“リアリティ”を“ドラマ“にしてしまった「私たち結婚しました」今が熟考の時

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写真=MBC

オ・ヨンソの交際騒ぎで揺れた番組のアイデンティティ……「私たち結婚しました」の今後

MBC「私たち結婚しました」は、アルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」またはシャイア・ラブーフ主演の「ディスタービア」と同類の番組だ。出演者間の仮想結婚が、予め書かれている脚本により動く仮想の物語だとしても、視聴者は「私たち結婚しました」を仮想結婚物語以上に受け入れている。芸能人の結婚生活をテレビで見たい大衆の心理を満足させているのだ。

哲学的にアプローチするなら、「私たち結婚しました」はシミュラークル(simulacre)の概念と関連して考えることができる。制作陣が任意で決めたカップルに「愛し合っている」という前提を着せ、本当の結婚をコピーした番組だからだ。しかし「私たち結婚しました」でこれを成立するためには、出演者が本当の恋愛をしていないという前提がなければならない。もし誰かが本当に交際中だという事実が露呈する瞬間、「私たち結婚しました」は結婚に対するファンタジーを提供するシミュラークルではなく、結婚のふりをして演じる“ドラマ”になってしまうからだ。

ところが今、出演者の一人であるオ・ヨンソが、「私たち結婚しました」がこれまで貫いてきた視聴者、そして出演者間の“感情的な共有”を害している。交際が報じられたからだ。「私たち結婚しました」の制作陣がオ・ヨンソとMBLAQ イ・ジュンの仮想結婚生活を放送し続けたとしても、今後これ以上のファンタジーは与えられにくくなる。明白にシナリオが存在するといっても、出演者が仮想結婚の中で経験する微妙な感情は、少なくとも視聴者の目の前からは消えるはずだからだ。

かといって「私たち結婚しました」が以前の放送分とは違う密度の高いスキンシップを演出するといっても、「私たち結婚しました」は結婚ファンタジーバラエティでない“ドラマ”になってしまうだろう。「交際説は事実無根」と仮想結婚を続けると明言したが、オ・ヨンソの交際説で進退両難に陥った「私たち結婚しました」の制作陣は、これからでも真剣に悩むべきだ。仮想結婚が与えるファンタジーを犠牲にしてまでオ・ヨンソの結婚生活を続けさせる場合、「私たち結婚しました」はリアリティからドラマへ転落するしかないからだ。番組のアイデンティティのため、制作陣の熟考が必要な時だ。

記者 : パク・ジョンファン