来る。OSTへの参加、オンラインプロモーションなど週末ドラマのイメージ備えた対策を徹底的に講じなけれなならない。

4月に発表するアルバム活動も鍵だ。今回も「小言」「Good Day」のような雰囲気の曲を歌ってはならない。“歌手IU”の成熟さや円熟さを強調する方向にしたほうがいい。ドラマを通じてこれまでの明るく健康なイメージを回復すると同時に、アルバム活動では大人として成長しているIUの新しい姿を見せてこそ新鮮さが増し、今の過渡期も賢明に克服できるだろう。

2013年、新しい岐路に立たされたIUは、ドラマ出演とアルバム活動を並行する大胆な正面突破の戦略で信頼回復に積極的に乗り出している。果たして、彼女の野心的な“国民の妹”復帰プロジェクトは満足できる成果を得られるだろうか。二十歳のIUの第一歩が今始まろうとしている。

記者 : キム・ソンギュ