【MBC年末決算Vol.2】ビジュアルを諦めた「メイクイーン」ハン・ジヘには得だった

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[MBC年末決算 Vol.2] 視聴率1位で放送終了…“マクチャン議論(※)、申し訳ない気持ちもあったが……”

なんと38話だったドラマを、しかも放送終了時に“同時間帯視聴率1位”という成果を収めたためだろうか。MBC週末特別企画ドラマ「メイクイーン」を終えた女優、ハン・ジヘの顔は明るくて清らかだった。他にも色々と楽しめる番組もたくさんあって視聴率20%を超えることが難しかった状況で自体最高視聴率26.4%(AGBニールセン・メディアリサーチ、全国基準)を記録した「メイクイーン」の成果は断然目立つ。

「あまりにもたくさん愛されました。最後までよい結果を出して気持ちよかったです。皆喜んでいると思います。監督と脚本家、制作会社やスタッフ、俳優まで、このドラマをして損した人は一人もいませんので。『メイクイーン』はMBCにも貢献しましたし、一緒にした全ての人に大きな自信と元気を吹き込んだ作品だったと思います」

8月に行われた制作発表会で「首都圏の視聴率が20%を超えれば、キム・ジェウォンの上半身ヌードを公開するため先頭に立つ」というハン・ジヘの話を覚えている人なら、忙しい撮影のせいでそれが実現されなかったことを残念に思うはずだ。これに対しハン・ジヘは「皆撮影しながら『20%を超えたらどうしよう』と緊張した」とし「キム・ジェウォンは(公約のために)裸人形を探そうと努力したが、日程に追われて手に入れられなかったと言った」と笑った。“ヒット作”を終えたおかげで一層余裕のある姿だった。

色々と言われた「メイクイーン」、今は言える

数ヶ月間走ったり、転んだりしながらハン・ジヘはドラマのタイトルロールとしての役割を十分に果たした。「厳しい運命を生きる主人公が逆境を乗り越え、海洋専門家になる」というストーリーの中で、“逆境”が強調されたためだ。だが、ハン・ジヘは逆に「やらなくてもいいのに、あまりにも面白くてやり続けた」とし「一度走って転がれば他の人は皆寒くても私は寒くなかった」と振り返った。

「ほとんどのドラマで女性たちは見守っているだけでしょう。見守っていながらたまに表情だけ撮影しますが、とても退屈です。トラックの下に隠れるシーンも監督は『いいよ』と言ったのにあえて私が『そうしてこそドラマが面白くなる』と言いながら地面に転がり落ちて隠れて、自ら苦労を買いました(笑)」

この過程で苦労したのは、体だけではない。恋人に裏切られ、新しい恋人に出会い、実母を見つけ、“生物学的父親”がチャン・ドヒョン(イ・ドクファ)という真実にたどり着くまで、彼女が演じたチョン・ヘジュは気苦労も多かった。その過程で“マクチャンドラマ(※日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)”という声もあった。だが、ハン・ジヘは「俳優は制作陣ではないため、ドラマの全体的な流れを変えることはできない。そのような状況で俳優が『台本が気に入らない』と文句を言いながら演技すれば、本当にドラマは駄目になる」と強調した。

「俳優が1話でもいい加減に演じればそのドラマは駄目になります。もちろん(実際の父親がチャン・ドヒョンだという)話はすでに聞きました。けれど、スタッフも俳優もどういう風に描いていくのかが鍵だと思いました。それでも最後に視聴率が26%を超えたことは、(視聴者も)結末のことが気になったのではないでしょうか。(ドラマの)影響力が大きかったなと思って(マクチャン)問題について申し訳ない気持ちもありました。でも、演技する立場では、そのシーンをうまく表現することが目標になります」

その中でカン・サン(キム・ジェウォン)とのロマンスは「メイクイーン」の活力源だった。ハン・ジヘが“監督なりのユーモア”と説明した絶妙な脱出シーンも、最終回に登場した「私をつかまえてみて~」のような鳥肌の立つシーンもカン・サンとの共演で生まれたものだった。ハン・ジヘは「ヘジュがつらい思いばかりしたなら、見る人もつらかっただろうが、カン・サンとのシーンは風穴を開けるようなものだった。実際にもキム・ジェウォンは息の合うパートナーだった」と評価した。

