RAINやIU、芸能人の人権侵害を考え直すべき時が来た

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写真=CJエンターテインメント

マスコミと世論が振り回す暴力…彼らに人権とプライバシーはないのだろうか

#1. 2013年が始まって早々、韓国の芸能界はRAIN(ピ)とキム・テヒという大物芸能人の恋愛報道で騒々しかった。インターネット芸能専門メディアのパパラッチ写真の公開から端を発したこの交際報道は、写真の中でRAINが帽子を被っていない格好で歩いていたことで“軍人服務規律違反”議論につながった。

#2. 2013年1月8日、「タジンヨ(TABLOに真実を要求します)」の上告が棄却され、会員であるキム氏などの有罪が確定した。“TABLO学歴偽造”を巡る長い攻防は、約2年間続いた。

#3. 昨年11月、歌手IU(アイユー)は、SNSに掲載した写真でSUPER JUNIOR ウニョクとの熱愛が取り沙汰された。IUの所属事務所の釈明にもかかわらず、この写真は議論を巻き起こし、一部のネットユーザーは“TABLO学歴偽造”の時と同様に「アジンヨ(IUに真実を要求します)」というコミュニティを作った。

“真実”と“常識”という名の暴力

写真=YGエンターテインメント
このような一連の事件は、個別には何の関連性がないように見えるが、芸能人の人権とプライバシーに対する韓国の芸能界と芸能関連メディア、そしてそれを消費する人々の問題を示した。これらの事件で同芸能人たちのプライベートは全て公開され、それに人々の想像力まで加わって歪曲された情報は、インターネット上で急速に拡散され、当事者の人権を侵害するレベルに達した。

軍人服務規律違反に議論が移ったが、RAINが外出して何日、何時、何分にどの車に乗ってどこに行ったのか、どこでキム・テヒに会ったのかまでパパラッチの写真と共に公開された。

EPIK HIGHのTABLOは、ネットユーザーによる学歴詐称疑惑に対し、スタンフォード大学の学歴証明書と成績証明書、そして英文科教授の確認書まで提出したが、ネットユーザーはTABLOに再度「その証明書と確認書が、偽物でないことを証明しろ」というとんでもない要求までした。そしてその疑惑はTABLOの家族に対するネットユーザーの“検証”にまでつながった。

IUの一枚の写真は、ネットユーザーの想像力で新たに創作され続け、数々のパロディを生み出した。また、自称“おじさんファン”離れが続いた。

もっとも興味深いことは、このような芸能人への人権侵害とプライベート暴露という暴力が、“真実”と“常識”という言葉の下で公然と行われているということだ。彼らが求める奇怪な疑問とプライベートな話は、“真実”と“常識”によって彼らの要求は当然なことになり、芸能人にはそれを解明しなければならない義務ができた。

芸能人の人権とプライバシー侵害を憂慮する声に対する彼らの考えは、最近報道されたソウル新聞とRAINとキム・テヒの熱愛を初めて報道したパパラッチ専門インターネットメディアの関係者とのインタビューを見ればよく分かる。ソウル新聞とのインタビューで同インターネットメディアのある関係者は、「スターだから当然、受け入れなければならない」と一蹴した。つまり「スターは一般人と違うので、一般人と違ってプライバシー侵害と人権侵害も受け入れなければならない」という論理だ。

さらに、このような芸能人のプライベートに対する報道は、メディアでそのまま繰り返し報道される。パパラッチは特ダネを出すために、徹夜しながらスターたちの24時間を監視し、ポータルサイトは刺激的な記事で競争に加わる。悪循環が絶えることなく続くわけだ。

芸能人の人権侵害、考え直すべき時が来た

写真=イ・ジョンミン
PSY(サイ)のMVは、YouTubeで10億回以上の再生回数を記録し、K-POPと韓国ドラマなどの韓流ブームは、文化の逆輸出を見せ、全世界でその地位を確立している。韓国の大統領選挙期間でも常に芸能関連記事が政治記事よりヒット数が多かったことを見ても、芸能人がいつも最大の関心事になっていることが分かる。

このような環境で、我々は芸能人の人権侵害について考えるべきではないだろうか。芸能人は私たちと違うため、プライベートや人権侵害を受け入れなければならないと思う前に、彼らも私たちと同じ人間だから私たちと同様に侵害されてはいけない、守られなければならないものがあると思うべきではないだろうか。彼らのプライバシーと人権は、私たちの“知る権利”によって全ての人に公開され、侵害されるべきものでは絶対ない。

芸能人として生きていくことは、あまりにも厳しい韓国。芸能人は、私たちの関心を得て育つが、彼らと私たちの本当の共生、そして韓国芸能界の末長い発展のために今必要なのは、私たちの関心を少し抑え、彼らを尊重する気持ちを持つことだ。

記者 : パク・ヒョンス