Vol.2 ― 「マイ・リトル・ヒーロー」チョ・アン、キム・レウォンを引っ叩くシーンに“怖くて涙”

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写真=マイデイリー DB
女優チョ・アンは、映画「マイ・リトル・ヒーロー」で大学の先輩と共演した。キム・レウォンのことである。2人は中央大学演劇映画科の先輩後輩の間柄で、この映画でお互いに対立しながらも、子供たちのために力を合せるアシスタントディレクターのソンヒと三流ミュージカル監督ユ・イルハン役で出演した。

チョ・アンにとって、キム・レウォンとの共演は特別な経験だ。上下関係が厳しいことで噂の演劇映画科の先輩に対して、観客の代わりに勢いよく頬を引っ叩く演技をしなければならなかった彼女にとって、多方面で記憶に残る役にならざるを得ない。そして可愛いらしい多文化家庭(国際結婚家庭)の子供であるヨングァン役のチ・デハン、ソンジュン役のファン・ヨンヨンの出演も一役買った。

チョ・アンは、映画序盤のキム・レウォンがとても小憎らしいという言葉に、「学校の先輩でもある。キム・レウォン先輩は演技がとても上手な方。私は小憎らしいという点に焦点を当てるよりも、本当に上手だと思った。小憎らしい演技が上手。もし小憎らしいならそのくらいだと思う。小憎らしさを可愛らしく上手く演じたのでは」と問い返した。

続いて「周りの人たちから、『私が引っ叩いてやりたいくらいだったけど、本当によくやった』という話をたくさん聞く。あのシーンがそれほど誉められるとは思いもしなかった。あのシーンはすごく大変だった。先輩で、なんだかちょっと怖くて」と弱々しく語った。

チョ・アンは頬を叩くシーンを撮影する前に、スライドさせながら叩く練習にも念を入れた。手加減を知らないチョ・アンだから、キム・レウォンの頬を叩く前に心配が先立った。またそうすると音があまり出ずに相手俳優にとっても痛みが減るため、チョ・アンの思いやりだったわけだ。

彼女は「怖くて涙が少しずつ出た。学校の先輩でもあるから。先輩がとてもよくしてくれた。キム・レウォン先輩が本当によく面倒を見てくれたが、私がもともと学校の先輩に対して怖がる方だから」と、冗談めかして語った。

チョ・アンは多文化家庭に対して特に色々と考えたことがなかったが、映画を見た後感じた点が多かったと語るキム・レウォンの言葉に言及した。

彼女は「私もキム・レウォン先輩の言葉に同意する。私も多文化家庭の子供たちや東南アジアなどから来た労働者の人たちが差別的な待遇を受けていることに対して知っているし、それじゃだめだと思っていたけれど、子供たち(チ・デハン、ファン・ヨンヨン)と一緒にいて色々と考えるようになった。とても純粋で良い人たちが社会に出て、傷つくことを考えると胸がとても痛い」と語った。

チョ・アンをはじめ「マイ・リトル・ヒーロー」のキム・ソンフン監督とキム・レウォンなどは、これから映画のように実際にも多文化家庭の子供たちであるチ・デハンとファン・ヨンヨンのための団体を作る予定だ。映画を撮影しながらもそうだったが、一時的な関心ではない未来のための道を開いてあげたいからだ。

彼女は、「(多文化家庭の子供たちを)可哀想と思って見るのではなく、当たり前の存在だと思わなければならないと思う」と言いながら、同情ではない同等な視線で眺めてほしいとの願いを伝えた。

また「徐々に刺激に慣れて、強いものを求めるようになる。刺激的な要素ではなく、温かい映画。温かい眼差しで見てくれたら嬉しい。私の中の敍情的な面に戻ることができる映画」である「マイ・リトル・ヒーロー」を通じて、寒い冬に観客たちの心が温かくなることを望んだ。

「マイ・リトル・ヒーロー」は、見栄っ張りな三流監督ユ・イルハン(キム・レウォン)が人生の逆転を狙って参加した大型ミュージカルオーディション番組で優勝の確率ゼロの少年ヨングァン(チ・デハン)とパートナーになり、不可能な夢に挑戦していく過程を描いた映画だ。

記者 : キム・ミリ