「出勤、退勤するわけではなく、4ヶ月を毎日一緒に暮らすような生活をしましたので。そうなると、撮影したシーンや場所が気に入らない場合もあるし、討論が長引くこともあるし、疲れた状態で台本を覚え、一日中演技ばかりすれば疲れて神経質になる時もあるし……また、お互いに配慮しながらも頭にくる時もありました(笑) でも、好きであれ嫌いであれ同じチームだし、色々ともめたりもしながら一緒にすることが面白かったです。キム・ジェウォンさんはあまりにもユニークです。自分で『俺はガンジーだ、平和主義者だ』と言うが、男性俳優の口からそのような言葉が出てくることはめったにないことですね(笑) 義理のある人です」

2013年には、作品を3つくらいはしてみたい

撮影で徹夜したとき、カメラ監督が「表情でも悪くしなければ撮影が終わらない。どうしてそうしない」と言うほどハン・ジヘは「メイクイーン」に特別な責任を感じていた。ハン・ジヘは「ヘジュとしていつも現場の中心に立っていなければならなかった。何より撮影前の準備にもっと気をつけるようになったし、頑張るようになった」と打ち明けた。彼女は「脚本家と監督が見る人の 郷愁を刺激して共感を得た」と全てを監督と脚本家の手柄にしたが、「メイクイーン」は彼女のフィルモグラフィーに意味のある作品になった。

「ハミモ(“神様を愛する美人たちの会”という意味の芸能人の親睦会)」で会った俳優たちが励ましてくれたことも力になった。「馬医」のユソンは「女優としてとてもいい時期だから楽しんで」と言い、「限りない愛」のオム・ジウォンは「ハン・ジヘという女優にポイントを与える作品であることは間違いない」という応援のコメントを残した。映画「26年」のハン・ヘジンも「母が『メイクイーン』のファンだ。とてもよくやっている」という反応を見せたという。

「人々と関係者に『ハン・ジヘという女優は、作品をリードすることができるんだ』ということを見せる作品になりました。次の作品をするのに力になる作品にもなりました。また、女性が(ドラマの)題名になるドラマはほとんどありませんでした。そのような作品をして人気もあったし、その役をこなしていくうちに自ら自信を得たことがこれから女優として生きていく上に大きな財産になると思います」

結婚後、「メイクイーン」で一つのターニングポイントを迎えただけに、2013年にも遠大な目標を立てている。「欲を出せば、作品を3つくらいはやりたい」という彼女に「2013年だから3つの作品に出演し、視聴率は30%を超えるようにしなさい」と言ったらすぐに「そうしましょうか?」と言いながら爽やかに笑って見せた。同席した所属事務所の代表に「忘れそうだと思ったらメールを送って“はやく作品を確定してください”と督促して」と話すハン・ジヘだ。

「私なりに子役が出る部分を見ながら『ビンテージな感じを与えながらもスタイリッシュに行かなきゃ』と思いましたが、衣装を見た監督が『駄目だ』と言いながら『裂かれて油のついた服だけ着なさい』と言ったので、わざわざ服に穴も開けたり黒く塗ったりして着ました。後ほど就職してからはもう少しきれいに着たかったけど、止められました。それで『今回はビジュアルを諦めよう』と思いました(笑) それで、これから次の作品ではこの恨みを晴らすためにもっと美しい役をしてみたいと思います。ファッションがとても好きですので。2013年には、本当に良い姿で今年に愛されたことをお返ししたいし、演技ももっとやりたいです。いつも主人公ばかり演じられるわけではないと思いますので、作品も、キャラクターも面白ければよいでしょう。俳優は一人で作業するものではないので、一緒に働く方も重要ですし。パートナーもいい方に会わなきゃ。パートナーのおかげで私が得するかもしれませんし。例えば、“韓流スター”のおかげで私も? ハハハ!」

記者 : イ・ジョンミン、イ・ミナ、写真 : イ・ジョンミン