【ドラマレビュー】「会いたい」切ない三角関係が織り成すラブストーリー

OhmyStar |

写真=MBC
地上波テレビ局の恋愛ドラマとしては初めて“性的暴行“犯罪を題材にしたMBC水木ドラマ「会いたい」。スリラー要素が強い実験的な試みで話題を集めた。

しかし、恋愛ドラマを掲げているにもかかわらず、登場人物のつらい過去やかかわった事件解決を中心に展開しているため、多数の視聴者の関心を引くような恋愛要素が弱いとの指摘もある。他の恋愛ドラマとは違う「会いたい」を高く評価する見方もあるが、多くのドラマ視聴者が好むジャンルが恋愛ドラマであるだけに、恋愛要素を強める必要がある。

幸い、12月20日に放送された第13話では、徐々に互いに惹かれあうハン・ジョンウ(JYJ ユチョン)とイ・スヨン(ユン・ウネ)、そしてスヨンを引き止めようとするヘリ(ユ・スンホ)の怒りを描き、本格的な三角関係の始まりを告げた。

どんな恋愛ドラマであっても三角関係は切ない。これまでスヨンに切ない思いを抱いていたのはジョンウだ。14年前、ひどい犯罪の被害者だったスヨンは当時そばにいたジョンウに嫌われて逃げられたと誤解していた。それでスヨンはジョンウのしつこい告白を冷たく断ってきた。しかしジョンウが14年間、自分のことを探し回ったことや彼の本当の気持ちを知り、スヨンはだんだんジョンウに惹かれていく。

だが、スヨンは新しい恋のためにヘリのそばを離れるわけにはいかない。ヘリにとってスヨンは恋人であり、14年間互いを頼って生きてきた唯一の友だちであり家族だ。そのヘリがスヨンに自分のそばを離れないでと涙を流す。すでにスヨンの心はヘリではなく、ジョンウに惹かれているが、スヨンはジョンウを忘れようとする。

ジョンウは14年ぶりに見つけたスヨンを手放すわけにはいかない。スヨンにはヘリという婚約者がいて、いざとなったら韓国を離れるかもしれない。そのためジョンウは自分の気持ちを隠し、スヨンのそばにいるために友だちになる決心をする。

だんだんとジョンウに心を開くスヨン。彼女の変化でこれまでの三角関係から大きく変わった彼らの恋の末路は悲劇だ。すれ違う三人の恋も悲しい。小さい頃、スヨンを失いたくないために、殺人も躊躇わなかったヘリはナム取締役を介して、ジョンウに「スヨンを見つけ出すと、君が大変なことになるかもしれない」と警告のメッセージを送ったことがある。しかし「会いたい」は単に男女間の心の葛藤や状況設定を超え、悪縁につながるしかない背景を一目瞭然に見せている。

スヨンを取り巻く恋の争奪戦を繰り広げるほか、ジョンウとヘリはジョンウの父親ハン・テジュン(ハン・ジニ)を取り巻く宿敵関係を形成する。過去腹違いの兄テジュンにいじめられ足まで不自由になったヘリは復讐のため、テジュン、ジョンウ親子に計画的に近づく。第13話で過去ジョンウとスヨンを暴行したカン・サンチョルの殺人を仕掛けたヘリは、前もってテジュンをカン・サンチョル殺害容疑者に仕立てる準備を整えた。そして偶然カン・サンチョルの殺害を目撃したジョンウは父親が犯した罪を断罪することを願う。

ヘリの独白通り、ヘリだけではなくジョンウ、スヨンを奈落の底に落とした張本人はテジュンである。それでジョンウは御曹司の地位も諦めて、家を出て警察になった。スヨンは14年が過ぎてもその日の悪夢を簡単に忘れられない。昔からテジュンへの復讐を計画してきたヘリが、徐々にテジュンの首を絞め始める。そしてジョンウが自分の父親を断罪することで、復讐をだんだん強化していく。

しかし実の父親のように育ててくれたキム刑事(チョン・グァンリョル)の死を知ったスヨンは、キム刑事を殺した犯人を捜すため、思い出したくないひどい過去を思い出そうとする。運命のいたずらなのか、キム刑事を死に至らせた人物はヘリである。始まったばかりのヘリのテジュン、ジョンウ親子に対する復讐や、キム刑事を殺した犯人を知ってしまったスヨン。

だんだんと燃え上がる三人の恋で多少弱かった恋愛の要素が強くなった「会いたい」だが、恋愛以外にも三人の運命を翻弄していくスリラーと推理でサスペンスの要素を忘れていない。すれ違う恋だけでもつらいのに、親の世代の悪縁と大人の貪欲で互いに銃を向けることになるジョンウやスヨン、ヘリ。これまでの設定だけでも悲劇が予想される可愛そうな青春男女の恋が耐えられないほどの切ないものにならないことを祈るだけである。

記者 : クォン・ジンギョン